No.333 | ||||
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冬月(ふゆつき) | 秋月型 8番艦 駆逐艦 | |||
艦船ステータス(初期値/最大値) | ||||
耐久 | 21 | 火力 | 16 / 47 | |
装甲 | 10 / 29 | 雷装 | 16 / 45 | |
回避 | 44 / 84 | 対空 | 70 / 101 | |
搭載 | 0 | 対潜 | 24 / 60 | |
速力 | 高速 | 索敵 | 8 / 28 | |
射程 | 短 | 運 | 38 / 88 | |
最大消費量 | ||||
燃料 | 20 | 弾薬 | 25 | |
装備 | ||||
10cm連装高角砲+高射装置 | ||||
13号対空電探 | ||||
25mm三連装機銃 | ||||
装備不可 | ||||
改造チャート | ||||
冬月 → 冬月改(Lv55) | ||||
図鑑説明 | ||||
秋月型防空駆逐艦、その八番艦、冬月だ。戦いの後半に就役して、 姉妹艦と第四十一駆逐隊を編成、大型艦や艦隊の護衛を務めたな。 最後の出撃は、第二水雷戦隊の一翼として、涼月と共に大和の護衛に就いた。 そして今も、僚艦涼月と北九州の防波堤の一部として皆を護っている。 |
※初期値はLvや近代化改修の補正を除いた時の数値であり、改造直後の値とは異なります。
最大値はLv99の時の最大値を指します。
CV:上坂すみれ、イラストレーター:しずまよしのり
定型ボイス一覧
イベント | セリフ | 改装段階 | 備考 | 追加 | ||
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冬 月 | 冬 月 改 | 追加 | ||||
入手/ログイン | 秋月型防空駆逐艦、八番艦、冬月、参る。 涼、随分と待たせたな。提督、共に護ろう。大切な・・・・・・ものを。 | ◯ | × | 編集 | ||
秋月型防空駆逐艦、八番艦、冬月、参る。 提督...涼...共に護ろう、この静かな海を。ああ、行こう! | × | ◯ | 編集 | |||
母港*1 | 編集 | |||||
母港1 | 詳細 | そうか。致し方無い。 | ◯ | × | 編集 | |
うんっ...致し方無い。信頼...している。 | × | ◯ | 編集 | |||
母港2 | 帰って...来るさ。 | ◯ | × | 編集 | ||
もちろん...そうだ。帰ってくる。 | × | ◯ | 編集 | |||
母港3 | いや、友は出来るだけ助けたい。戦闘?...それは大事だが、護るべきものを見失ってはいけない。 あぁ、雪風と昔、意見がぶつかった事もあったな...。ん、大丈夫...奴も分かってる、本当は... | ◯ | ◯ | 編集 | ||
ケッコンカッコカリ | 入るぞ。提督、私になにか用か?第四十一駆に作戦命令であれば、涼も呼んでこようか?違う?それでは何だ?言いにくそうだな。どうした?…………ほう。この箱を?私、冬月に?開けていいのか?ここで……。なるほど。提督の申し出、お受けしよう。ああ、もちろんだ。この冬月、二言はない! | ◯ | ◯ | 編集 | ||
ケッコン後母港 | 提督、次の作戦だが……ん?顔色がすぐれないようだ。どうした?疲れているのか?少し、休もう。戦いも大事だが……お前の体も、大切だ。みなや、私にとっても。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
放置時 | なんだ、涼? ああ、でかいカボチャだな。流石だ。あぁ、煮付けに? 悪くない。提督と、雪風のやつにも食わせてやろう。きっと喜ぶ。……きっと。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
編成出撃 | 編集 | |||||
編成 | 第三十一戦隊、第四十一駆逐隊、冬月、出るぞ!各艦、遅れるな! | ◯ | × | 編集 | ||
第二水雷戦隊、第四十一駆逐隊、冬月、出る!各艦、遅れるな! | × | ◯ | 改出撃ボイスと共用 | 編集 | ||
出撃 | 第三十一戦隊、第四十一駆逐隊、冬月、出るぞ!各艦、遅れるな! | ◯ | × | 編集 | ||
冬月、出撃する。涼、遅れるな!よし!抜錨だ! | ◯ | ◯ | 編集 | |||
開戦・攻撃*2 | 編集 | |||||
戦闘1 | 昼戦開始 | やるしかないな...。合戦用意!各艦、撃ち方よぉーい! | ◯ | ◯ | 編集 | |
戦闘2 | 昼戦攻撃 | この程度...。温いっ! | ◯ | ◯ | 編集 | |
戦闘3 | 夜戦開始 | 夜...仕掛けるか...。艦隊増速!この冬月に続け! | ◯ | ◯ | 編集 | |
戦闘4 | 夜戦攻撃 | 落っちろ!! | ◯ | ◯ | 編集 | |
戦闘時ステータス*3 | 編集 | |||||
小破 | くはっ。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
ちっっ。この程度、掠り傷だ。 | ◯ | ◯ | 編集 | |||
中破/大破 | くっ...私は...この私は、沈まないッ!舐めるなッ! | ◯ | ◯ | 編集 | ||
