烈風

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No.022
weapon022-b.png烈風艦上戦闘機
装備ステータス
火力雷装
爆装対空+10
対潜索敵
命中回避
戦闘行動半径5
装備可能艦種
駆逐艦軽巡洋艦重巡洋艦戦艦
軽空母正規空母水上機母艦航空戦艦
備考
2013年4月作戦戦果上位報酬(1~20位)
2015年冬イベント*1E-1、丙作戦突破報酬
大鳳改隼鷹改二の初期装備。
名機「零戦」の後継機と開発された最新鋭艦上戦闘機「烈風」。
用兵側の発動機選定ミスや多忙な現場設計陣などの苦境を越えて、ついに完成した新型艦戦です。
ぜひ、「流星」艦爆と共に、次世代の機動部隊艦載機部隊を編成して、空を制してくださいね!

ゲームにおいて

  • 2017年10月現在、開発で入手できる最高の艦戦。入手性の良さとスペックの高さから艦戦比較のベンチマークに多用される一面も持つ。
    • 隼鷹改二(Lv80)と大型艦建造限定の大鳳改(Lv40)が初期装備として持参する。
    • 艦これ初のランカー報酬のひとつだった(その他は20.3cm(3号)連装砲32号対水上電探)。
    • 2014/3/14アップデートの零式水上観測機の実装を境に、電探との複合レシピでは開発できなくなっている模様。現在は素直に艦載機レシピを回すしかない。
    • 2015年冬イベントE-1の丙作戦突破報酬だった(乙作戦以上では烈風(六〇一空))。
    • 開発不可能だが以下5つの上位装備がある。いずれも入手方法は任務やランカー、イベント突破報酬のみ。
      前3つは任務達成報酬として全提督が入手可能だが、後2つは現在入手不可能。
       ・烈風(六〇一空)(対空+11 +α)
       ・零式艦戦53型(岩本隊)(対空+12 +α)
       ・烈風改(対空+12)
       ・Re.2005 改(対空+11 +α)
       ・震電改(対空+15)
    • また烈風と同等の制空値でありながら、付加効果がプラスされる装備が以下の3つある。
      このうち前2つは現在入手不可能。後は量産可能かつ改修可能。
       ・Fw190T改(対空+10 +α)
       ・紫電改四(対空+10 +α)
       ・F6F-5(対空+10 +α)
      • 現在全提督が入手可能な最高の艦戦は零式艦戦53型(岩本隊)。ただし1つしか入手できないため、制空値を重視する際の主力の座は譲っていない。
    • この烈風を越える制空値の艦戦を量産する方法としては、零式艦戦52型(熟練)F6F-5を★MAXまで改修する手がある。
      • 零式艦戦52型(熟練)は機種転換任務を駆使して改修値を引き継ぐことで量産し易いが、F6F-5はいわゆる艦戦カテゴリのエンドコンテンツ米帝装備であり、量産の難易度は非常に高い。


  • 本装備(対空+10)の性能は、単純に零式艦戦52型(対空+6)の上位、烈風改(対空+12)や震電改(対空+15)の下位である。
    但し、戦闘行動半径も含めると零戦52型は6、烈風改は本装備と同じ5、震電改は2と、はっきり優劣がつく訳ではないので、基地航空隊で使う場合は注意しなければならない。
  • 前述のように対空以外の能力面で烈風より優位だった零式艦戦シリーズだったが、装備改修により、対空でも烈風と同等あるいは上回ることも可能になった。
    その一方で、烈風シリーズは一部の例外*3を除いて改修は不能であり、主力艦戦としての地位は零戦に譲りつつある。

  • また、イツイタリアの戦闘機も火力が上がるなど対空以外の能力で烈風より優れている。
    またアメリカの戦闘機も火力や回避などが上がり、しかも改修可能なため最上位クラスのF6F-5に至っては★maxで烈風改と同等の対空値になり、その他の性能込みで上位互換となる。

