旧名称 →烈風
No.022 | ||||
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試製烈風 後期型 | 艦上戦闘機 | |||
装備ステータス | ||||
火力 | 雷装 | |||
爆装 | 対空 | +10 | ||
対潜 | 索敵 | |||
命中 | 回避 | |||
戦闘行動半径 | 5 | |||
装備可能艦種 | ||||
駆逐艦 | 軽巡洋艦 | 重巡洋艦 | 戦艦 | |
軽空母 | 正規空母 | 水上機母艦 | 航空戦艦 | |
備考 | ||||
開発可、改修不可、入手方法 | ||||
名機「零戦」の後継機として開発された、最新鋭艦上戦闘機「烈風」。 用兵側の発動機選定ミスや多忙な現場設計陣などの苦境を越えて、ついに完成した新型艦戦の試作機「試製烈風」。 「零戦」を継ぐ次世代の我が主力艦上戦闘機、その先駆けたる試作量産機です。 |
ゲームにおいて
- 2019年3月8日アップデートまでの名称は長らく「烈風」であり、同日のアップデートで「試製烈風 後期型」に名称が変更された。
合わせて図鑑の説明文も更新されている。2019年3月8日アップデート以前の画像
- 2024年現在、開発可能な艦載機で最も対空が高い。
- 入手性の良さとスペックの高さから艦戦比較のベンチマークに多用される一面も持つ。
- 一方、対空以外の能力は全く上昇しない。対空以外も上昇する「紫電改二」などとは必要な制空値に応じて使い分けよう。
- 2014年3月14日アップデートの零式水上観測機の実装を境に、電探との複合レシピでは開発できなくなっている模様。現在は素直に艦載機レシピを回すしかない。
- 艦これ初のランカー報酬のひとつだった(他は20.3cm(3号)連装砲、32号対水上電探)。
入手方法について
- 工廠で開発可能
- 大鳳改、隼鷹改二の初期装備。
過去の入手方法
- 2013年 4月作戦報酬 (1~20位)
- 2015年 冬イベント*1『迎撃!トラック泊地強襲』E-1 丙作戦 突破報酬
- 2017年12月24日からログインすると期間限定でもらえる「Xmas Select Gift Box」の選択肢として登場
- 本装備(烈風)とWG42、改修資材4個の3択から選択することができた。
- 他2つと比べると開発可能なこれを選択する優先度は低かった。烈風シリーズの改修等が始まるのかもしれない。
- 本装備(烈風)とWG42、改修資材4個の3択から選択することができた。
艦上戦闘機間の相対比較
- 対空+10を超える艦戦としては、全提督が入手可能なものは零式艦戦53型(岩本隊) (+12)、烈風 一一型 (+12)、FR-1 Fireball (+11)などがある。
- ただしこれらは任務報酬のため限られた数しか入手できない。
- 量産可能な対空+10を超える艦戦は、零式艦戦52型(熟練)★max (+11)、紫電改四★max (+12)、F6F-5★max (+12)などがある。
- 零式艦戦52型(熟練)は機種転換任務を駆使して改修値を引き継ぐことで比較的量産し易いが、紫電改四などは下位装備から改修更新して入手した上でさらに改修を重ねる必要がある。いずれも開発で入手可能な本装備と比較すると量産の難易度は高い。
- 対空以外の能力面で本装備より優位だった零式艦戦シリーズだったが、装備改修により、対空でも本装備と同等あるいは上回ることも可能になった。
その一方で、烈風シリーズは一部の例外*2を除いて改修は不能であり、主力艦戦としての地位は零戦に譲りつつある。経緯は違うがある意味、史実通りとも言える
基地航空隊での運用について
- 出撃時の対空は+10相当で、開発可能かつ改修無しの機体としては最も高い。行動半径も5と比較的広く、上位の局地戦闘機や陸軍戦闘機が入手できるまでは主力として活躍してくれる。