轟沈 | ばか、な……。この冬月が…沈むと…いうのか……。それも…いいだろう……。涼月、あとは…頼む… | ◯ | ◯ | 編集 | ||
戦闘終了*4 | 編集 | |||||
勝利MVP | 四十一駆が最も活躍したというのか? まぁ、それはそれでよし。そうだな、涼月…。 我ら四十一駆が健在な限り、そう簡単に…やらせはしないさ。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
旗艦大破 | ちっっ。この程度、かすり傷だ。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
装備・改修*5 | 編集 | |||||
装備1 | 改修/改造 | 助かる。 | ◯ | ◯ | 編集 | |
装備2 | 帰って……来れそうだ。 | ◯ | × | 編集 | ||
この装備、いいな。これなら帰ってこれそうだ。 | × | ◯ | 編集 | |||
装備3 | 改修/改造/開発/バケツ/遠征/発見 | まぁ、いいだろう。 | ◯ | ◯ | 編集 | |
その他 | 編集 | |||||
帰投 | 艦隊が無事港に戻ってきたぞ。なによりだ。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
補給 | 助かる。ありがとう。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
入渠(小破以下) | なに、掠り傷だ。心配無用。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
入渠(中破以上) | 済まん、少し時間が掛かりそうだ。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
建造完了 | 新造艦だ。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
戦績表示 | 情報か。大切だ。こんな状況だ。悪くは...ないな。 | ◯ | ◯ | 編集 |
時報ボイス一覧
時刻 | セリフ | 改装段階 | 備考 | 追加 | |
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冬 月 | 冬 月 改 | 追加 | |||
00 | 午前0時、日付が変わったな。今日はこの冬月が、副官を務めよう。問題ない。 | × | ◯ | 編集 | |
01 | マルヒトマルマル。書類事務はもう片付けてある。ああ、涼月が手伝ってくれたからな。涼は、意外とこの手の仕事も速い。助かるな。 | × | ◯ | 編集 | |
02 | マルフタマルマル。涼が差し入れてくれた、カボチャ羊羹、切ろうか? お茶も淹れよう。ほうじ茶でいいか? ……よし。 | × | ◯ | 編集 | |
03 | マルサンマルマル。提督、お茶だ、ほうじ茶。そして……これが、涼自慢のカボチャ羊羹。……甘くて、沁みるな! ……はぁ、茶が美味い。 | × | ◯ | 編集 | |
04 | マルヨンマルマル。少し休むか? 提督、少しだけ寝よう? ああ……私は、ここでいい。 | × | ◯ | 編集 | |
05 | マルゴーマルマル。……ん、朝か。……よし、……提督、おはよう。起きて? 朝の準備に入ろう。 | × | ◯ | 編集 | |
06 | マルロクマルマル! 艦隊、総員起こし! 朝だ、起床! よしっ、今日も頑張っていこう。 | × | ◯ | 編集 | |
07 | マルナナマルマル。朝食、用意は終わっているぞ。麦飯、涼のカボチャの味噌汁、大根に煮付け、そして沢庵だ! さあ、食べてくれ。……いただきます。 | × | ◯ | 編集 | |
08 | マルハチマルマル。ああ、涼、おはよう。朝食の、洗い物の手伝い? あぁ……すまん。ありがとう、助かる。 | × | ◯ | 編集 | |
09 | マルキュウマルマル。提督、涼月のおかげで、朝の片付けも早く終わった。ありがたいな。さあ……四十一駆、海に出よう! | × | ◯ | 編集 | |
10 | ヒトマルマルマル。提督、出撃の前に、演習から始めよう。練度向上は全ての基本だ。侮るな。 | × | ◯ | 編集 | |
11 | ヒトヒトマルマル。よし、演習は問題ないな。提督、涼、出撃開始だ! 四十一駆、出撃っ! | × | ◯ | 編集 | |
12 | ヒトフタマルマル。お昼だ。握り飯を持ってきた。塩味だが、海の上ではこれが最高だ。あぁ、涼、カボチャの漬物か、ありがとう! ……んっ、美味いな。 | × | ◯ | 編集 | |
13 | ヒトサンマルマル。食後は、体を動かさないと。余計なバルジがついて、速力を落とすわけにはいかん。 | × | ◯ | 編集 | |
14 | ヒトヨンマルマ……おぉ、大淀か。お疲れ。艦首? ああ、問題ない。この方がすっきりしてる。 | × | ◯ | 編集 | |
15 | ヒトゴーマルマル。提督、なんだ? あぁ……涼と……いや、涼月と、こうして洋上をまた共に走っているのが……何か、感慨深くてな……。また……こうして……。 | × | ◯ | 編集 | |