  • 行動半径5の戦闘機として、基地航空隊で烈風を集中投入して艦隊の露払いに敵空母艦載機を漸減したり、防空で局地戦闘機の不足を補う運用も見られるようになった。熟練の零式艦戦のほうが行動半径が長く有利なケースも多いが
    基地航空隊で優秀な局地戦闘機や陸軍戦闘機の入手は、イベントや月次作戦の報酬に限られているので、烈風が主力となる提督は多いかもしれない。

  • 改修素材として烈風を消費する装備はいくつかある。対象は下記の装備。
  • 2017年12月24日からログインすると期間限定でもらえる「Xmas Select Gift Box」の選択肢として登場
    • 烈風、WG42、ネジ4個の何れから選択することができる。烈風改ではないのか
      • 他2つと比べると開発可能な烈風を選択する優先度は下がるかもしれないが、烈風シリーズの改修等が始まるのかもしれない。

以下性能比較表(装備最大値/艦戦上位早見表/テーブルより転送)

装備名対空対潜索敵命中回避火力装甲半径国籍入手方法改修備考追加
震電改152任務、イベント-編集
試製 陣風13115ランキング、イベント-一部日本艦に装備ボーナス編集
烈風改二132115イベント-一航戦に装備ボーナス編集
烈風改二戊型(一航戦/熟練)121326イベント-夜戦、一航戦に装備ボーナス編集
烈風改二戊型111225イベント-夜戦、一航戦に装備ボーナス編集
烈風 一一型125任務、イベント、ランキング-編集
烈風(六〇一空)11125任務、イベント、ランキング編集
烈風改(試製艦載型)1023114イベント-一航戦に装備ボーナス編集
試製烈風 後期型105開発、初期装備-編集
紫電改四101314イベント、ランキング、改修鈴谷航改二熊野航改二龍鳳改二戊/改二に装備ボーナス編集
紫電改二933開発、任務編集
零式艦戦64型(制空戦闘機仕様)911315任務鳳翔改二/龍鳳改二/に装備ボーナス編集
零式艦戦53型(岩本隊)123246任務編集
零戦52型丙(付岩井小隊)101126任務編集
零戦52型丙(八幡部隊)101116イベント編集
零戦52型丙(六〇一空)9116初期任務、ランキング編集
零式艦戦52型(熟練)91126任務編集
零式艦戦32型(熟練)8145改修任務編集
零戦21型(付岩本小隊)91137任務編集
零式艦戦21型(熟練)81227初期装備任務編集
Fw190 A-5改(熟練)111324イベント-編集
Fw190T改10223初期装備、イベント-編集
Bf109T改8412初期装備、イベント、任務-編集
Re.2005 改11313イベント、改修-AquilaGraf Zeppelinに装備ボーナス編集
Re.2001 OR改6234初期装備、ランキングAquilaに装備ボーナス編集
XF5U12124イベント、ランキング-IntrepidSaratogaGambier BayHornet加賀に装備ボーナス編集
FR-1 Fireball111325任務-米英空母に装備ボーナス編集
F6F-5N1053335任務、ランキング-夜戦編集
F6F-51011315改修、ランキング編集
F6F-3N842235任務、ランキング-夜戦編集
F6F-3811215初期装備、改修、、ランキング編集
F4U-2 Night Corsair9521216イベント、ランキング夜戦、米英空母に装備ボーナス編集
Corsair Mk.II(Ace)1122226イベント米英空母に装備ボーナス編集
Corsair Mk.II101116ランキング、初期装備米英空母に装備ボーナス編集
Seafire Mk.III改912114イベント、改修-編集
  • 装備ボーナスの詳細は個別装備ページを参照のこと

