No.046 | ||||
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九三式水中聴音機 | ソナー | |||
装備ステータス | ||||
火力 | 雷装 | |||
爆装 | 対空 | |||
対潜 | +6 | 索敵 | ||
命中 | +1 | 回避 | ||
射程 | ||||
装備可能艦種 | ||||
駆逐艦 | 軽巡洋艦 | 重巡洋艦 | 戦艦 | |
軽空母 | 正規空母 | 水上機母艦 | 航空戦艦 | |
備考 | ||||
開発実装日:2013年5月8日 改修可、入手方法 | ||||
改修更新 | ||||
九三式水中聴音機 → | (二番艦が五十鈴改二*1、夕張) → 三式水中探信儀★+3 | |||
(二番艦が五十鈴改二、香取改、時雨) → 四式水中聴音機 | ||||
対潜兵装です。 いわゆるパッシブソナーです。性能は残念ながら、あまり良くはありません。 でも、あるとないとでは大違い!対潜作戦のお供に、ぜひどうぞ! |
ゲームにおいて
- 基本的な対潜装備の1つ。
装備の運用方法について
- 装備の対潜値は表示の数値以上の攻撃力になる。
- 駆逐艦や軽巡の場合、1個積むだけで計算上の対潜火力は1.5倍近くになる。まさにあるとないとでは大違い。
- 爆雷と同時に搭載する事でシナジーを発揮すれば、弱めの潜水艦なら一発撃沈も可能。
- 改修したソナーを装備すると、雷撃回避率が上昇する。
- 詳しくは命中と回避についての開幕雷撃・雷撃戦の命中率 を参照。
- 詳しくは命中と回避についての開幕雷撃・雷撃戦の命中率 を参照。
- 装備搭載可能な艦
- 駆逐艦、軽巡級、潜水艦、海防艦
- 水母:秋津洲改、Commandant Teste、日進改
- 空母:大鷹型改、神鷹、Gambier Bay Mk.II、Victorious、鳳翔改二/戦
- 戦艦:金剛改二丙、比叡改二丙、日向改二、大和改二、武蔵改二、Conte di Cavour nuovo
- 補給艦:宗谷、速吸改、神威改母、山汐丸
- 揚陸艦:神州丸改
- 搭載可能艦について、図鑑項目では駆逐艦及び軽巡洋艦のみだが、軽巡級である重雷装巡洋艦や練習巡洋艦等、及び史実通り潜水艦にも搭載可能。
- 単に潜水艦等の項目が用意されていないだけである。
- 潜水艦は仕様上、敵潜水艦に攻撃できないため、効果としては命中アップのみ。
改修更新について
- 改修できる艦娘や更新先などの情報は本項上部の表、改修工廠、及び改修表を参照。
- 本装備★maxからの更新時に「三式ソナー×2の消費を要求、改修資材を非確実化で6・確実化で12消費」するのが四式ソナーである。
- 四式ソナーを作ろうとして間違えて三式ソナーに更新してしまった! という報告が多い。
- 四式ソナーのページもよく読んでおくことをお勧めする。
- 四式ソナーを作ろうとして間違えて三式ソナーに更新してしまった! という報告が多い。
- 以下、主な補足事項。
装備ボーナスについて
- 特定艦に装備した時、パラメータが更に上昇する装備ボーナスがある。
- 対象艦と各ボーナス値は下表の通り。艦種該当艦は艦娘名一覧(艦種別)で確認を。
艦名記載は、その値が適用される一番下の改造段階が基準。
- 対象艦と各ボーナス値は下表の通り。艦種該当艦は艦娘名一覧(艦種別)で確認を。
- 対潜値のボーナスは先制対潜条件、対潜攻撃力(装備対潜値)、遠征対潜値条件に加味される。
- 装備ボーナス対潜値は2021/09/28アップデートから対潜攻撃力にも加味されるようになった。ボーナス値を装備対潜値に加算してダメージ計算を行う。