- 同じく開発可能な陸軍戦闘機「一式戦 隼II型」の出撃時対空は改修無しで+9相当。ただしこちらは行動半径6と少し広く、改修maxでは対空+11相当となり本装備を上回る。さらに上位機体に改修更新が出来るため、改修に手が回るようになればこちらに置き換わっていくだろう。
- 防空時の対空も+10相当と高めだが、こちらは「二式複戦 屠龍(改修無しで+12相当)」などの開発可能な局地戦闘機のほうがより高い。
改修素材として
- 改修素材として本装備を消費する装備はいくつかある。対象は下記の装備。
- 試製景雲(艦偵型):★+6以降に1つずつ、★maxまで計4消費。
- F6F-5:★+6以降に1つずつ、★maxまで計4消費。
- 一式戦 隼III型甲:★+6以降に2つずつ、★maxまで計8消費。
- 零式艦戦62型(爆戦):★maxから零式艦戦63型(爆戦)に更新する際に1消費。
- 零式艦戦63型(爆戦):★+6以降に1つずつ、★maxまで計4消費。
性能比較表(装備最大値/艦戦上位早見表/テーブルより転送)
装備名 | 対空 | 対潜 | 索敵 | 命中 | 回避 | 火力 | 装甲 | 半径 | 国籍 | 入手方法 | 改修 | 備考 | 追加 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
震電改 | 15 | 2 | 日 | 任務、イベント | - | 編集 | |||||||
試製 陣風 | 13 | 1 | 1 | 5 | 日 | ランキング、イベント | - | 一部日本艦に装備ボーナス | 編集 | ||||
烈風改二 | 13 | 2 | 1 | 1 | 5 | 日 | イベント | - | 一航戦に装備ボーナス | 編集 | |||
烈風改二戊型(一航戦/熟練) | 12 | 1 | 3 | 2 | 6 | 日 | イベント | - | 夜戦、一航戦に装備ボーナス | 編集 | |||
烈風改二戊型 | 11 | 1 | 2 | 2 | 5 | 日 | イベント | - | 夜戦、一航戦に装備ボーナス | 編集 | |||
烈風 一一型 | 12 | 5 | 日 | 任務、イベント、ランキング | - | 編集 | |||||||
烈風(六〇一空) | 11 | 1 | 2 | 5 | 日 | 任務、イベント、ランキング | △ | 編集 | |||||
烈風改(試製艦載型) | 10 | 2 | 3 | 1 | 1 | 4 | 日 | イベント | - | 一航戦に装備ボーナス | 編集 | ||
試製烈風 後期型 | 10 | 5 | 日 | 開発、初期装備 | - | 編集 | |||||||
紫電改四 | 10 | 1 | 3 | 1 | 4 | 日 | イベント、ランキング、改修 | ◯ | 鈴谷航改二、熊野航改二、龍鳳改二戊/改二に装備ボーナス | 編集 | |||
紫電改二 | 9 | 3 | 3 | 日 | 開発、任務 | ◯ | 編集 | ||||||
零式艦戦64型(制空戦闘機仕様) | 9 | 1 | 1 | 3 | 1 | 5 | 日 | 任務 | ◯ | 鳳翔改二/戦、龍鳳改二/戊に装備ボーナス | 編集 | ||
零式艦戦53型(岩本隊) | 12 | 3 | 2 | 4 | 6 | 日 | 任務 | ◯ | 編集 | ||||
零戦52型丙(付岩井小隊) | 10 | 1 | 1 | 2 | 6 | 日 | 任務 | ◯ | 編集 | ||||
零戦52型丙(八幡部隊) | 10 | 1 | 1 | 1 | 6 | 日 | イベント | △ | 編集 | ||||
零戦52型丙(六〇一空) | 9 | 1 | 1 | 6 | 日 | 初期装備、任務、ランキング | ◯ | 編集 | |||||
零式艦戦52型(熟練) | 9 | 1 | 1 | 2 | 6 | 日 | 任務 | ◯ | 編集 | ||||
零式艦戦32型(熟練) | 8 | 1 | 4 | 5 | 日 | 改修、任務 | ◯ | 編集 | |||||