16 | ヒトロクマルマル。おお、矢矧か! うん。また貴方の二水戦で戦えるとは……な。ああ、問題は……ない! やろう! | × | ◯ | 編集 | |
17 | ヒトナナマルマル。提督、日が……沈むな。若松港も洋上も、夕暮れは、どこか……寂しいな。 | × | ◯ | 編集 | |
18 | ヒトハチマルマル。……さて、夕食の支度をしないとな。提督、今日は何にしようか? | × | ◯ | 編集 | |
19 | ヒトキュウマ……おお、雪風! どうした? ……その鍋は? 差し入れの、カレー? 土曜カレー? まぁ、土曜でなくてもいいか。頂こうか! | × | ◯ | 編集 | |
20 | フタマルマルマル。いつ食べてもカレーはやっぱり美味いな! 野菜もしっかり取れるし。提督、おかわりはどうだ? まだまだあるぞ。ああっ、雪風、零すな! なんて食べ方だ……まったく。 | × | ◯ | 編集 | |
21 | フタヒトマルマル。ん? 誰だ、こんな時間に。ああ、涼。どうした? 差し入れの、カボチャ羊羹? ありがとう、入ってくれ。提督、いいだろう? | × | ◯ | 編集 | |
22 | フタフタマルマル。提督、涼月が淹れてくれたお茶だ。うん……香りがいいなぁ。涼、やるなぁ! | × | ◯ | 編集 | |
23 | フタサンマルマル。涼、ありがとう。手伝ってくれて助かった。お疲れ。……また、明日。 | × | ◯ | 編集 |
季節ボイス一覧
季 節 | イベント | セリフ | 改装段階 | 備考 | 追加 | |
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冬 月 | 冬 月 改 | 追加 | ||||
春 | 桃の節句 | ◯ | × | 編集 | ||
春の訪れ | 編集 | |||||
ホワイトデー | ああ……提督。これがお返し文化というやつか。ありがとう、大切に頂くよ。……ん? 涼、君も? | ◯ | ◯ | 編集 | ||
春 | 編集 | |||||
春本番 | 編集 | |||||
夏 | 梅雨 | 編集 | ||||
初夏 | 編集 | |||||
夏 | 今年も夏か。当たり前だけど、今も夏は暑いね。 夏は……全てが終わり、そして始まる季節。……暑い。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
盛夏 | 編集 | |||||
夏祭り | 編集 | |||||
秋 | 秋 | 編集 | ||||
秋刀魚 | ああ、涼。わかってる。秋刀魚祭り、だろ。聞いたよ。 提督、任せておけ。この冬月、大漁だ! | ◯ | ◯ | 編集 | ||
晩秋 | 編集 | |||||
ハロウィン | 編集 | |||||
秋のワイン | 編集 | |||||
冬 | 冬 | 編集 | ||||
師走 | 編集 | |||||
クリスマス | これが……クリスマス、というものか。なんだろう……なにか、楽しい気持ちになる。いいな。 涼、これは? おいもケーキ? ……うん、美味しい! | ◯ | ◯ | 編集 | ||
年末 | 提督、何? 鎮守府大掃除? ……ああすまん。私の分は、涼にやってもらって。 ちょっとこれから、雪風とタイマンなんだ。……っ、時々やっとかないと! ……大丈夫、手加減するさ。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
新年 | 涼、提督、新年明けまして、おめでとう。うん、今年もよろしくお願いする。 ああ、そうだ。頼む! | ◯ | ◯ | 編集 | ||
節分 | 我が二水戦の鬼は……そうか。旗艦、矢矧。なるほど。 では、遠慮なく行こう! てえっ! 直撃! よしっ! | ◯ | ◯ | 編集 | ||
バレンタイン | 涼、チョコレート、ありがとう。……そうだね、提督にも。 私も用意しているんだ。提督……よかったら。 | ◯ | ◯ | 編集 | ||
周 年 | 九周年記念 | 何? 艦隊は、九周年だというのか。……私が、北九州の港で眠っている間に……そうか。 涼、提督、凄いことだな。……ああ、おめでとう。 | ◯ | ◯ | 編集 | |
十周年記念 | 艦隊は、遂に十周年だというのか。私が目覚めてからも、一年以上か……そうか。 提督、涼、ありがとう。……ああ、これからも共に。 | ◯ | ◯ | 編集 |
ゲームにおいて
- 2022/3/6、令和4年冬イベント『発令!「捷三号作戦警戒」』E-5突破報酬として実装。
- 2017年秋イベで実装された涼月のボイスで度々「お冬さん」と呼ばれていたため長らく実装が期待されていた
りネタにされていたりしていたが、4年3ヶ月の歳月を経てようやくの実装となった。
- 2017年秋イベで実装された涼月のボイスで度々「お冬さん」と呼ばれていたため長らく実装が期待されていた
- 基本的な運用は他の秋月型と同じだが、運の初期値が38と秋月型ではトップの幸運艦。
- 2代目「第41駆逐隊」初のスタメン艦である。
- 実装翌年の10周年ボイスでは「目覚めて1年ちょっとか」とのこと。実装してからの年月を10周年ボイスで触れる駆逐艦娘は他にルンガ沖夜戦モチーフの期間限定海域で艦隊に合流した(はず)の巻波と涼波。
- じゃあ目覚める前から涼月の毎年変わる正月ボイスで挨拶されていた冬月は一体……?