小ネタ

  • 開発が遅れに遅れ、とうとう実戦配備されないまま終戦を迎えた幻の艦上戦闘機「烈風一一型」がモデル。米軍によるコードネームは「Sam」。
    • 初期は艦上戦闘機で、A7M1を改修した試作型A7M2も着艦フック、折りたたみ機構が付いていたが日本海軍の空母がほぼ無くなった為、途中から陸上基地運用の局地戦闘機として変更されている。
  • パワーの有る新型エンジンを搭載、途中からきちんとした防弾装備*4を有し、高速であるにもかかわらず格闘戦も得意な夢の高性能万能戦闘機、それが烈風である。
    • と、言えば聞こえがいいが実際には少数が生産こそされたものの、実戦経験は無く文字通り夢で終わってしまった悲しい戦闘機である。
    • そもそもこの烈風が日本で完成したかしないかの時期の連合軍戦闘機は「最強のレシプロ艦上戦闘機」ことF8Fベアキャット*5シーフューリー*6。どちらも烈風のさらに次世代機のような機体である。
      • とは言え、ハ四三搭載のA7M2のパワーウェイトレシオはF8Fやシーフューリーと大差ない、また翼面荷重も低い為条件が同じなら対等以上に戦えたとする説もある。
        つまり、烈風が遅れたというよりは零戦との間にあるべきF6Fスピットファイア後期型、あるいは陸軍の三式戦に相当する機体がないともいえる*7問題はその条件がすでに成立し得ない状況だったことであって。*8
      • 正直飛行記録も少ないので何ともいえないのだが、F6F以上F8F同程度~以下といった感じが強い。またシーフューリーは1948年まで艦載型が出遅れている(第二次世界大戦終わったから、ともいえるが)で同世代機といえるかどうかは怪しい。
    • さらに実際に実戦配備される頃には根本的に次世代機であるジェット戦闘機の実用化も秒読み段階(米軍では既に量産され部隊訓練中であり、独軍・英軍に至っては実戦投入済だった)。
      • ただし初期のジェット戦闘機にはいくつかの諸問題があり、無敵の超兵器のようなイメージに反してレシプロ戦闘機に対するいくつかの弱点を持っていた。
      • ジェットエンジンはレシプロエンジンと違って、スロットルを開いてもタービンが加速するまでのタイムラグが存在した。この問題が解決するのは1950年にアフターバーナーの搭載が一般化して以降である。
      • さらに艦載機化は、空母の方にも様々な改装が必要であり、戦後米軍のジェット化がつつがなく行われたのは対日戦が終わっていたからである。 (--;
        戦争が長引かない限り艦載ジェット機と交戦することは無いだろうことは、初めてジェット機が着艦したのは1945年12月3日で、主だった配備が1950年代になってからということからもうかがえる。
        ただし、陸上ジェット機に関しては英国が元々抱える技術でそこそこのものは作れるため本土決戦が始まれば戦うことになっていたかもしれない。
      • また、ジェットエンジンの機体は45年当時の技術では低空での性能が低く、さらに航続距離も短い。
        高度5000m以下で戦闘を繰り広げる当時の空母艦載機としてはパワーを発揮しにくい。
      • この為、先述のアフターバーナーが一般化するまでの間、米海軍はスクランブル機としてはF4Uを運用していた。