零戦21型(付岩本小隊) | 9 | 1 | 1 | 3 | 7 | 日 | 任務 | △ | 編集 | ||||
零式艦戦21型(熟練) | 8 | 1 | 2 | 2 | 7 | 日 | 初期装備、任務 | ◯ | 編集 | ||||
Fw190 A-5改(熟練) | 11 | 1 | 3 | 2 | 4 | 独 | イベント | - | 編集 | ||||
Fw190T改 | 10 | 2 | 2 | 3 | 独 | 初期装備、イベント | - | 編集 | |||||
Bf109T改 | 8 | 4 | 1 | 2 | 独 | 初期装備、イベント、任務 | - | 編集 | |||||
Re.2005 改 | 11 | 3 | 1 | 3 | 伊 | イベント、改修 | - | Aquila、Graf Zeppelinに装備ボーナス | 編集 | ||||
Re.2001 OR改 | 6 | 2 | 3 | 4 | 伊 | 初期装備、ランキング | ◯ | Aquilaに装備ボーナス | 編集 | ||||
XF5U | 12 | 1 | 2 | 4 | 米 | イベント、ランキング | - | Intrepid、Saratoga、Gambier Bay、Hornet、加賀に装備ボーナス | 編集 | ||||
FR-1 Fireball | 11 | 1 | 3 | 2 | 5 | 米 | 任務 | - | 米英空母に装備ボーナス | 編集 | |||
F6F-5N | 10 | 5 | 3 | 3 | 3 | 5 | 米 | 任務、ランキング | - | 夜戦 | 編集 | ||
F6F-5 | 10 | 1 | 1 | 3 | 1 | 5 | 米 | 改修、ランキング | ◯ | 編集 | |||
F6F-3N | 8 | 4 | 2 | 2 | 3 | 5 | 米 | 任務、ランキング | - | 夜戦 | 編集 | ||
F6F-3 | 8 | 1 | 1 | 2 | 1 | 5 | 米 | 初期装備、改修、任務、ランキング | ◯ | 編集 | |||
F4U-2 Night Corsair | 9 | 5 | 2 | 1 | 2 | 1 | 6 | 米 | イベント、ランキング | △ | 夜戦、米英空母に装備ボーナス | 編集 | |
Corsair Mk.II(Ace) | 11 | 2 | 2 | 2 | 2 | 6 | 英 | イベント | △ | 米英空母に装備ボーナス | 編集 | ||
Corsair Mk.II | 10 | 1 | 1 | 1 | 6 | 英 | ランキング、初期装備 | △ | 米英空母に装備ボーナス | 編集 | |||
Seafire Mk.III改 | 9 | 1 | 2 | 1 | 1 | 4 | 英 | イベント、改修 | - | 編集 |
- 装備ボーナスの詳細は個別装備ページを参照のこと
小ネタ
- 開発が遅れに遅れ、とうとう実戦配備されないまま終戦を迎えた幻の艦上戦闘機「烈風」……の試作型がモデル。
- 装備イラストのエンジンカウリングにエアインテークが付いている*3ことから、本装備は試験飛行に用いられた試製烈風(A7M1)のエンジンをハ43に換装し、機体各部に小改修を加えたもの(つまり実質烈風 一一型(A7M2)の試作型)と思われる。
これを「後期型」と称するなら、A7M1は逆説的に「試製烈風 初期型」とでも呼ばれるのかもしれない。- A7M2試作型と量産型の違いは折り畳み翼の有無、武装が試作は20mm×2、13mm×2に対し量産型は20mm×4など。
- 艦これの世界では主力戦闘機として空を駆け巡っている烈風だが、現実世界では紆余曲折あったために様々な派生型…というか要素変更を繰り返しながら完全体を目指していた。