- 2021年3月1日アップデートで追加された香取・鹿島のボーナスは他の国産ソナー(三式水中探信儀、四式水中聴音機)と個数判定を共有し、1個目まで適用。
性能比較表(装備最大値/ソナー・爆雷早見表/テーブルより転送)
装備名 | 雷装 | 対潜 | 索敵 | 命中 | 回避 | 装甲 | 国籍 | 入手方法 | 改修 | 種別 | 備考 | 追加 |
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四式水中聴音機 | 12 | 1 | 1 | 日 | 改修、任務、イベント、ランキング | ◯ | ソ | 特定の艦娘*3に装備ボーナス | 編集 | |||
三式水中探信儀改 | 11 | 2 | 1 | 1 | 日 | 任務 | ◯ | ソ | 特定の艦娘*4に装備ボーナス | 編集 | ||
三式水中探信儀 | 10 | 2 | 日 | 開発、初期装備、改修、任務、イベント、ランキング | ◯ | ソ | 特定の艦娘*5に装備ボーナス | 編集 | ||||
九三式水中聴音機 | 6 | 1 | 日 | 開発、初期装備、任務 | ◯ | ソ | 香取型に装備ボーナス | 編集 | ||||
HF/DF+Type144/147 ASDIC | 15 | 2 | 3 | 2 | 英 | ランキング、イベント | △ | ソ | 編集 | |||
Type144/147 ASDIC | 13 | 3 | 1 | 英 | 初期装備、任務、イベント、ランキング | △ | ソ | 編集 | ||||
Type124 ASDIC | 11 | 2 | 1 | 英 | 初期装備、任務、イベント、ランキング | ◯ | ソ | 編集 | ||||
零式水中聴音機 | 11 | 1 | 1 | 1 | 日 | 任務、ランキング | ◯ | 大 | 大型艦専用 特定の艦娘*6に装備ボーナス、★+3以上で全ての装備可能艦に装備ボーナス | 編集 | ||
試製15cm9連装対潜噴進砲 | 15 | 1 | 日 | イベント | △ | 投 | 特定の艦娘*7に装備ボーナス | 編集 | ||||
三式爆雷投射機 集中配備 | 12 | 日 | イベント | ◯ | 投 | 特定の艦娘*8に装備ボーナス | 編集 | |||||
三式爆雷投射機 | 8 | 日 | 開発、初期装備、改修、任務 | ◯ | 投 | 香取型に装備ボーナス | 編集 | |||||
九四式爆雷投射機 | 5 | 日 | 開発、初期装備 | ◯ | 投 | 香取型に装備ボーナス | 編集 | |||||
Mk.32 対潜魚雷(Mk.2落射機) | 1 | 19 | 1 | 米 | 任務 | - | 投 | 特定の艦娘*9に装備ボーナス、装甲減少補正あり | 編集 | |||
RUR-4A Weapon Alpha改 | 17 | 1 | 1 | 1 | 米 | 任務 | - | 投 | 特定の艦娘*10に装備ボーナス、装甲減少補正あり | 編集 | ||
二式12cm迫撃砲改 集中配備 | 7 | 1 | -1 | 日 | 改修、ランキング | - | 投 | 爆雷(狭義)とのシナジー無し 対地攻撃可能 | 編集 | |||
二式12cm迫撃砲改 | 3 | 1 | 日 | 初期装備、任務、イベント、ランキング | ◯ | 投 | 爆雷(狭義)とのシナジー無し 対地攻撃可能 | 編集 | ||||