  • 開発が遅れた主な原因はエンジン周りの開発の遅れ……といわれがちだが、実際のところは海軍と三菱の意見相違、零戦の改良作業、十四試局戦の開発遅延、開発主任の体調不良、従来機の大増産などでてんやわんやしたせいである。
    事実、試作1号機と同じ「誉」を搭載する陸軍の四式戦は烈風試作機の1年前に初飛行しているのだから*9
    • 発動機論争は有名だが(詳しくは後述)、加えて「小型空母にも搭載できるようにしてもらいたいし、零戦並の格闘戦能力も欲しい」=「なるべく主翼を大きくしてね」と主翼の大きさにも指定があったりして更に面倒なことに。
      • 主翼が大きいと同じ馬力では速度を出すことが難しくなる、だが零戦並の格闘性能を維持するにはあまり翼面荷重を高くするわけにはいかない……というジレンマのためで、なんだかんだしたものの装備関係の重量増加もあって結局「妥協」した。
      • ちなみに烈風の要求性能のうち、合成風速12m/s、船速に直すと約24ノットの中過荷重状態で滑走距離は80m以内という項目がある。烈風と似たような主翼面積で烈風より重いF6F-3は船速25ノットで正規重量では74mだが、過荷重では102m、反対に烈風と似たような重量で烈風より主翼面積が小さいF8Fでは正規重量では88m、過荷重で127mであった。
        烈風はこれらより翼面荷重が小さく、主翼も大きい為実際の空母上での滑走距離は短かったという説がある*10
  • 「烈風は零戦よりも大きくて重いから改装なしの従来空母での運用は不可能」という主張がある。当初の設計では試作二号機までは主翼の翼端から1.7mで折り畳めた*11ので格納時の全幅は10.6mと零戦52(折り畳み機構無しで全幅11.0m)より短いが、反面全長は10.955mと全長に関しては零戦52型(全長9.121m)より長い。彩雲より短いが、この点に関して使うエレベーターが違う点にも考慮が必要*12。例に挙げるならば、例えば加賀の前部エレベーター寸法は横11.5m、縦12m。烈風のサイズが全幅10.6m、全長10.995mなのでかなりギリギリである。龍驤に至っては縦11.1m、横15.7mなのでほぼ干渉する。斜めにして搭載すれば話は別だがこちらは手間がかかる。また、赤城や瑞鳳、千歳もだいたい縦、横サイズの都合上だいたい全長か全幅どちらかが1mほどしか余裕が無いのでギリギリである。運用に関しては理論上ではこれらの空母でも使用できるが、効率を考えるとエレベーターの改修が必要となる
    • また烈風は自重が3,267kg、正規で4,719kg、過荷重で過荷重時で5,315.3㎏(第三過荷重)もあるので大鳳以前の艦に搭載された制動重量は4tの呉式では不安があるという意見もある。しかし全備重量で5tを超える天山がマリアナ沖にて多くの空母から飛び立ったことを考えればこれも通常運用の範囲では問題にならないと思われるまた、作戦後に帰投した機体は戦場で燃料や弾薬を消費して帰ってくるわけで、発艦時のままの重量で着艦することは無い。
      • 一方で当時の日米共に艦載機が発艦後にエンジン不調などで燃料を機内に大量に残したまま母艦に帰投することがよくあったことを考えると不安が残る。天山*13など攻撃機の場合、途中帰投する際は爆弾投棄である程度までなら急速に機体重量を減らせれる一方の烈風は大型爆弾類の搭載は無いが機内燃料も放出できないので、増槽を装備しない正規全備重量状態では短時間での減量は行えない*14。無論、4tを超えたからすぐにワイヤーが切断されることは天山の運用結果*15を考えてもあまり無いだろう。あくまで安全面を考慮した場合の話である。
      • というかそもそも烈風に着艦フックは装着されていない。つまり着艦フックを装着する際に構造の強化など重量がさらに増える可能性もある。