- 装備イラストのエンジンカウリングにエアインテークが付いている*3ことから、本装備は試験飛行に用いられた試製烈風(A7M1)のエンジンをハ43に換装し、機体各部に小改修を加えたもの(つまり実質烈風 一一型(A7M2)の試作型)と思われる。
- パワーの有る新型エンジンを搭載、途中からきちんとした防弾装備*4を有し、高速であるにもかかわらず格闘戦も得意な夢の高性能万能戦闘機、それが烈風である。
- と、言えば聞こえがいいが実際には少数が生産こそされたものの、実戦経験は無く文字通り夢で終わってしまった悲しい戦闘機である。
- そもそもこの烈風が日本で完成したかしないかの時期の連合軍戦闘機は「最強のレシプロ艦上戦闘機」ことF8Fベアキャット*5やシーフューリー*6。どちらも烈風のさらに次世代機のような機体である。
- とは言え、ハ四三搭載のA7M2のパワーウェイトレシオはF8Fやシーフューリーと大差ない、また翼面荷重も低い為条件が同じなら対等以上に戦えたとする説もある。
つまり、烈風が遅れたというよりは零戦との間にあるべきF6F、スピットファイア後期型、あるいは陸軍の三式戦に相当する機体がないともいえる*7。問題はその条件がすでに成立し得ない状況だったことであって。*8 - 正直飛行記録も少ないので何ともいえないのだが、F6F以上F8F同程度~以下といった感じが強い。またシーフューリーは1948年まで艦載型が出遅れている(第二次世界大戦終わったから、ともいえるが)で同世代機といえるかどうかは怪しい。
- とは言え、ハ四三搭載のA7M2のパワーウェイトレシオはF8Fやシーフューリーと大差ない、また翼面荷重も低い為条件が同じなら対等以上に戦えたとする説もある。
- さらに実際に実戦配備される頃には根本的に次世代機であるジェット戦闘機の実用化も秒読み段階(米軍では既に量産され部隊訓練中であり、独軍・英軍に至っては実戦投入済だった)。
- ただし初期のジェット戦闘機にはいくつかの諸問題があり、無敵の超兵器のようなイメージに反してレシプロ戦闘機に対するいくつかの弱点を持っていた。
- ジェットエンジンはレシプロエンジンと違って、スロットルを開いてもタービンが加速するまでのタイムラグが存在した。この問題が解決するのは1950年にアフターバーナーの搭載が一般化して以降である。
- さらに艦載機化は、空母の方にも様々な改装が必要であり、戦後米軍のジェット化がつつがなく行われたのは対日戦が終わっていたからである。
戦争が長引かない限り艦載ジェット機と交戦することは無いだろうことは、初めてジェット機が着艦したのは1945年12月3日で、主だった配備が1950年代になってからということからもうかがえる。
ただし、陸上ジェット機に関しては英国が元々抱える技術でそこそこのものは作れるため本土決戦が始まれば戦うことになっていたかもしれない。 - また、ジェットエンジンの機体は45年当時の技術では低空での性能が低く、さらに航続距離も短い。
高度5000m以下で戦闘を繰り広げる当時の空母艦載機としてはパワーを発揮しにくい。 - この為、先述のアフターバーナーが一般化するまでの間、米海軍はスクランブル機としてはF4Uを運用していた。
発動機選定の経緯
- 開発が遅れた主な原因はエンジン周りの開発の遅れ……といわれがちだが、実際のところは海軍と三菱の意見相違、零戦の改良作業、十四試局戦の開発遅延、開発主任の体調不良、従来機の大増産などでてんやわんやしたせいである。
事実、試作1号機と同じ「誉」を搭載する陸軍の四式戦は烈風試作機の1年前に初飛行しているのだから*9。- 発動機論争は有名だが(詳しくは後述)、加えて「小型空母にも搭載できるようにしてもらいたいし、零戦並の格闘戦能力も欲しい」=「なるべく主翼を大きくしてね」と主翼の大きさにも指定があったりして更に面倒なことに。
- 主翼が大きいと同じ馬力では速度を出すことが難しくなる、だが零戦並の格闘性能を維持するにはあまり翼面荷重を高くするわけにはいかない……というジレンマのためで、なんだかんだしたものの装備関係の重量増加もあって結局「妥協」した。