二式爆雷改二 | 8 | 1 | 1 | 1 | 日 | 任務、ランキング | ◯ | 爆 | 特定の艦娘*11に装備ボーナス、装甲減少補正あり | 編集 | ||
二式爆雷 | 7 | 日 | 改修、任務、イベント、初期装備 | ◯ | 爆 | ★+8以上で全ての装備可能艦に装備ボーナス、装甲減少補正あり | 編集 | |||||
九五式爆雷 | 4 | 日 | 開発、初期装備、任務、イベント | ◯ | 爆 | 装甲減少補正あり | 編集 | |||||
対潜短魚雷(試作初期型) | 2 | 20 | 米 | 任務 | - | 爆 | 特定の艦娘*12に装備ボーナス、装甲減少補正あり | 編集 | ||||
Hedgehog(初期型) | 18 | 3 | -1 | 英 | ランキング、イベント、任務 | △ | 爆 | 特定の艦娘*13に装備ボーナス、装甲減少補正あり | 編集 |
- ソ:ソナー、 大:大型ソナー、 投:爆雷投射機、 爆:爆雷(狭義)
- 分類
- 装備図鑑における「爆雷」カテゴリは対潜攻撃シナジーの有無によって大きく次の2種類に分類されている。
- 爆雷(狭義):対潜兵器本体。爆雷投射機とシナジーを形成する。
- 爆雷投射機:「爆雷(狭義)」以外の爆雷で、対潜兵器の発射装置。二式迫撃砲系以外は爆雷(狭義)とシナジーを形成する。
- 装備図鑑における「爆雷」カテゴリは対潜攻撃シナジーの有無によって大きく次の2種類に分類されている。
- 装備ボーナスの詳細は個別装備ページを参照のこと
- 装備ボーナス対潜値は装備対潜値に加算して対潜攻撃力が上昇する。
入手方法について
- 任務報酬
- 出撃『「第六駆逐隊」対潜哨戒なのです!』報酬
- 出撃『「第六駆逐隊」対潜哨戒を徹底なのです!』報酬
- 遠征『【作戦準備】第一段階任務(対潜整備)』選択報酬 3つ
- 遠征『海上輸送航路の護衛強化』選択報酬 2つ
過去の入手方法
- 2021年 秋イベント『海上護衛!本土近海航路の防衛』E-2 丁作戦(★+4) 突破報酬
アップデート履歴
- 2013/11/01アップデートで、対潜+3/命中+0→対潜+6/命中+1と能力倍増。
- 2014/02/26アップデートで、爆雷とのシナジーが強化(攻撃力up)された。
- 2015/01/09アップデートで、改修及び三式ソナーへの更新が可能になった。
- 2015/09/25アップデートで、四式水中聴音機通称四式ソナーへの更新も可能になった。
- 2017/02/28アップデートで、水雷戦隊構成艦が旗艦の時の本装備の開発率が向上した。
- 以前と比べ入手し易くなり、改修のハードルも若干低くなったといえる。
小ネタ
- 元ネタは日本海軍初の本格的量産型水中聴音機の「九三式水中聴音機」。読んで字のごとく「敵の音を聴く」装置である。
- 九三式聴音機はダイナミックマイクを用いていた為、連合側の使用したアクティブソナーより探知距離が比較的長く、探知距離は自艦速力8ktの陽炎の場合は約3200m程。
しかし速度が一定以上(12ktくらい)になると自艦の推進音が邪魔で聴音がほぼ困難になるという欠点がある。実際12kt以上での探知距離は約1400mと距離が激減している。ちなみに1943年から海防艦や駆潜艇を中心に主器や補器に防振ゴムを装備し、雑音を減らして精度と最大聴音距離を伸ばした。- その辺の事情はどこの国も似たようなモノだったが。
- 水中聴音機では方位は測定できても距離は測定できなかった。そのためアクティブソナーが装備されるまでは、2隻以上で聴音し三角測量の要領で距離を測定していた。