  • 実は開発サイドが最初に提案していた発動機であるハ43*16を積んだ機体は、要求には及ばないまでも「誉」搭載機よりかなり高い性能を示した。そのため最初からこっちを積んでいれば……という声は多い。
    「奇跡の発動機」と称されたとはいえ「誉」に期待しすぎるからこんなことになる、という者もいる。
    • しかし烈風の開発が始まった頃はまだハ43は試作中であり、完成したのは烈風の開発打ち切りが決まる直前だったのも事実である。
      対する「誉」は既に地上試験をパスしており、実用時期の点で大きなアドバンテージがあった。一方で、ハ43もその搭載予定機の開発スケジュールを狂わせているのである。陸軍のキ83は排気タービンよりもハ43に手を焼いたといわれている。
    • 試作機はともかく量産された「誉」は品質がよくなく、特に烈風の試作機に使われたロットに至っては空気取り入れ口の整形不良まで起きている有り様だったとされる。
      これは「誉」の量産開始と生産ラインの拡大(=非熟練工員の大量導入)が重なった結果、品質管理能力が悪化したことによるものであって、この時期の日本製発動機全体の問題だった*17
    • そしてハ43も陸軍の試作機のぶんを借りてきて載せた状況であった上、試作の「誉」とほぼ同じ内容の初期不良に見まわれるなど、「誉」と比べてきわめて優秀というわけではなかった。「どうせ量産を始めれば中島飛行機の「誉」と同じようになる」という海軍技官や小福田少佐の話は説得力がある。
      加えて「誉」といえども、疾風を装備し実戦稼働率100%を誇った陸軍の飛行第104戦隊や同じく在隊稼働率100%を維持した飛行第47戦隊のような例もあり、同時に各種不具合に対する改良も進められていた事もまた事実である。
      • また、堀越氏は著書の中で「ハ43に対して海軍から特にアクションがなかったので海軍向けはできていなかった」としており、いくらか割り引いて考える必要はある。それでも1944年も半分過ぎてから発動機の量産「準備」を始めるようではいくらなんでも遅すぎるのだが……
    • そして「誉」もハ43も、その生産拠点である三菱重工業名古屋発動機製作所大幸工場*18が1944年末から1945年初頭にかけての空襲によって壊滅したため、大量生産が難しくなる点は同じである。
    • なおハ43の改良型にはフルカン継手過給器を備えたものがあったが、結局はあきらめて普通の一段三速過給器にシフトしてしまった。
      ちなみにハ43は最初から排気タービン過給器、つまりターボチャージャーの使用を考慮して設計されている。
  • なおハ43開発の遅れは、元々の技術が欧米より出遅れていた故と、国内モータリゼーションの進行の遅れに加え、大型機向け大出力発動機であるハ42に取り掛かっていたところに、「誉」への対抗心から、戦闘機向け大出力発動機たるハ43の開発を始めたが主要因(しかも後回しにされた。)。
    • 三菱や中島が作った2000馬力級発動機はほとんどモノになっていない。わずかに火星の18気筒版であるハ42が離昇1900馬力を達成したが、2000馬力超えを目指した改良型は使い物にならなかった。中島では誉に加えてハ5*19の18気筒版であるハ44が製作されたが量産に至らずに終戦を迎えている。
    • さて欧米はと見れば、ベアキャットのR-2800は出力重量比2.0、出力容積比40。シーフューリーのセントーラスがそれぞれ2.1と47。他を見ても誉やハ43の出力重量比2.3、出力容積比50台なんていうエンジンはほぼなく、そんなちっこいエンジン使ってないのである。
      • そして信頼性の面は、整備員の不慣れもあるけれども、日本高馬力発動機必須の水メタノール噴射機構が従来のエンジンでも稼働率を引き下げていたりして、なかなか単純な問題ではないのである。
  • 烈風のエンジン選定課程については、元設計主任が自著のなかで酷評したこともあって様々な議論が交わされている。
    • しかし試作要求が出された昭和17年の時点で連合国では既に2,000馬力級の航空エンジンとそれを載せる艦上戦闘機の開発が進行中だった以上、それに対抗する機種を可能なかぎり速やかに開発することは当然求められることだった。
      すなわち、実用化時期の見通しの立たないハ43ではなく既に実用の目処のついた「誉」を海軍が選択したのは、当然の判断であるということができる。
      • 「試作段階のエンジンを新型機に組み合わせるなどもってのほかである」という評もある。
        一般に機体よりエンジンのほうが開発に時間を要し、実用化にはさらに手間と時間をかけねばならなかったからだ。
    • とはいえ海軍としても当時存在したエンジンをすべて考慮したうえでの「誉」選択なのであって、他のエンジンでは何かしら不足があると判断されたのだ。それを後世から批判するのはフェアとは言いがたいだろう。