- ちなみに烈風の要求性能のうち、合成風速12m/s、船速に直すと約24ノットの中過荷重状態で滑走距離は80m以内という項目がある。烈風と似たような主翼面積で烈風より重いF6F-3は船速25ノットで正規重量では74mだが、過荷重では102m、反対に烈風と似たような重量で烈風より主翼面積が小さいF8Fでは正規重量では88m、過荷重で127mであった。
烈風はこれらより翼面荷重が小さく、主翼も大きい為実際の空母上での滑走距離は短かったという説がある*10。
- 発動機論争は有名だが(詳しくは後述)、加えて「小型空母にも搭載できるようにしてもらいたいし、零戦並の格闘戦能力も欲しい」=「なるべく主翼を大きくしてね」と主翼の大きさにも指定があったりして更に面倒なことに。
- 「烈風は零戦よりも大きくて重いから改装なしの従来空母での運用は不可能」という主張がある。当初の設計では試作二号機までは主翼の翼端から1.7mで折り畳めた*11ので格納時の全幅は10.6mと零戦52(折り畳み機構無しで全幅11.0m)より短いが、反面全長は10.955mと全長に関しては零戦52型(全長9.121m)より長い。彩雲より短いが、この点に関して使うエレベーターが違う点にも考慮が必要*12。例に挙げるならば、例えば加賀の前部エレベーター寸法は横11.5m、縦12m。烈風のサイズが全幅10.6m、全長10.995mなのでかなりギリギリである。龍驤に至っては縦11.1m、横15.7mなのでほぼ干渉する。斜めにして搭載すれば話は別だがこちらは手間がかかる。また、赤城や瑞鳳、千歳もだいたい縦、横サイズの都合上だいたい全長か全幅どちらかが1mほどしか余裕が無いのでギリギリである。運用に関しては理論上ではこれらの空母でも使用できるが、効率を考えるとエレベーターの改修が必要となる
- また烈風は自重が3,267kg、正規で4,719kg、過荷重で過荷重時で5,315.3㎏(第三過荷重)もあるので大鳳以前の艦に搭載された制動重量は4tの呉式では不安があるという意見もある。しかし全備重量で5tを超える天山がマリアナ沖にて多くの空母から飛び立ったことを考えればこれも通常運用の範囲では問題にならないと思われるまた、作戦後に帰投した機体は戦場で燃料や弾薬を消費して帰ってくるわけで、発艦時のままの重量で着艦することは無い。
- 一方で当時の日米共に艦載機が発艦後にエンジン不調などで燃料を機内に大量に残したまま母艦に帰投することがよくあったことを考えると不安が残る。天山*13など攻撃機の場合、途中帰投する際は爆弾投棄である程度までなら急速に機体重量を減らせれる一方の烈風は大型爆弾類の搭載は無いが機内燃料も放出できないので、増槽を装備しない正規全備重量状態では短時間での減量は行えない*14。無論、4tを超えたからすぐにワイヤーが切断されることは天山の運用結果*15を考えてもあまり無いだろう。あくまで安全面を考慮した場合の話である。ちなみに原理は不明であるが、日本海軍機でも燃料を空中投棄できる機体はあった。が、烈風がそうであったかは不明。
- また、そもそも完成した烈風 一一型には着艦フックは装着されていないため、着艦フック装着による構造強化などで重量がさらに増える可能性もあった。
- また烈風は自重が3,267kg、正規で4,719kg、過荷重で過荷重時で5,315.3㎏(第三過荷重)もあるので大鳳以前の艦に搭載された制動重量は4tの呉式では不安があるという意見もある。しかし全備重量で5tを超える天山がマリアナ沖にて多くの空母から飛び立ったことを考えればこれも通常運用の範囲では問題にならないと思われるまた、作戦後に帰投した機体は戦場で燃料や弾薬を消費して帰ってくるわけで、発艦時のままの重量で着艦することは無い。
- 実は開発サイドが最初に提案していた発動機であるハ43*16を積んだ機体は、要求には及ばないまでも「誉」搭載機よりかなり高い性能を示した。そのため最初からこっちを積んでいれば……という声は多い。