キャラクター設定について
- 武人然とした口調でぱっと見涼月改とよく似た出で立ち。94式高射装置が小さくした折烏帽子のように額の上に鎮座している。
涼月のことは「涼」と呼ぶ。 - 灰色のコートを纏い、左側の長10cm砲ちゃんに被せている。灰色のコートは涼月同様、戦後軍艦防波堤として北九州市若松港に埋設されたため、その船体を覆うコンクリートの色に由来すると思われる。
- 長10cm砲ちゃんは秋月型それぞれで目の描き方が違うが、冬月の長10cm砲ちゃんは閉じている。達人的なものなのだろうか。
- 中破で左舷側は右目、右舷側は左目を開くが、秋月の長10cm砲ちゃんの目を白黒反転させてわずかに赤目にしたような目をしている。
- 時報ではほうじ茶推し*7。
- 艦隊編入当初に自称する所属部隊が坊ノ岬沖海戦後終戦時点の「第31戦隊」となっている。自称する部隊の時系列が史実と異なる艦娘は冬月が初となる。
- 秘書艦ツンツンボイスで雪風に言及するが、史実における大和戦没後の対応を巡り冬月座乗の41駆司令(臨時指揮官)と雪風艦長とのやり取りを踏まえたもの。
- 図鑑番号は「No.333」だが、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』においてヤマト乗員を収容しその自沈を見届けた地球防衛軍駆逐艦「冬月」の艦番号と同じである。
涼月「おっふゆっさん♪おっふゆっさん♪おっふゆっさんっがやってくるっ♪」(執務室をぐるぐる練り歩きながら) - 中破で頭の高射装置が破損するのは、坊ノ岬沖海戦での奮戦が元ネタか。
小ネタ
艤装員長・駆逐艦長/艦長
艦長氏名(期・本籍) 配属期間 | 他の経歴・小ネタ | |
艤装員長 (臨時) | 横田保輝 少佐(59・広島) 1944.4.21~5.5 | 開戦時は呉潜水艦基地隊水雷長。少佐昇進後太刀風艦長。本務は第十戦隊司令部付。浦風艦長に補職されレイテ沖海戦に従事。台湾沖での浦風戦没時に戦死。中佐特進。 |
艤装員長 初代 | 作間英邇 中佐(50・山口) 1944.5.5~5.25(艤装員長) 1944.5.25~45.3.1(艦長) | 開戦時の、最期の綾波艦長。開戦前は夕月・弥生・卯月・睦月・菊月の艦長を歴任。綾波戦没後玉波艤装員長・初代艦長を経て冬月艤装員長・初代艦長。43駆司令。戦後北上艦長、鳳翔艦長。 |
第2代 | 山名寛雄 中佐(55・広島) 1945.3.1~9.21 | 開戦時の沖風艦長。朧戦没時の艦長。舞鶴海軍工廠で修理中の大潮・霞・不知火・初春の艦長兼務ののち修理完了後は霞艦長。詳しくは「霞」記事参照。 |
(この間艦長(厳密には「駆逐艦長」)は未配置。以降正式に「艦長」) | ||
第3代 | 山根灌(61・島根) 1946.3.1~4.16 | 終戦時は少佐。第二復員官、のち組織変更に伴い第二復員事務官。開戦時は第5駆潜艇長。伊21水雷長、呂57艦長、伊122艦長、伊156艦長。 |
第4代 | 玉井吉秋(52・大分) 1946.4.16~4.26 | 終戦時は大佐。第二復員事務官。開戦時は佐世保鎮守府参謀。レイテ沖海戦時点で長門通信長。 |
第5代 | 平山敏夫(55・鹿児島) 1946.4.26~5.12 | 終戦時は中佐。第二復員事務官。開戦時の水無月艦長。白雲艦長兼大波艤装員長(兼務解消後白雲艦長)、秋霜艦長、早霜艦長を経て坊ノ岬沖海戦時の涼月艦長。 |
第6代 (兼) | 由川周吉(51・山口) 1946.5.12~12.23 | 終戦時は大佐。第二復員事務官、組織変更により復員事務官。本務は博多上陸地連絡所長、博多運航部長。開戦時の第五水雷戦隊先任参謀。船舶輸送参謀。開戦前には子日艤装員水雷長、夕月艦長、夕立艦長を歴任。 |
- 冬月(ふゆつき)は秋月型防空駆逐艦第8番艦。舞鶴海軍工廠にて昭和19年1月20日に進水、同年5月25日に竣工した。
艦名の由来は「玲瓏たる冬の月」から。- なお、彼女からは艦橋の大型化、建造日数短縮をはかるための船体細部簡略化など、大幅なマイナーチェンジが加えられている。
このため、彼女と妹たちをそれまでの秋月型と区別して「冬月型」とする資料もある。