- 潜水艦の場合、水流や波浪によるノイズが水上と比べて少ないことや、機関停止して無音航行をするなど雑音を極力抑えることができ、聴音の探知距離は水上艦と比べて飛躍的に伸びる。
- 資料によって探知距離にはブレがあるものの、およそ10-30kmとかなり長い。
艦これでも索敵値が上がったりしないかなぁ
- 資料によって探知距離にはブレがあるものの、およそ10-30kmとかなり長い。
- 九三式聴音機はダイナミックマイクを用いていた為、連合側の使用したアクティブソナーより探知距離が比較的長く、探知距離は自艦速力8ktの陽炎の場合は約3200m程。
- 日本海軍は、聴音機・探信儀の研究開発を行っており外国製のソナーの輸入なども行っていた。九三式聴音機は輸入したドイツの保式水中聴音機を国産化したものである。
朝潮型以前の駆逐艦には聴音機や探信儀を竣工時に装備していなかったのだが、白露型に九一式探信儀が搭載されていたという説もある。朝潮型は後日、日本初の量産型探信儀である九三式探信儀を搭載した。
- 一方九三式水中探信儀は1936年フランスから輸入したSCAM製探信儀を参考に国産化したもの。
- 九三式水中探信儀の場合、アメリカと試験方法が違うという前提だが探知可能距離は1700m、方向誤差6.5度、距離誤差4%、捕捉率50%、探知可能距離は確実な所500m以内となっている。*14ちなみに世界の艦船によると九三式水中探信儀のスペックは周波数17.5ヘルツ、船速12ノットで1300m、測定誤差100m、指向性12度、方位誤差3度、失探近接距離500mと記録されている*15。日本海軍の駆逐艦は例外を除くと九三式水中聴音器と両立して使っていた。*16実際のところ、九三式水中探信儀はそこまで劣悪な性能ではない。ただし、記録ペン読取式で整流覆が無いので振動や雑音などでノイズが発生しやすく、ソナー員側が表示結果を読み取りにくい、機器自体も指向性が先鋭すぎるため、探知後の失探が起きやすく、これを防ぐための工夫として水中聴音機で予め目標方向を調べてから探信儀を使用した。探信儀を取り扱うには熟練した知識、経験則、技術が必要だった。さらに日本の場合、水中探信儀室と水中聴音器室は別室で艦橋からの指示で個別に動いた。艦橋は一応水中探信儀や水中聴音器の情報を複合して処理できるが、水中聴音器室や水中探信儀室はそれぞれの情報を知らない。その為、中盤以降には作業効率化のため水測室という水中探信儀と水中聴音器を一緒の部屋にした艦もあった。
- ちなみに1944年には全体的に性能を向上させた三式水中探信儀が夕雲型駆逐艦と海防艦を中心に装備され、九三式水中探信儀を使用する駆逐艦を中心に鉄製整流覆が装着され、航走時の雑音を減らして探知能力を向上させた。
- 一方アメリカの場合、九三式水中聴音器と同時期に生まれたQA探信儀は4ノット以下でないと使用できず使い物にならなかった。しかしその後継として開発されてWW2でアメリカ海軍駆逐艦に順次搭載されたQC探信儀は艦がほぼ停止状態なら3kmと比較的高性能だったが、15ノットなら1700mまで激減してしまっている。
- しかし後述のようにソナーを補助する周辺機器が充実していた為、対潜攻撃に関してはアメリカの方が優れていた。