「奇跡の発動機」と称されたとはいえ「誉」に期待しすぎるからこんなことになる、という者もいる。- しかし烈風の開発が始まった頃はまだハ43は試作中であり、完成したのは烈風の開発打ち切りが決まる直前だったのも事実である。
対する「誉」は既に地上試験をパスしており、実用時期の点で大きなアドバンテージがあった。一方で、ハ43もその搭載予定機の開発スケジュールを狂わせているのである。陸軍のキ83は排気タービンよりもハ43に手を焼いたといわれている。 - 一方の「誉」は試作機はともかく量産のものは品質がよくなく、特に烈風の試作機に使われたロットに至っては空気取り入れ口の整形不良まで起きている有り様だったとされる。これは「誉」の量産開始と生産ラインの拡大(=非熟練工員の大量導入)が重なった結果、品質管理能力が悪化したことによるものであって、この時期の日本製発動機全体の問題だった*17。陸軍の疾風も品質が良くなかったり整備の多く必要な誉に苦心していた。
- そしてハ43も陸軍の試作機のぶんを借りてきて載せた状況であった上、試作の「誉」とほぼ同じ内容の初期不良に見まわれるなど、「誉」と比べてきわめて優秀というわけではなかった。「どうせ量産を始めれば中島飛行機の「誉」と同じようになる」という海軍技官や小福田少佐の話は説得力がある。
また「誉」も、疾風を装備し実戦稼働率100%を誇った陸軍の飛行第104戦隊や同じく在隊稼働率100%を維持した飛行第47戦隊のような例もあり*18、同時に各種不具合に対する改良も進められていた事もまた事実である。- また、堀越氏は著書の中で「ハ43に対して海軍から特にアクションがなかったので海軍向けはできていなかった」としており、いくらか割り引いて考える必要はある。それでも1944年も半分過ぎてから発動機の量産「準備」を始めるようではいくらなんでも遅すぎるのだが……
- そして「誉」もハ43も、その生産拠点である三菱重工業名古屋発動機製作所大幸工場*19が1944年末から1945年初頭にかけての空襲によって壊滅したため、大量生産が難しくなる点は同じである。
- なおハ43の改良型にはフルカン継手過給器を備えたものがあったが、結局はあきらめて普通の一段三速過給器にシフトしてしまった。
ちなみにハ43は最初から排気タービン過給器、つまりターボチャージャーの使用を考慮して設計されている。
- しかし烈風の開発が始まった頃はまだハ43は試作中であり、完成したのは烈風の開発打ち切りが決まる直前だったのも事実である。
- なおハ43開発の遅れは、元々の技術が欧米より出遅れていた故と、国内モータリゼーションの進行の遅れに加え、大型機向け大出力発動機であるハ42に取り掛かっていたところに、「誉」への対抗心から、戦闘機向け大出力発動機たるハ43の開発を始めたが主要因(しかも後回しにされた。)。
- 三菱や中島が作った2000馬力級発動機はほとんどモノになっていない。わずかに火星の18気筒版であるハ42が離昇1900馬力を達成したが、2000馬力超えを目指した改良型は使い物にならなかった。中島では誉に加えてハ5*20の18気筒版であるハ44が製作されたが量産に至らずに終戦を迎えている。
- さて欧米はと見れば、ベアキャットのR-2800は出力重量比2.0、出力容積比40。シーフューリーのセントーラスがそれぞれ2.1と47。他を見ても誉やハ43の出力重量比2.3、出力容積比50台なんていうエンジンはほぼなく、そんなちっこいエンジン使ってないのである。
- そして信頼性の面は、整備員の不慣れもあるけれども、日本高馬力発動機必須の水メタノール噴射機構が従来のエンジンでも稼働率を引き下げていたりして、なかなか単純な問題ではないのである。