秋月型はいくらいても足りない状況なのに複雑精緻な手の込んだ造りだったため、建造に日数と手間がかかっていたのである。
簡略化で一番わかり易いのが艦首部で、戦時標準船さながらに艦底まで刃物で切り取ったかのような一直線型に改められている。- 艦首水線下のこの変更は凌波性悪化や速力低下などが懸念されたが、実際に建造してみるとほとんど影響はなかった。
それまでの日本駆逐艦はいささか凝りすぎたデザインをしていたらしい。 - また居住性も真っ先に犠牲となり、居住区画の艤装はごっそり簡素化され、代用材料が大幅に取り入れられた。
仕様変更が加えられる前の初期秋月型と比べ質素極まりなく、全く別の艦のようだったという。
- 艦首水線下のこの変更は凌波性悪化や速力低下などが懸念されたが、実際に建造してみるとほとんど影響はなかった。
- 初代艦長にはかつて綾波艦長や玉波艦長を歴任した作間英邇中佐が就任。
そう、かつて第三次ソロモン海戦第二夜戦で綾波を駆って敵艦隊を血祭りにあげ、世界戦史に綾波の勇名を刻み込んだ人である。竣工~仲間との別れ
- 竣工後、訓練部隊である第11水雷戦隊に所属して旗艦長良のもと訓練を行った。
だが訓練完了前、駆逐隊編成もまだなのに小笠原への緊急輸送作戦へ駆り出されることとなった。
またこの部隊輸送のため、冬月は急遽小発動艇2隻の搭載工事を実施している。- これは本来、米軍が上陸したサイパン島を支援奪還するための決戦兵力増援であった。
だが海軍がマリアナ沖海戦に大敗、もはやサイパン奪還は絶望的と考えられたため、急遽小笠原諸島の増援に振り替えられたのである。 - 長良の指揮のもと、冬月は松や第4号輸送艦とともに輸送部隊を護衛。訓練満了前の初陣ながら、父島へ無事陸軍部隊を送り届けている。
- 帰路は清霜も合流し、帰着後東京湾でいっしょに訓練を行ったりもしている。
- これは本来、米軍が上陸したサイパン島を支援奪還するための決戦兵力増援であった。
- 昭和19年7月15日、冬月は霜月(未実装)とともに第41駆逐隊を編成。脇田喜一郎大佐が駆逐隊司令に着任し、冬月は司令艦に指定された*8。
ちなみに同日、松竹梅桃の第43駆逐隊も編成されているが、こちらの司令は菅間良吉大佐。
奇しくも、脇田司令も菅間司令もそれぞれ第2代、第4代の雪風艦長を務めている。
- 昭和19年10月12日、横須賀から大分まで回航する大淀や雲龍たちを護衛中、遠州灘で米潜水艦トレパンの雷撃を受けた。
この頃はもう米潜水艦がこんな近海にまで出没するようになっていたのである。
トレパンは大淀と雲龍、冬月と霜月をレーダーでそれぞれ扶桑姉妹と秋月型2隻と判定していた。
戦艦と誤認されていた大淀は魚雷をかわせたが、判定の正確だった冬月には艦首に1発が命中。揚錨機室から前の艦首が折れてしまった。
幸い損傷度合いとしてはさほどでもなくどうやら14ノット程度で航行できたため、道中の呉海軍工廠へ緊急入渠し艦首の修理にあたることとなった。- 冬月が損傷してしまったため、41駆司令艦は急遽霜月に変更され、脇田大佐ら幹部も移乗した。
結果的に、これが霜月そして脇田大佐たちとの永の別れとなってしまった。 - 奇しくもこの5日後、涼月も艦首を米潜水艦の雷撃で再度もぎ取られて呉工廠へ緊急入渠、冬月が寝込んでいる隣へ入渠することとなっている。
そしてこの損傷のため、2隻は幸か不幸かレイテ沖海戦や多号作戦に参加することはできなかった。
- 冬月が損傷してしまったため、41駆司令艦は急遽霜月に変更され、脇田大佐ら幹部も移乗した。
- この入渠中、レイテ沖海戦と続く多号作戦で秋月や初月、若月が戦没。涼月は駆逐隊僚艦全てを失った。
これに伴い61駆は解隊され、涼月は冬月の所属する第41駆逐隊へと編入されることとなった。
また同時期、41駆は第十戦隊の解散に伴い第2水雷戦隊へと編入されている。
- 修理を終えた冬月は涼月や槇(未実装)とともに隼鷹を護衛しマニラへの緊急輸送作戦に参加。
南方方面では霜月が行動中のはずだったが、二度と顔を合わせることはできなかった。
桃とともにシンガポールを出港した霜月は米潜水艦カヴァラの雷撃で沈没。脇田大佐以下、41駆幹部も全員が戦死を遂げた。