- ただし操作員からの評価は信頼性を中心によろしくない。「対潜訓練はあったけれどね、探信儀は信用しなかったですね。聴音機はスピードを出すと当然使えない。スピードを落とすと自分が危ない。探信儀は12ノットくらいで使ってみてもバラバラです。捕まる場合もあるって程度。非常に信頼性は低かった。艦隊にのっておっても、あんまりみんな、船の乗員はソナーへの信頼性はひじょうになかったということ」*17よりと艦隊の人間は証言している。一方対潜作戦に駆り出された特設艦艇のほうは、「特設掃海艇にも水中探信義はあったが、焼玉エンジンの音と振動に邪魔されて潜水艦を探し出すことはできなかった。したがって対潜哨戒は専ら肉眼による見張りとなった」*18 ちなみに速度を出すほどエンジンの振動や水流によりノイズが発生するのでソナーの探知距離が短くなったり、探知が不安定になるのは当のアメリカやイギリスでも同じである。本来は対潜索敵の場合は短時間だけエンジンを止めたり、低速で航行するのだが…上記の証言の場合ソナーにも問題があるのだが、どちらかと言えば運用に問題がある。
- 元々九三式聴音機は潜水艦用の装備として開発された。
- 探信儀や聴音機は開戦前には殆どの駆逐艦に装備されたが、水測兵器不信の声は大きかった。
- 昭和15年の実施部隊の意見として「現用水測兵器は用兵上の要求を満足せず、列国に比し著しく立ち遅れあるは、我が海軍の一大欠陥にして、これが進歩発達を図るは目下の急務なり」「艦隊長官として出撃の場合潜水艦攻防に対し自信なし」と水測兵器への不信感が現れている。
- 探信儀や聴音機は開戦前には殆どの駆逐艦に装備されたが、水測兵器不信の声は大きかった。
- なおこれら問題に関しては開戦後には度々鹵獲したソナーを参考に信頼性を徐々に向上させた*19り、戦術の工夫*20を行なった。
- 前提として、日本海軍の対潜兵器使用規定では極力使用することになっている*21。だが実際のところ発振は昼間のみであり、夜間は聴音のみであった。レーダーも昼間は敵機行動圏内では対空レーダーは使用するが対水上レーダーは使用しない、夜間においても敵潜水艦がいる可能性が高い場合のみ使うとなっており、大抵の場合使用していないので奇襲を食らうのであった。*22
- ただし、昭和十八年度6月22日付で横須賀鎮守府司令官から海軍大臣、軍令部本部長に宛てられた『対潜方策ニ関スル意見』では「対潜艦艇ニ対シテハ是非共即刻探信儀ノ装備ヲ必要トス」「従来ノ経験ニ徴スルニ探信儀ノ装備ナキ艦艇ハ敵潜撃滅ノ機会尠シ」「爆雷攻撃ヲ行フコト困難ニシテ此ノ場合ハ探信捜索ニ依ラザレバ敵ヲ捕捉撃滅スルコト困難ナリ」とし、探信儀使用の重要性と同時に探信儀の改良を説いている。*23その後、1943年以降を境に日本海軍全体として探信儀や水中聴音機の使用機会が増加する傾向にあり、1943年11月には海上護衛総隊設置や対潜哨戒専門の海軍航空隊の配備により米側潜水艦隊の損害も増え、特に日本海軍の水上艦艇がレーダーらしきものを設置したことが発覚した際には米海軍内で問題となった。*24
- 対潜警戒時は基本的に警戒航行時でも原速の12ktで航行。船団護衛時は8kt、ジグザグ航行時は6kt程度で航行している*25 。警戒時以外でも九三式水中探信儀は500m以内では潜水艦の推進音の聴音が可能だったので敵潜に接近する際もそのまま使うようになった。*26
- なおアクティブソナーは指向性の音波を角度をつけて水中に発振するという原理上、近距離では円錐状の音波ビームの範囲外になるため探知できなかった。マイクにより聴音はできるが、自分の発振音が鳴り響く中から他の音を聞きわけるのは人間にはほぼ無理なため、聴音のためにつかう時は発振をとめる。発振探査中に近距離の死角にはいるとアーチャーフィッシュが信濃雷撃直前、潜航したまま雪風の至近距離をすり抜けたように*27 、伊168のようにモナガン、グウィン、バルチ、ベンハムが警戒中、船内の水中聴音機からアクティブソナーの探知音が聞こえる中、艦隊の真下を通るような事例も起こりうる。なお米側ではQCソナーを一貫して使っていたが、上記のように死角が存在する為1944年から近距離でも探知できるようサムナー級から送振器の俯角を増したQGAを開発・装備されはじめたが、サムナー級の竣工まで生産が間に合わず一部のサムナー級は依然としてQC型を装備していた。