- 敗戦した日本の航空エンジン技術は別に流出した。言うまでもなく自動車である。そしてちっこくて大出力なエンジンを積んだ日本車は「武力を使わない戦争」において容赦なくかつての戦勝国に襲いかかった。イギリスは再起不能、フランスとアメリカもさんざんばら荒らされ1980年代の終りには虫の息にまで追い詰めた。1990年のバブル崩壊で一息ついたものの、未だに日本車は欧米にとって「油断ならない存在」である。
- そして信頼性の面は、整備員の不慣れもあるけれども、日本高馬力発動機必須の水メタノール噴射機構が従来のエンジンでも稼働率を引き下げていたりして、なかなか単純な問題ではないのである。
- 烈風のエンジン選定課程については、元設計主任が自著のなかで酷評したこともあって様々な議論が交わされている。
- しかし試作要求が出された昭和17年の時点で連合国では既に2,000馬力級の航空エンジンとそれを載せる艦上戦闘機の開発が進行中だった以上、それに対抗する機種を可能なかぎり速やかに開発することは当然求められることだった。
すなわち、実用化時期の見通しの立たないハ43ではなく既に実用の目処のついた「誉」を海軍が選択したのは、当然の判断であるということができる。- 「試作段階のエンジンを新型機に組み合わせるなどもってのほかである」という評もある。一般に機体よりエンジンのほうが開発に時間を要し、実用化にはさらに手間と時間をかけねばならなかったからだ。
- それに冷静に考えてみると、2,000馬力級の航空エンジンは「誉」しかなく、条件付きで「ハ43」があるという状況であった。つまり、海軍は誉に固執したというよりは、誉しかなかったのでそれで設計するように命じただけという見方もできる。
- そのため、海軍による要求変更や衝突で開発が混乱したのも事実だが、これは単純に2,000馬力級の航空エンジンの開発が遅れた結果と称するのが妥当なところであり、前述のとおり、ハ43の有無を根拠に海軍側を後世から批判するのはフェアとは言いがたいところである。
- しかし試作要求が出された昭和17年の時点で連合国では既に2,000馬力級の航空エンジンとそれを載せる艦上戦闘機の開発が進行中だった以上、それに対抗する機種を可能なかぎり速やかに開発することは当然求められることだった。
- 本機へのテストパイロットの評価は分かれており、最後まで関わった小福田租少佐は「烈風は零戦の再来になれる!」と絶賛した。
その一方、紫電改を愛機としていた志賀淑雄少佐は零戦に匹敵する空戦能力を褒めつつも、五二型とほぼ同じかそれ以下の速力と低い上昇能力などを挙げて「実用化に躍起になる連中の気が知れん」と酷評している。- ただし、志賀少佐は欠点まみれだった試製烈風つまりA7M1の頃のテストパイロットであり、生まれ変わったA7M2には搭乗していない。一方、烈風に対し高評価の小福田少佐A7M1から引き続きA7M2の開発陣も務めている。なのでここまで評価が対照的なのは仕方ないと言える。A7M1は性能面でも酷かったし
- なお海軍上層部は計画において烈風の生産枠は縮小されていた零戦の枠を充てがわれただけであり、A7M2の生産計画は「昭和20年度中に120機」と「昭和20年夏頃に月産1000機」と大増産計画されていた紫電改の10分の1しかなかった。これは主に烈風にはまだ初期不良の問題が残っていたからだと思われ、当初の予定からはかけ離れた末路であった。しかしその一方で海軍は決戦戦闘機に烈風と紫電改を、次世代機の二十試甲戦闘機には烈風をべースにすると計画している。
- そんなこんなで烈風の開発が遅れに遅れている間に、欠陥だらけだった紫電を改設計し生まれ変わった紫電改に次期主力戦闘機の座を奪われてしまった。
- 紫電改のエンジンは烈風と同じ「誉」だったが、烈風ほど無茶な要求がなかったこともあるが、こちらの始まりは強風の設計の転用というものなため、一から開発することとなった烈風より開発面ではいくらか優位に立っており、紫電一一型を経て様々な試行錯誤の末に誕生した紫電二一型は要求された性能をほぼ満たしていた。