秋月型は昭和19年10月、11月の2ヶ月間だけで4隻が戦没、2隻が大破するという、凄まじい損耗率を記録することとなった- なお、脇田大佐は雪風歴代艦長のなかで唯一の戦死者となった。
- この輸送の帰路、隼鷹めがけて発射された米潜水艦の魚雷を槇が飛び出して受け止めた「かばう」の実例が起きている。詳しくは隼鷹の項目を参照。
- 昭和19年12月から翌年3月にかけて、冬月は修理整備や電探・機銃の増備、そして訓練に専念した。
なおこの間、艦長の酔っぱらい操艦が原因で座礁事故を起こしたりもしたらしい。何やってんの作間艦長……
坊ノ岬沖海戦の死闘
- 昭和20年3月1日、第2代艦長として山名寛雄中佐が着任。
朧の最後の艦長であり、また直前まで長らく霞艦長を務め、礼号作戦はじめ数多くの作戦を戦い抜いてきたベテランである。
また同時に、第41駆逐隊司令として吉田正義大佐も着任。吉田大佐もまた若い頃から駆逐艦を渡り歩きミッドウェー海戦やキスカ島撤退作戦時の風雲艦長などを務め、少し前までは第43駆逐隊司令として梅の最期の戦闘を戦う*11など、筋金入りの駆逐艦乗りであった。
この新しい陣容で冬月は坊ノ岬沖海戦を迎えることとなる。
- 大和の沖縄特攻については、他の駆逐艦艦長たち一同と同じく、吉田司令もはっきりと反対の立場であった。
作戦説明時、大和以下の残存艦をすり潰すためとしか思えないような、あまりにも無謀なこの作戦命令に対し、
「明るいときに駆逐艦がわずか8隻で、敵の大艦隊の中に飛び込んで、何ができますか。潰されるだけですよ」
と意見したものの、参謀からの答えは「これは中央からの命令だからしようがない」だった。
吉田司令は「ああ、そうかい、そうかい。それじゃあ行って潰れりゃあいいんだな」と捨て鉢気味であったという。- なお出撃に際し、冬月はじめ駆逐艦たちには燃料として重油でなく大陸産大豆油が支給されている。
意外なことに性能的にはまずまず問題なく使えたらしいが、煙突からは常に天ぷらの匂いが漂っていたとか。
- なお出撃に際し、冬月はじめ駆逐艦たちには燃料として重油でなく大陸産大豆油が支給されている。
- 昭和20年4月7日、雲高低く効果的対空戦闘が望めない状況の中、冬月は輪形陣の大和右舷後方を承り、敵機の来襲を迎えた。
- 「右ニ「冬月」左ニ「雪風」水柱ノ幕帯ヲ突破シツヽ我レニ発信シ来ル
「我レ異常ナシ」
屈強二艦、ソノ名ヲ賭シテノ力闘ナリ
想ヒ見ルベシ、両艦兵一員ニ至ルマデノソノ闘魂ト錬度トヲ」 - その奮戦ぶりは戦後『戦艦大和ノ最期』においてこのように叙述され、冬月のその名とともに広く一般へと知られた。
同著は史料として正確さを疑われることも多いが、黒田吉郎中佐(大和砲術長)の回想にも「冬月、雪風の二艦は敵攻撃機に向って不敵にも全対空砲火を開いて奮戦していた。」
「護衛水雷戦隊のうち戦闘可能なものは既にこの二艦の他にはなかった。」とあり、冬月が雪風とともに最後まで奮戦したことは大和艦上から目撃されたようである。
- 「右ニ「冬月」左ニ「雪風」水柱ノ幕帯ヲ突破シツヽ我レニ発信シ来ル
- 山名艦長の操艦は、冬月着任からまだ日が浅いにもかかわらず的確絶妙、雨あられと襲いかかる攻撃を次々にかわしていった。
霞艦長として転戦を重ね、敵機に立ち向かい続けた末に体得した妙技であり、霞より格段に大柄の冬月でもその技量は遺憾なく発揮された。- それでも雷爆撃の暴風雨の中では完全な全回避とはいかず、あわやという場面もあった。しかし、冬月はあくまで幸運だった。
命中したロケット弾2発中、1発は主砲発令所へ飛び込んで駆け回り方位盤電路を切断してしまったものの不発。*12缶室へ飛び込んだもう1発も不発だった。
さらに魚雷1本が命中確実な状態で突っ込んできたが、大型の冬月を巡洋艦と見誤ったか調定深度が深すぎ、艦底を素通りしていった。- ただし、ここで方位盤電路がやられたのは痛手だった。これで統一された主砲一斉射撃が不能となり、各砲塔単独で撃つことしかできなくなった。
つまり、秋月型最大の武器の対空高角砲弾幕が使えなくなってしまったのである。 - また、大和を爆撃した敵機はそのまま冬月を銃撃して飛び去る戦法をとっているが、この機銃掃射はさすがにどうしようもなかった。