- 前提として、日本海軍の対潜兵器使用規定では極力使用することになっている*21。だが実際のところ発振は昼間のみであり、夜間は聴音のみであった。レーダーも昼間は敵機行動圏内では対空レーダーは使用するが対水上レーダーは使用しない、夜間においても敵潜水艦がいる可能性が高い場合のみ使うとなっており、大抵の場合使用していないので奇襲を食らうのであった。*22
- これに対し駆逐艦朝顔艦長は、日本の船団護衛の実態にあってないと朝顔流かく乱戦術という独自の高速航行による護衛を多用した。彼は潜水艦を撃沈を報告*28、船団護衛で何度も無傷で日本までたどりつく等多大な成果をあげ、求められて戦法をまとめたが、海軍としてとりあげられることはなかった。*29
- 日本海軍では対潜攻撃時は高速で突撃し爆雷を投射する傾向にあった。戦争初期から昭和18年頃までは米潜水艦の不足や潜水艦による哨戒任務重視、魚雷の欠陥などあまり潜水艦の活動は活発ではなかった*30ので、山雲や舞風、磯風のように目標発見後は高速で敵潜に接近し、爆雷攻撃や砲撃、果ては体当たりで撃沈戦果を挙げている。
- なお昭和19年の5月以降になると前述の日本艦艇の対潜強化もあり従来の商船から護衛艦艇を優先するようにキング提督はアメリカ潜水艦に命じた*31ため、潜望鏡を出したままおびき寄せ、正面から雷撃するのを多用した*32ため、高速接近した中にこれで返り討ちにされ被害が続出した。米潜水艦は夜間襲撃してくることが多く、特に戦争後半護衛に当たった海防艦相手だと浮上航行で振り切って逃げたのもあった。
なお英米では、ソナー探知を途切れさせないようにゆっくりと接近し、近づくと探知が途切れるので、その段階で増速して投下ポイントまで向かい、爆雷投下を行う、Uボートの艦長は敵が増速したことで探知が途切れたことを知り、進路と深度を変えて爆雷を回避した。 - 攻撃に成功したかどうかは、油や浮遊物で判定するが、失敗した場合、そのまま速度を落とさず爆雷投射を続けるので、アメリカ潜水艦が損傷を受けなかった場合、再探知はほぼ絶望的であった。アメリカ潜水艦長達は、「急行列車のように突進してきた」「高速でかけまわってそこら中に爆雷を投射した」「駆逐艦が高速で突入してきた、(中略)我が航跡にまっしぐらに突入してきた、そこを横合いから雷撃した」*33「われわれには余裕があった、敵はデタラメに爆雷を落としてるだけで、あきらめるのを待っていた。自分たちが絶対優位だと自信をもっていた」etcと言いたい放題である。
- 敵潜水艦を発見した地点まで高速で接近し、最後に発見した地点に発煙筒を投下して目印にし、そこを中心に螺旋を描くように高速で航行しながら爆雷を投下する。これが日本海軍の標準対潜戦術たる推測投射法である。探信投射法とでも呼ぶべきものは作られなかったが、神風や第四号海防艦や朝霜、沖縄、時雨などのように上記の『対潜方策ニ関スル意見』の通り水中探信儀を使用したゆっくりとまま接近したり、爆雷攻撃の合間に付近で水中聴音機や水中探信儀を使用して再探知を行った例もあるように個艦単位で独自に編み出した艦はあった。
- 国後航海長は、海防艦の船団護衛の実態として、対潜兵器が事前に探知したことはまずない、最初に雷撃され、それを自分たち海防艦の誰かが身代わりとなって防ぐ、そうすれば他の艦に潜水艦の位置がわかったと当時の悲惨な実態を戦後語っている。
