No.151 | ||||
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試製景雲(艦偵型) | 艦上偵察機 | |||
装備ステータス | ||||
火力 | +2 | 雷装 | ||
爆装 | 対空 | |||
対潜 | 索敵 | +11 | ||
命中 | +2 | 回避 | ||
戦闘行動半径 | 8 | |||
装備可能艦種 | ||||
駆逐艦 | 軽巡洋艦 | 重巡洋艦 | 戦艦 | |
軽空母 | 正規空母 | 水上機母艦 | 航空戦艦 | |
備考 | ||||
開発不可、改修可、入手方法 装甲空母のみ装備可能 | ||||
改修更新 | ||||
試製景雲(艦偵型)→ 噴式景雲改 | ||||
空技廠が開発した最新鋭の高々度試作偵察機「景雲」。同機に艦載用の改修を行った艦上偵察機バージョンです。 様々な新機軸を盛り込んだユニークな機体の「景雲」は、開発中のターボジェットエンジン「ネ330」を搭載して、 新鋭噴進式攻撃機化する計画もありました。(本機は新鋭正規空母の一部のみ運用可能です) |
ゲームにおいて
- 2015年9月作戦の作戦報酬(1~20位)として実装された艦偵。
- 翔鶴改二甲・瑞鶴改二甲・大鳳(改)・Saratoga Mk.II Mod.2、Victoriousのみ装備可能な装甲空母専用装備。
- 翔鶴改二、瑞鶴改二、Saratoga Mk.IIは正規空母のままなので装備不可。勘違いしないように。
- この手の専用装備共通の仕様であるが、「装備一覧の一番最後に並ぶ」ことと
「装備可能艦(この場合は装甲空母)を持っていないと装備ロックできない」ことに注意。装備選択の[全装備]からロックできるようになった。
……要注意なのだが、なぜかこの装備は「装備画面では装備一覧の最後尾」、「廃棄画面では偵察機カテゴリの中」と場合によって装備の並び方が違う。 - 装備可能な装甲空母未所有の場合でも基地航空隊を利用することでロックが可能。
通常海域では2016年10月5日より中部海域において基地航空隊が実装。
基地航空隊出現の一連の任務を終了させた場合、装甲空母未所有の提督でもロックのON・OFF切り替えが可能になった。 - なお新艦偵といえば2013年8月のランカー褒賞だった二式艦上偵察機以来となるため、2年ぶりに新実装となる。また、10種類目の☆5装備。
- 性能面は彩雲の索敵+9を超えて索敵+11。ただしT字不利回避の効果は無い。
- 基地航空隊では彩雲と同じく「防空」において本機を配備した航空隊の制空値に補正がかかる。
- 基地航空隊の「出撃」時にも、本機を配備することで同じ中隊に所属する他の機体の戦闘行動半径を伸延することができる。詳細は基地航空隊の項目を参照のこと。
- 2016年12月9日のアップデートでネ式エンジンが本実装され、同時に同アイテムの先行実装で示唆されていた新鋭噴進式攻撃機化が実現。ジェット爆撃機である噴式景雲改が実装された。詳しい性能は該当ページ参照。
装備ボーナスについて
- 改修した本装備を装備した時、パラメータが更に上昇する装備ボーナスがある。
- 本装備の改修値に応じてボーナスが変動する。
- 各ボーナス値は下表の通り。
※装備ボーナスのある他装備の一覧はこちら装備 基本値 試製景雲 火力 索敵 累積 2 11 - 改修効果ボーナス↓ 加算値 装備 対象艦 火力 索敵 累積 艦上偵察機
★+2~+3改修効果 +1 ×
*4★+4~+5 +1 +1 ★+6~+9 +1 +2 ★max +2 +3
- 2020/5/24時点で確認されているのは本装備自体のものではなく艦偵改修の共通効果のものである。
- 適用されるようになるという直接の言及はなかったが、2019/2/8アップデートでの「※艦上偵察機の装備改修効果が更新/強化されます。」の一環であると考えられる。*5
- 索敵値のボーナスはルート分岐上の艦娘素索敵に加算されている。*6
入手方法について
- 任務『新機軸偵察機の開発』報酬
- 任務『「第五航空戦隊」、縦横無尽!』選択報酬*7
過去の入手方法
- 2015年 9月作戦報酬 (1位~20位)
- 2015年 10月作戦報酬 (1位~500位)
- 2016年 10月作戦報酬 (1位~500位)
- 2020年 1月作戦報酬 (1位~20位)★+4、(21位~500位)★無し