艦橋へ浴びせられた機銃弾により操舵長は即死、航海長は両手でコンパスを抱えていたため両腕を持っていかれてしまった。
しかし吉田司令や山名艦長は背中すれすれに弾丸がかすめたのみで無傷だった。……もしかすると冬月というよりこの2人が幸運なのかも。
- ただし、ここで方位盤電路がやられたのは痛手だった。これで統一された主砲一斉射撃が不能となり、各砲塔単独で撃つことしかできなくなった。
- 事前の申し合わせにより、大和が航行困難に陥った際は、冬月が横付けして人員を収容する手はずになっていた。
- だが、舵故障で弱々しく旋回する大和へその約束を果たそうと接近したところで、吉田司令はゾッとする事実に気づき、急遽接舷を押し止めた。
通常、船舶が旋回すると遠心力で旋回の円の外側に傾くはずである。しかし大和は、オートバイや自転車のように内側へ傾斜していた。
すなわち、大和が注排水装置の限界を超えて完全に復元力を失っており、いつ転覆してもおかしくない極めて危険な状態であることを示していた。
- だが、舵故障で弱々しく旋回する大和へその約束を果たそうと接近したところで、吉田司令はゾッとする事実に気づき、急遽接舷を押し止めた。
- 間もなく、冬月の危惧通り大和は一気に傾斜を深めたのち横転大爆発。高度3000メートルに達する大爆煙とともに海上から消え去っていった。
指揮を引き継ぐべき二水戦司令部は矢矧の沈没によりいまだ漂流中のため、次席に該当する吉田大佐の冬月が臨時艦隊旗艦となった。
もはや艦隊の戦力のほとんどが失われていることは明らかであり、一時間にわたる協議の末、冬月はついに作戦中止・帰投の判断を下したのだった。- 帰投と決し、通信士・鹿士俊治中尉は取り急ぎ被害状況報告の電文を作成、吉田大佐に確認を頼んだ。
草稿に目を通した吉田大佐は鉛筆を走らせ「生存者ヲ救助ノ後再起ヲ計ラントス」と付け加えた。鹿士中尉は「なるほど。さすが司令、年の功」と感心した。
惨憺たる被害を列挙したあとにこの一文があると「救助後、態勢を立て直し突入続行する」とも「救助後、帰投し再起を図る」とも二通りに読める。
「中止するなら今しかないぞ」と暗に判断を促すとともに、これで了承さえ得れば帰投しても「なぜ帰った」などとつまらない叱責を受けることがない。 - 冬月が上記報告を打電後、二水戦司令部が初霜に救助され、艦隊指揮権は二水戦臨時旗艦・初霜へと移行した。
古村啓蔵二水戦司令官は冬月の判断とは一転、作戦続行を決意。さっそく「ワレ残存駆逐艦ヲ率ヒ沖縄二突入セントス」との電文を起草させたが、
初霜がこの電文を発信するより早く、連合艦隊司令部は作戦中止と帰投を命じてきた。
吉田大佐が長年の海軍生活で培った事務的電文での機転のきかせ方、それが正念場で遺憾なく発揮されたのだった。
- 帰投と決し、通信士・鹿士俊治中尉は取り急ぎ被害状況報告の電文を作成、吉田大佐に確認を頼んだ。
- 一方、このさなか、雪風の寺内正道艦長はあくまで沖縄突入続行を主張。初霜へ手旗信号で突入続行を呼びかけつつ、
「此レカラ如何ニサルゝ決心ナリヤ」「此レカラ如何ニサルゝ決心ナリヤ」「速ヤカ二行動ヲ起コサレタシ」と三度にわたり冬月へ詰め寄った。
だが冬月の判断は作戦中止に決した。寺内艦長はこの決断を聞くや「そうと決まれば最後の一人まで救え」と命じつつも、
「まだ魚雷が残っているのに、こんな情けない水雷戦隊は見たことがない!」と声を荒げた。- 後日、指揮官たちの会食の席でも寺内艦長はあくまで「やはり突入すべきだった」と主張。
これに吉田司令もカッとなり「貴様、何を言うか!表へ出ろ!」と怒鳴りつけ殴り合いになりかけた。結局、翌日寺内艦長が謝罪し、丸く収まった。 - 本来、雪風と寺内艦長こそ幾度も捨て身の人命救助を重ね、誰よりも引き際をわきまえてきた立場であり、いつもであれば真っ先に救助にあたる側である。
しかし、今回は出撃前の打ち合わせで各艦とも「沈没艦への救助の手は差し伸べず、作戦遂行のため沖縄へ突入せよ」と合意*13しており、
たとえ大和が沈んでも、雪風一隻となっても沖縄へたどり着き、任務を達成する意志だった。
いまや内地全土が空襲下にあり、航空特攻隊が連日出撃、何より陸海軍将兵のみか沖縄県民総員が全てを捨てて死闘を繰り広げている。*14