  • 本機へのテストパイロットの評価は分かれており、最後まで関わった小福田租少佐は「烈風は零戦の再来になれる!」と絶賛した。
    その一方、紫電改を愛機としていた志賀淑雄少佐は「実用化に躍起になる連中の気が知れん」と酷評している。
    • ただし、志賀少佐は欠点まみれだった試製烈風つまりA7M1の頃のテストパイロットであり、生まれ変わったA7M2には搭乗していない。一方、烈風に対し高評価の小福田少佐A7M1から引き続きA7M2の開発陣も務めている。なのでここまで評価が対照的なのは仕方ないと言える。A7M1は性能面でも酷かったし
    • なお海軍上層部は計画において烈風の生産枠は縮小されていた零戦の枠を充てがわれただけであり、A7M2の生産計画は「昭和20年度中に120機」と「昭和20年夏頃に月産1000機」と大増産計画されていた紫電改の10分の1しかなかった。これは主に烈風にはまだ初期不良の問題が残っていたからだと思われ、当初の予定からはかけ離れた末路であった。しかしその一方で海軍は決戦戦闘機に烈風と紫電改を、次世代機の二十試甲戦闘機には烈風をべースにすると計画している。
  • そんなこんなで烈風の開発が遅れに遅れている間に、欠陥だらけだった紫電を改設計し生まれ変わった紫電改に次期主力戦闘機の座を奪われてしまった。
    • 紫電改のエンジンは烈風と同じ「誉」だったが、烈風ほど無茶な要求はされず、様々な試行錯誤をした結果要求された性能をほぼ満たしていた。
      さらに紫電改の艦上機版(いわゆる試製紫電改二)は着艦試験にも成功。水上機の再設計機に次期艦上戦闘機の座まで脅かされる事態に。このときの烈風開発陣の心情は察するに余りある。
      • 実際、開発主務者である堀越二郎技師は海軍の要求を満たす為悪戦苦闘してる最中に紫電改が主力機に選定されたという報に激怒。
        「あんな飛行艇メーカーがポッと出で作った機体が何故、コイツを差し置いて主力機になるのだ!?」と嘆いたそうな。
    • とはいえ川西航空機は海軍将官が天下りして経営に参加するなど、将来海軍機の主要製造メーカーとすべく育てられていた会社である事は注意が必要だろう。
      • 加えて三菱は独立心が強く、海軍の発動機指定に批判的な持論を強硬に主張した零戦・烈風設計者の堀越技師、一式陸攻の設計者で双発機を指定されているにもかかわらず四発機を主張した本庄技師など扱いにくいメーカーであった事も事実である。
        海軍の無茶振りがそもそもの原因と言うのはさておくとして
    • 昭和19年8月4日には三菱に対して雷電及び烈風(A7M1)の生産開発中止と紫電改の生産が命じられた。
    • しかし三菱は烈風高高度戦闘機型のデータ収集という名目でハ四三搭載の改良型(A7M2)と烈風改(A7M3)の開発を自社で続行、A7M2が同年10月に完成し試験飛行を行った結果、A7M2が無茶な要求性能をほぼ満たしたのを目の当たりにした海軍は手のひらを返しすぐさま艦上戦闘機烈風一一型として制式採用し生産を命じた。
      • しかし度重なる空襲と東海大震災により工場が被災、結果はA7M1三機がA7M2に改修されただけで量産型は完成直前に終戦となった。
  • 近年発見された資料の中に、機体の大半を改設計しエンジンを過給機付き2,200馬力のものに換装、武装も強化した烈風高高度型の設計図が含まれていた。
    これが烈風改である。資料発見について多少報道されたので耳にした記憶がある提督もいるのではないだろうか。
    • さらに設計者である堀越氏の著書内で烈風・烈風改を元に2,400馬力のエンジンを搭載した後継機(計画のみ)も紹介されている。


  • 描かれてる機体は"352-20"電光2本 第三五二海軍航空隊 青木義博中尉搭乗機。実際には雷電で、非常に目立つ独特の稲光マークが特徴。
    • この青木中尉のパーソナルマーキング*20は米国人のウケがかなり良いようで、雷電に限らず様々な日本軍機(復元機、レプリカ、模型等)をこの塗装にしてしまうことがある。
  • 2016年9月20日にデアゴスティーニ・ジャパンから発売された「第二次世界大戦傑作機コレクション」No.17が、この烈風である。
    いろいろと文句は言いたいだろうが全体の印象把握には優れており、同シリーズの零戦や流星と並べるのも一興。
  • また、ファインモールドから1/72と1/48のプラモデルも出ているが、設計が新しい1/48はともかく、起業直後に制作された1/72は、同スケールのアオシマ製紫電改/紫電改二やとファインモールドやタミヤが今世紀になってから製品化した零戦と並べた場合、いろいろ厳しい面がある。