- 2021年 期間限定任務『【Xmas限定】聖夜の翼、出撃せよ!』選択報酬
- 2024年 期間限定任務『【艦隊11周年記念任務:拡張任務】特別工廠』選択報酬★+2*8
性能比較表(装備最大値/艦偵早見表/テーブルより転送)
No | 装備名 | 火力 | 雷装 | 爆装 | 対空 | 対潜 | 索敵 | 命中 | 回避 | 半径 | 触接 | 入手方法 | 改修 | 備考 | 追加 |
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151 | 試製景雲(艦偵型) | 2 | 11 | 2 | 8 | 17% | 任務、ランキング | ◯ | 装甲空母のみ装備可能 | 編集 | |||||
212 | 彩雲(東カロリン空) | 1 | 10 | 2 | 8 | 17% | イベント | T字不利回避 | 編集 | ||||||
273 | 彩雲(偵四) | 2 | 10 | 2 | 7 | 17% | イベント、ランキング | △ | T字不利回避 | 編集 | |||||
054 | 彩雲 | 9 | 2 | 8 | 17% | 開発、初期装備、任務 | △ | T字不利回避 | 編集 | ||||||
061 | 二式艦上偵察機 | 1 | 7 | 3 | 5 | 20% | 開発、初期装備、ランキング | ◯ | 伊勢型改二/二航戦改二に装備・改修ボーナスおよび射程延伸効果 | 編集 | |||||
423 | Fulmar(戦闘偵察/熟練) | 2 | 4 | 3 | 4 | 3 | 3 | 4 | 20% | 改修、イベント、ランキング | △ | 米英艦に装備/改修ボーナス | 編集 | ||
543 | SBD VS-2(偵察飛行隊) | 2 | 6 | 2 | 5 | 6 | 3 | 3 | 4 | 20% | イベント、初期装備 | ◯ | 米空母に装備ボーナス | 編集 |
※改修できる艦偵全てで共通の改修ボーナスがある
- 触接攻撃力補正についてはこちらを参照のこと
小ネタ
- 元ネタは、海軍の空技廠が開発していた略符号R2Y1、陸上偵察機「景雲」。本来は陸上機であり、震電改と同様のif仕様。
艦上偵察機型ということなのでR2Y1-Cと呼ぶべきか。 - 装甲空母のみ装備可能なのは運営アナウンスにあった大重量艦載機であるためか。全備重量は8.1tと流星(5.7t)の1.4倍。
当時日本最新鋭のアレスティングワイヤーであった三式着艦制動装置の許容重量が6tまでなので、そのままだと着艦不可能。- 流星の場合、着艦時は魚雷や爆弾を投棄しているため実際はもっと軽くなっている。しかし景雲の場合自重が6tなので載せるだけ(燃料等抜き)にしてもかなり厳しい。
- 機体のコンセプトは高高度を高速で飛ぶ偵察機である。
陸軍に頭を下げて一〇〇式司令部偵察機(キ46)を借用した海軍は自前の高速陸偵を持つことを考えていた。- まあつまり「陸式もすなるキ46更新計画を、海軍もしてみむとてするなり。」といったところ。
- ちなみにその前の九七式司令部偵察機(キ15)は海軍も九八式陸上偵察機として制式採用している。
- 第一弾として銀河の設計を流用した十七試陸偵R1Yが設計されるも、試算の結果、最高速度要求にたった10ノット程足りず廃案となったことで空技廠が次なる一手として打ち出したものである。
- まあつまり「陸式もすなるキ46更新計画を、海軍もしてみむとてするなり。」といったところ。
はてさて、そのころ陸式の計画はどうなったかというと
- R1Yより一年前にスタートしたキ70計画は当初こんな感じだった。
陸軍:キ46はとりあえず物になったけどさ、いざできあがってみると使いにくいよな。
偵察員は後席で視界は悪いし、胴体の燃料タンクが間にあるから操縦士との意思疎通も電話だけだし。
どうせならわがまま聞いてくれそうなメーカーに次世代機発注しようぜ。
立川:はぁ、それでウチですか。やるからには張り切りますとも。
陸軍:次期司令部偵察機として、
・速力670km/h
・航続力2500km
・偵察員は機首に置くこと。
・夜間偵察用に爆弾槽を設け照明弾を投下できること。
どうだ、できるか?
立川:結構な大型機になりそうですね。強力なエンジンを回してくれるなら
陸軍:ちょっと大きくて重いが、ハ104でどうだ。1900馬力だぞ!