さらに紫電改の艦上機版(いわゆる試製紫電改二)は着艦試験にも成功。水上機の再設計機に次期艦上戦闘機の座まで脅かされる事態に。このときの烈風開発陣の心情は察するに余りある。- 実際、開発主務者である堀越二郎技師は海軍の要求を満たす為悪戦苦闘してる最中、紫電改が主力機に選定されたという報に激怒。
「あんな飛行艇メーカーがポッと出で作った機体が何故、コイツを差し置いて主力機になるのだ!?」と嘆いたそうな。
- 実際、開発主務者である堀越二郎技師は海軍の要求を満たす為悪戦苦闘してる最中、紫電改が主力機に選定されたという報に激怒。
- とはいえ川西航空機は海軍将官が天下りして経営に参加するなど、将来海軍機の主要製造メーカーとすべく育てられていた会社である事は注意が必要だろう。
- 加えて三菱は独立心が強く、海軍の発動機指定に批判的な持論を強硬に主張した零戦・烈風設計者の堀越技師、一式陸攻の設計者で双発機を指定されているにもかかわらず四発機を主張した本庄技師など扱いにくいメーカーであった事も事実である。
海軍の無茶振りがそもそもの原因と言うのはさておくとして。
- 加えて三菱は独立心が強く、海軍の発動機指定に批判的な持論を強硬に主張した零戦・烈風設計者の堀越技師、一式陸攻の設計者で双発機を指定されているにもかかわらず四発機を主張した本庄技師など扱いにくいメーカーであった事も事実である。
- 昭和19年8月4日には三菱に対して雷電及び烈風(A7M1)の生産開発中止と紫電改の生産が命じられた。
- しかし三菱は烈風高高度戦闘機型のデータ収集という名目でハ四三搭載の改良型(A7M2)と烈風改(A7M3)の開発を自社で続行、A7M2が同年10月に完成し試験飛行を行った結果、A7M2が無茶な要求性能をほぼ満たしたのを目の当たりにした海軍は
手のひらを返しすぐさま艦上戦闘機烈風一一型として制式採用し生産を命じた。- しかし度重なる空襲と東海大震災により工場が被災、結果はA7M1三機がA7M2に改修されただけで量産型は完成直前に終戦となった。
- 紫電改のエンジンは烈風と同じ「誉」だったが、烈風ほど無茶な要求がなかったこともあるが、こちらの始まりは強風の設計の転用というものなため、一から開発することとなった烈風より開発面ではいくらか優位に立っており、紫電一一型を経て様々な試行錯誤の末に誕生した紫電二一型は要求された性能をほぼ満たしていた。
- 近年発見された資料の中に、機体の大半を改設計しエンジンを過給機付き2,200馬力のものに換装、武装も強化した烈風高高度型の設計図が含まれていた。
これが烈風改である。資料発見について多少報道されたので耳にした記憶がある提督もいるのではないだろうか。- さらに設計者である堀越氏の著書内で烈風・烈風改を元に2,400馬力のエンジンを搭載した後継機(計画のみ)も紹介されている。
- イラストに描かれてる機体は"352-20"電光2本 第三五二海軍航空隊 青木義博中尉搭乗機。実際には雷電で、非常に目立つ独特の稲光マークが特徴。
- この
青木中尉のパーソナルマーキング*21は米国人のウケがかなり良いようで、雷電に限らず様々な日本軍機(復元機、レプリカ、模型等)をこの塗装にしてしまうことがある。
- この
- 2016年9月20日にデアゴスティーニ・ジャパンから発売された「第二次世界大戦傑作機コレクション」No.17が、この烈風である。
いろいろと文句は言いたいだろうが全体の印象把握には優れており、同シリーズの零戦や流星と並べるのも一興。 - また、ファインモールドから1/72と1/48のプラモデルも出ているが、設計が新しい1/48はともかく、起業直後に制作された1/72は、同スケールのアオシマ製紫電改/紫電改二やとファインモールドやタミヤが今世紀になってから製品化した零戦と並べた場合、いろいろ厳しい面がある。
7-4と2-4の力を借りながら3日目だけど一切出る気配なくてつらい。
このまま任務終了したら泣くぞ? -- 2024-11-21 (木) 21:19:50