この装備についてのコメント

  • しかし、試製烈風ということは、誉エンジン搭載型ということ?それで紫電改二より対空高いのはちょっとなあ。 -- 2019-03-08 (金) 19:12:27
    • 妖精さんのミラクルパワーで故障・不具合は0になるから誉24型ならいけるいける -- 2019-03-08 (金) 19:44:17
    • 「後期型」だからハ43搭載型でしょこれは。予告された「オレンジ色の前期型」が誉搭載型になるんだと思うよ -- 2019-03-08 (金) 20:29:14
      • 前期型が誉二二で、後期型が誉二四で、一一型(A7M2)がハ43では? -- 2019-03-08 (金) 20:39:27
  • 量産されて主力として扱われてきた機体が実は試製だったと言われるの、なかなか衝撃的じゃない? -- 2019-03-08 (金) 19:26:26
    • ★MAX零式艦戦21型(熟練)「なん…だと…!?」 -- 2019-03-08 (金) 19:32:21
    • 今のは烈風ではない・・・試製だ・・・ -- 2019-03-08 (金) 19:48:14
    • 13年着提督「実は私もまだ実習生なのだ」 -- 2019-03-08 (金) 20:13:12
  • そのうち真の烈風が(再)実装されるのか -- 2019-03-08 (金) 19:28:15
  • 烈風改修くるんかねー? それか烈風(熟練)実装で52(熟練)から転換するマンスリーでもええんじゃよ? -- 2019-03-08 (金) 19:34:41
    • 共食い改修に備えて量産始めた方がいいかな? -- 2019-03-08 (金) 20:16:05
      • まだわからんからなんとも言えんけどねえ 10機くらいはストックしててもいいかもね 他の装備の改修にも使うし -- 2019-03-08 (金) 20:30:02
  • グラ更新&名称変更オメデトーー! ずっと待ってたよ -- 2019-03-08 (金) 19:37:24
  • えぇー、なんかごちゃごちゃ付いて馴染まない...。烈風という二文字が好きだったのに -- 2019-03-08 (金) 19:44:31
  • あ~、いいわ~ やっと烈風のグラ変わったか!カッコいいぜ!残すは流星くんだけだな -- 2019-03-08 (金) 19:50:03
  • 妖精さん「すまん今まで作ってたの試製烈風やったわ」 -- 2019-03-08 (金) 19:53:40
    • まさか…今まで烈風だと思って造ってきたものがすべて試製だったなんて…今すぐこの事実を上層部に伝えなくては…! -- 2019-03-08 (金) 20:13:33
  • >突然の改名< -- 2019-03-08 (金) 19:57:46
  • 試製烈風後期型とかカッコよさの塊みたいな命名だな -- 2019-03-08 (金) 20:02:35
  • どういうことだい!? イカしたサンダーボルトなマークが消えちまったぜ!? -- 2019-03-08 (金) 20:15:32
    • サンボルちゃんは烈風一一型に移住したみたいよ -- 2019-03-08 (金) 20:19:28
  • 烈風......お前、凛々しくなったなぁ......!! -- 2019-03-08 (金) 20:15:44
  • 既存装備を後付けで試製扱いに変えるなんて運営の元ネタ枯渇も来るところまで来てしまったんだなあ -- 2019-03-08 (金) 20:18:00
    • これはサービスイン時のガバ修正というだけなのでは? っていうかサービスインから烈風が存在して最初のイベントで震電が出ちゃってるのに元ネタ枯渇って今更じゃない? -- 2019-03-08 (金) 20:22:29
    • 元ネタ枯渇っていうか、そもそも烈風安易に出し過ぎたんじゃね感。もともと早くに畳む想定だったらしいからしゃーないけど、これだけ長く続いてる以上立ち位置の修正はまぁ分かるかなって -- 2019-03-08 (金) 20:28:43
  • 14号電探と似た修正だね -- 2019-03-08 (金) 20:33:17
    • 全然違う。あっちは間違いを修正しただけだけど、これは実は別物でしたって言われたんだ -- 2019-03-08 (金) 21:07:34
  • 気づかないうちに任務で獲得したのかと思ったら、烈風の装備名が変わっただけだったんだね -- 2019-03-08 (金) 22:49:47