- なお昭和19年の5月以降になると前述の日本艦艇の対潜強化もあり従来の商船から護衛艦艇を優先するようにキング提督はアメリカ潜水艦に命じた*31ため、潜望鏡を出したままおびき寄せ、正面から雷撃するのを多用した*32ため、高速接近した中にこれで返り討ちにされ被害が続出した。米潜水艦は夜間襲撃してくることが多く、特に戦争後半護衛に当たった海防艦相手だと浮上航行で振り切って逃げたのもあった。
- 日本海軍では対潜攻撃時は高速で突撃し爆雷を投射する傾向にあった。戦争初期から昭和18年頃までは米潜水艦の不足や潜水艦による哨戒任務重視、魚雷の欠陥などあまり潜水艦の活動は活発ではなかった*30ので、山雲や舞風、磯風のように目標発見後は高速で敵潜に接近し、爆雷攻撃や砲撃、果ては体当たりで撃沈戦果を挙げている。
- 使用した例としては駆逐艦神風*34駆逐艦春風*35*36、第四号海防艦*37第22号海防艦*38沖縄*39*40では駆逐艦朝霜*41が水中探信儀を使用した上で撃沈破している。また、爆雷攻撃の合間に度々探知目的で水中聴音機や水中探信儀が使用されている。
- また、1943年から専門の対潜学校が開設され、その中に水中聴音機、水中探信儀を扱う水測員を育成するクラスがあった。なかなか興味深いのは雑多な音が満ちている海中から、特定の音を聞き取る適正、つまり絶対音感が必要*42ということで、これは子供のうちでないと身につかないとのことで、尋常小学校を卒業したばかりの子供が昭和18年対潜学校一期生として集められた*43。教育には当時、幼児への音感教育に当たっていた佐藤吉五郎が主任教官として呼ばれたが、10代の彼らでも遅く幼児でなければ成果は上がらなかったとのことであるが*44幼児を兵隊にするわけにもいかないのであった。10ヶ月に及ぶ水中聴音や探信の訓練の後、対潜要員として配属されるのだが結果は1期生で終わり、大規模な育成はできなかった。
- また、近くの通信所で敵潜水艦が本国に送った天気の内容などを通信を傍受させ、通信内容からだいたいの位置を特定することもあった。
- ここで重要なのは対潜戦闘はソナーや爆雷の性能差だけで決まるものではなく、それに付随する機械*45や運用方法、そして乗員の練度に大きく左右される。
また、アメリカの潜水艦はTorpedo Data Computerと呼ばれる非常に優れた魚雷管制装置を搭載して運用していたことも掃討中の駆逐艦の被害が拡大した要因とされる。日本の場合はこういった周辺機器は充実しておらず、主に練度によるものが大きかった。
- また、1943年から専門の対潜学校が開設され、その中に水中聴音機、水中探信儀を扱う水測員を育成するクラスがあった。なかなか興味深いのは雑多な音が満ちている海中から、特定の音を聞き取る適正、つまり絶対音感が必要*42ということで、これは子供のうちでないと身につかないとのことで、尋常小学校を卒業したばかりの子供が昭和18年対潜学校一期生として集められた*43。教育には当時、幼児への音感教育に当たっていた佐藤吉五郎が主任教官として呼ばれたが、10代の彼らでも遅く幼児でなければ成果は上がらなかったとのことであるが*44幼児を兵隊にするわけにもいかないのであった。10ヶ月に及ぶ水中聴音や探信の訓練の後、対潜要員として配属されるのだが結果は1期生で終わり、大規模な育成はできなかった。