- ここまでは理解できなくもない。だがここから陸軍は暴走するのである……。
陸軍:せっかく機首の視界のいい、実に爆撃照準におあつらえ向きの位置に偵察員が居て、爆弾槽あるんだろ?
どうせなら偵察ついでに爆撃もできるようにしてくれ。250kgでいいから、ね、頼むよ。
立川:は、はぁ……。
陸軍:あ、あと敵に襲われたときのために防弾充実して、防御火力も7.7mm一丁じゃ頼りないから12.7mm機関砲を「追加してくれ」
立川:(俺たち、高速で振り切るはずの司令部偵察機作ってるんじゃなかったっけ!?)
- 出来上がった機体は重量超過。それでも630km/h出るはずだったが、実測値は580km/h。
立川:速度出ないんなら翼端ぶった切れば多少は……。
陸軍:おいおい、既に着陸速度も150km/h以上じゃないか!
立川:主翼面積を増やせば……。
陸軍:両立不可能ってことじゃないか(゚Д゚)ゴルァ! 計画中止だ中止!! 今使ってるキ46-II型より遅いんじゃ話にならん!!
立川:えー!!!!! (´・ω・`)
- と、書くと陸式はこれだから……と言いたくなるだろうが、陸軍は別に全く後先考えなしにやっていたわけではない。
つーか大東亜戦争開戦前後のハード開発の常で海のほうがヒドい。
三菱:ちゃーす! キ46-IV実機なんとか納入できそうでっせ。
陸軍:よしよくやった。すぐ量産に────
三菱:そんなラインはない。
陸軍:えー!!!!! (´・ω・`)
- 一見単発機に見えるが、実は双発機である。
液冷のアツタエンジンを二つ胴体の中央に並列配置し、延長軸で機首についたプロペラを駆動させる方式であった。- 通常双発だとエンジンナセル2個+胴体の正面投影面積となり、空気抵抗は増えてしまうがこの方式は太めの胴体一個で収まり、干渉抵抗*9も減らせるとして採用された。
- これの元ネタは試作機のうち2機が日本に売却されたドイツのHe119という偵察爆撃機から。
冷却問題や複雑な機体構造を理由に開発中止となっている。
「景雲」開発の参考資料となったが、エンジンの双子配置に加え胴体のラインを保った段なし風防や翼面蒸気冷却といったハインケルらしいビックリドッキリメカギミック満載の代物だった。
- というわけで、風防は水滴型に、冷却は普通にラジエーターを使い、ターボチャージャー装備、最高速度390kt(722km/h)@10,000m、航続距離1950海里(3,611km)という計画だった。
- だが、計画策定中に戦局が逼迫して試作機は大幅に整理されることとなる。
R2Yも整理の対象となって設計図の上だけで終わる運命をたどる……はずだった。
そこで空技廠が打ち出したのが「ジェット化計画」である。- これが図鑑にあるジェット攻撃機、「景雲改(R2Y2)」である。
これはエンジンを当時三菱で開発中であったジェットエンジン「ネ330」に置き換えたもの。 - この「景雲改」の資料を得るという名目で計画は推進され、試作機は1945年(昭和20年)4月に完成。
- つまり、ジェットの記述が出てくる時点でレシプロ景雲は本来当て馬であり、戦場にでてくるわきゃないのであるが……ゲームだからこそ。
ただし、いつものようにジェットエンジンの開発の目処は立っておらず、空力試験&予算確保の名目だったとする研究者もいる。 - ジェット用の資料ということでターボチャージャーは装備していない。
それに、キ46の後継機は陸軍のキ83(司偵型はキ95)が半年早く試験機を完成させ、通常形式の双発ということでトラブルも少なそうな仕上がりだった。
またしても海軍は陸軍に偵察機を借りる未来が待っていたのである
それ以前に陸軍はキ46自体がまだ性能向上の余地があったとか海軍はなにをやってるんだか……*12
- つまり、ジェットの記述が出てくる時点でレシプロ景雲は本来当て馬であり、戦場にでてくるわきゃないのであるが……ゲームだからこそ。
- 横空でのタキシングテストが4月27日に行われ、そこで首車輪のシミー振動が最大の問題となる。
試験場を木更津に変えて再試験、再調整が行われ、これの解決は5月下旬までもつれこんだようである。
日本機において前輪式*13の経験が浅いことがトラブル解決に時間を要した一因であったようだ。 - そして木更津でのタキシングテストで見つかったもう一つの問題点が冷却系。
双子配置の内側排気管に予想外の温度上昇が認められていた。 - エアインテークを増設し、5月22日にバッタ飛び(ちょっと浮いてすぐ着地)成功。