*1 2014冬では無い。公式発言参照 https://twitter.com/kancolle_staff/status/563634897336553473
*2 純粋な艦戦は対空砲火で撃ち落されないため制空権さえ確保出来ていれば連戦でもあまり消耗しないが、対艦攻撃性能を持つものは対空砲火も受けるため消耗しやすい
*3 改修した零戦52型丙(六〇一空)を烈風(六〇一空)に機種転換した場合、改修値は引き継がれる。烈風(六〇一空)自身の改修は不可能なため、現状では改修した烈風シリーズが入手できる唯一の裏技的な例外である。
*4 初期の要求項目には無かったが、戦訓として艦上戦闘機でもある烈風にも自動消火装置などの防弾装備を取り付けれるよう設計変更されている。
*5 速度、旋回、上昇下降全ての面で零戦52型以上の性能を誇る戦闘機。迎撃・制空戦闘に特化しすぎジェット機に追われて現用期間は短かったが、レシプロ機最速記録を作ったのはこの機体の改造機である。
*6 ホーカー ハリケーンのひ孫。朝鮮戦争にてMig-15の撃墜を記録し、輸出先の一部の国では1960年代になっても運用されていた。今ではその高速性能を生かしてリノ・エアレースでF8FやP-51と鎬を削っている。
*7 つーか、スペックだけ見れば零戦五二型はそれを満たして言えるとも言えなくもないのだが。
*8 というか本来の計画であればF6FやスピットファイアMk.IXと同世代になるはずの機体であり、いわばこいつがつなぎとなるべき機体である。事実1943年~1944年に登場していれば充分な性能だ。
*9 四式戦の開発開始は烈風より4ヶ月ほど早いとはいえ。
*10 ただし、実際に烈風が発着艦を行ったわけではなく、あくまで理論上の説である点には注意。
*11 試作3号機以降は運用できる空母が無いのと、主翼強度を増すため主翼折りたたみ部が結合されて量産機はで折り畳み機能自体が廃止された。
*12 日本海軍の空母の場合、エレベーター寸法の統一がなされておらず、さらに迅速な発艦準備を行うため機体整列の際は基本的に発艦距離の短い戦闘機は前部エレベーターを使用し、重量があり発艦距離が長い艦攻などは後部エレベーターを使用する。また、彩雲に関しては大きすぎてそもそも収容自体が困難だったのと、偵察機という手前迅速に発艦しなくてはならぬため伊吹のように露天繋止で運用する計画だった空母も存在する。
*13 自重3,223kg、正規5,200kg、過荷重5,650kg
*14 烈風の機内燃料は847L。ガソリン1Lあたり760gなので847×0.76=644kgとなる。投棄可能な落下式増槽は600Lの容量を持つ。つまり増槽内燃料のみで456kg こちらは主に過荷重時にのみ装着。ちなみに今では一般的な機体内燃料投棄システムの当時はまだ存在しておらず、登場にはジェット旅客機が使われ始める戦後の1950年まで待たねばならない
*15 一応天山も初期の頃は着艦ワイヤー切断事故や着艦フック破損事故を数件起こしている。使われた着艦装置は不明であるが、検査の結果ワイヤーの形状が原因だった。
*16 「金星」を18気筒化したもの。離昇2200馬力を目指した。
*17 なお「誉」の品質悪化には陸海軍の規格統合に関連する工場統合の影響もあるといわれている。
*18 跡地は現在はナゴヤドームや名古屋大学大幸キャンパスなど。三菱電機名古屋製作所は当時からある。
*19 二式単戦 鍾馗のエンジンで寿(単列9気筒)を複列14気筒化したもの。
*20 雷電装備の戦闘601は分隊長、小隊長機に稲妻塗装を施していた。従って青木中尉のパーソナルマーキングというのは間違いである。