- ちなみに日本でよく語られる末期にアメリカが使い始めた数隻の潜水艦でチームを組み、目標を取り囲んで攻撃する群狼作戦は元々ドイツで使われ始めた作戦であるのはご存知だろうか?実際はドイツとアメリカでは微妙に運用が違ってドイツは航空機の偵察により情報を受信し、進行方向を予測して敵輸送船団を囲むように待ち伏せる。一方アメリカは潜水艦で3隻~12隻で各艦手分けして哨戒し、発見したら味方に知らせて予め輸送船団を囲むように待ち伏せる。群狼戦術自体は同じくドイツ海軍がUボートで群狼作戦を用いたが、その時アメリカやイギリスも大損害を負っている。これは対潜護衛艦艇も装備も貧弱だったためで、アメリカやイギリスが対潜装備や大規模な護衛船団を充実させた1942年から群狼側の損害も上昇し、さらに護衛艦艇の装備も数も充実した43年には群狼側は甚大な被害を受け、44年以降も被害を受け付けも群狼戦術により連合軍に損害を与えていたのだが、初期のような大戦果を挙げられず、被害も増えるばかりの苦しい状況だったがドイツ海軍は連合軍を海で釘づけにするため続けられた。アメリカ海軍は1943年以降にそれを真似て太平洋で使った。
- 水中聴音機の使い方はいたって簡単。耳を澄ましながら聞きたい方向に向かってハンドルを操作するのである。音は空気中より水中のほうが伝わるのが早いためよく聞こえる。
- 聞く音は主に敵艦艇の推進音だが、商船(民間船)と小型軍艦、大型軍艦では推進音が全然違うため慣れれば音だけで艦種がわかる人もいるとか。
あと時々クジラの鳴き声とか、潜水艦の中にいる人の会話も聞こえる。 - もちろん相応の慣れが必要。そのため海上自衛隊にもつい最近まで15歳から4年間ソーナー(とついでに色々)の教育を行う課程があった。
- 少年兵は子どもの権利条約に違反しているとのことで廃止された。現在の高等工科学校生は自衛官ではなく防衛省職員扱いなので条約違反ではない。
- そして間違っても爆雷攻撃中に聴音しないように。耳が大変なことになります。ついでに機械も
- 聞く音は主に敵艦艇の推進音だが、商船(民間船)と小型軍艦、大型軍艦では推進音が全然違うため慣れれば音だけで艦種がわかる人もいるとか。
- 水中聴音から逃れる手段はただひとつ。機関を停止して無音にすることである。どこぞの拳法伝承者候補が「激流に身を任せ同化する」と言っている様に、海流に身を任せ無音航行すれば水中聴音では探知できない。
潜水艦や対潜艦と戦う予定のある提督は覚えておこう。イムヤに教えを乞うのも良いかもしれない。- ただし当時も今も、対潜水上艦も機関停止していないフリをしながら敵潜水艦に探りを入れるということをしている。
- アクティブソナー?知らない子ですね…。
- 海上自衛隊のお家芸であり、米海軍のメンツをさんざん潰している。
なにせ二回も同じ戦法を喰らい、駆逐艦(舐めてかかってたら真下からping打たれた上にそのまま逃げられた)も空母(見つけられず逆に心配してたらよりにもよって隣に浮上された)も発見できなかった。
第二次大戦で米潜水艦にさんざんコケにされた結果がこれである。
- 代替装備は1944年に開発された『四式水中聴音機』。こちらはロッシェル塩という更に高精度な捕音材を用いていたが、いかんせん完成が遅すぎた。
- 「ソナー」とは"SOund Navigation And Ranging"(音声による航行と測距)の頭文字から作られた言葉。
日本海軍ではソナーではなく「ソーナー」と読んでおり、この読み方は海上自衛隊にも受け継がれている。 - 後に大型艦用の零式水中聴音機も開発され戦艦や空母、巡洋艦などに搭載された。あの大和ではバルバス・バウ内に設置されている。
いずれ改修表ページを関連ページに自動展開出来るようになったら……いいなぁ -- 2023-11-10 (金) 21:28:38