初飛行を行ったのが5月23日。
だが、初飛行の最中にボヤが発生して緊急着陸。
内側排気管の熱問題が結局景雲の命取りとなった。 - 内側排気管過熱を解消すべく、対策が打たれてはエンジン試運転で実証……しているさなか、操作ミスでエンジンが焼きついてしまったのである。
エンジン換装も手間取る中、7月下旬に艦載機の空襲によって景雲の機体は破壊されてしまった。
- これが図鑑にあるジェット攻撃機、「景雲改(R2Y2)」である。
- そもそも液冷V型双子エンジンは米英独3国が揃って失敗した代物であり、日本の手にも負えなかった。
各国双子エンジンの愉快な顛末
- ドイツのDB610はDB605を2基連結した代物である。He177「グライフ」のA-3型の16機目以降に搭載されたエンジンとして有名。
そしてこのHe177「グライフ」が駄作機としてあんまりに有名- 景雲と同じく双子エンジンに翼面蒸気冷却方式とまぁこの時点でお察し。だがなぜハインケルがそんな機構を採用したのかと言えばB-17級の戦略爆撃機で急降下爆撃を可能にしろとかいうモルヒネデブ一派のせいである。結局4基のペラを回して急降下爆撃など現実的ではないのでこのスタイルになったのだ。
- またドイツでは既存のエンジンの出力を向上させるためにアツタ・ハ40の原型であるDB601を2基連結しDB606とされた物や、DB601の拡張版であるDB603を2基連結したDB613という物まである。
- イギリスは小型エンジンであるロールス・ロイス『ペリグリン』V型12気筒エンジンをベースに『バルチャー』というX型24気筒エンジンを造り、これを対独用大型双発爆撃機『マンチェスター』に搭載した。
- 直列6気筒エンジンは回転バランスが良く振動も少ないため、これを基本に2バンクでV型12気筒、3バンク結合してW型18気筒、4バンクを組み合わせればX型24気筒エンジンとなる。その構成事態の問題は少ない。っていうか、当然に出てくる発想ではある。
- 問題は、元々の『ペリグリン』自体の熟成が進んでいなかった事だろう。加えてバルチャー単独の問題としてコンロッドのベアリングが油膜切れを起こす*14*15といった問題が有り、マンチェスターは最終的に『マーリン』4発に大改修することになった。
これがかの『ランカスター』である。転んでもただでは起きないジョンブルおそるべし。 - ただ、一応イギリスは180度V型*16エンジンの双子化に成功している。180度V型エンジンを上下に重ねギア接続した、H型24気筒ネイピア『セイバー』エンジンは『タイフーン』、『テンペスト』のエンジンとして量産され実績も残した。
始動に失敗すると爆発するとか愉快な欠陥が残ってたのはともかく。
- アメリカはアメリカでなぜか“空冷でうまくいっている重爆を液冷にしたがる病”を発症することがあり、B-17やB-24もエジキになっているが結局量産には至っていない。
で、この病気にB-29もエジキになったからさあ大変。やはり既存の液冷V型エンジンであるアリソンV-1710を双子にしたアリソンV-3420エンジンを搭載したのだが……
まぁ想像通りである。ターボチャージャー過熱などに悩まされ結局計画は放棄された。*17 懲りない日本は戦後もやらかすが、これは余談*18。- 意外なところでイタリアがこれに近いことをやって結果を残している。完全に2バンク連結するのではなく、V型をベースに片バンク追加したW型エンジンを製造していた。しかも当時、既にDOHC*19を
無駄に採用していた。 - 戦後も戦後、21世紀に入ってからの話なのでかなり余談だが、VWグループで使われていた「W型エンジン」が、実は「元々あったV型エンジンをV型エンジンの片側として使用する」という双子エンジンだったりする。
- 意外なところでイタリアがこれに近いことをやって結果を残している。完全に2バンク連結するのではなく、V型をベースに片バンク追加したW型エンジンを製造していた。しかも当時、既にDOHC*19を
- ドイツのDB610はDB605を2基連結した代物である。He177「グライフ」のA-3型の16機目以降に搭載されたエンジンとして有名。
「~があるから」「~よりは~を」はあるとしても、装甲空母が数あるに越したことはないから、みんな翔鶴型は改二甲にしてるのだと。 -- 2024-05-04 (土) 23:16:00