「負傷兵を乗せて沖縄へ行けぬ。本艦が遺憾なく全力発揮できる体制を整えよ」「生存者はここにいればまだ救助の機会はある」
寺内艦長としてもまた、命令遵守と人命救助の狭間での至誠を込めての決意だった。 - ちなみにこの宴席で浜風の前川萬衛艦長は
「いやあ、艦が2つに折れたとき、頭を上げたらフネの舳先と頭をぶっつけた」ととぼけて一同を爆笑させ場を和ませている。
- 後日、指揮官たちの会食の席でも寺内艦長はあくまで「やはり突入すべきだった」と主張。
- 冬月は大和の生存者たちを救助しつつ、航行不能の霞の救助へと向かった。前述の通り、山名艦長は1ヶ月前まで霞の艦長であった。
霞の乗組員たちはその懐かしい姿に「艦長が来た!」「親父さんが来てくれたぞ!」と雀躍し、山名艦長ならきっと霞を引っ張って連れ帰ってくれるだろうと期待した。
しかし、霞は直撃弾に機関を破壊され、もう再起は望めなかった。*15
一瞥してそれを察した山名艦長は救援不可能との判断を下し、乗員たちへ霞を放棄するよう告げた。- 霞の乗員たちは横付けした冬月へ次々移乗してきたが、冬月乗員たちは彼らのその姿、態度に目をみはった。
彼らは意気消沈した素振りなど微塵も見せず、最若年水兵に至るまであたかも凱旋将軍のごとく胸を張り、威風堂々と乗り込んできたのである。
「霞と共に我々がこの戦争でやれることはすべてやり遂げ、力を尽くしきった」という誇りが態度に満ち溢れていた。 - 全生存者を収容し終わると、冬月は魚雷一閃、霞を介錯した。
ある者は霞の最期をしかと見届けようと瞬きもせず見つめ、ある者は見るに忍びず目を伏せた。
すでに限界に達していた霞の船体は、命中の大水柱が消えるとともに海中へ没し去っていた。
武勲赫々たる歴戦の雄艦にふさわしい、潔い見事な最期だったと伝えられる。
- 霞の乗員たちは横付けした冬月へ次々移乗してきたが、冬月乗員たちは彼らのその姿、態度に目をみはった。
- また帰路、往路で行方不明となった朝霜の撃沈されたと思しき地点の捜索を実施した。
しかしすでに日没を迎え暗闇となっており、探照灯も危険で使えず、生存者の発見には至らなかった。
集中攻撃の的だったうえ沈没推定時刻から8時間を経過、4月の海で生存はもはや絶望と考えられ、やむを得ず捜索を打ち切った。
その後、朝霜乗員は小滝司令、杉原艦長以下326名総員戦死と認定された。 - さらに、冬月は初霜からの「涼月附近ニ先行セヨ」との特命を受け、日没30分後より初霜・雪風に先行して北上を開始。行方不明の涼月の捜索を開始する。
再び初霜より入電した「状況ニ依リテハ涼月ヲ処分シテ差支ナシ」との指示に対しては「涼月見当ラズ先行シアルモノト思ハル」と返しつつ、涼月に対しては「ワレ冬月、涼月何処二アリヤ」と無電で呼びかけ続けている。絶え間ない電波発信は自艦の位置を敵へ暴露するに等しい。
救助者たちの一部は青ざめ、「発信を止めてほしい」と申し入れた。死闘の末に生の希望が見えた時だけに、恐怖はひときわ強かったようだ。
しかし冬月の通信員たちは断然これを無視、ひたすら電鍵を叩き涼月を呼び続けた。だが、反応はなかった。
実は涼月は通信機を破壊されたうえ発電機破損と電纜寸断により停電状態で、無電の一切を受信できていなかったのである。
そんなこととはつゆ知らず、甑島列島付近まで捜索するも涼月は見当たらず、冬月では次第に絶望感が漂い出す。初霜へ対し「涼月状況不明ニ付コレヨリ佐世保ニ向フ。」と打電を行い進路を佐世保へ向けるが、それでも諦めず発信先を九州近在の各部隊・艦船に切り替え、涼月捜索と援護*16を要請している。 - そして翌日。
絶望を打ち破るかのごとく、佐世保目指し必死に航海を続ける涼月を指宿航空隊の水偵が発見。冬月乗員たちは思いがけぬ朗報に沸き立った。
やがて、待ちかねる冬月らの目の前に、漁船に付き添われた涼月が艦首を深々と沈め、巨大な破孔も痛々しく、後進でヨロヨロと現れた。
冬月のみならず雪風、初霜でも生還を祝う汽笛を一斉に吹き鳴らし、さらに上甲板へ乗員たちが一斉に飛び出し鈴なりとなって歓喜の叫びをあげた。
冬月の士官たちは皆、溢れ出る涙に目を真っ赤にして出迎え、その力闘を讃えたという。- 涼月の奮闘についてはこちらに詳細がある
- それでも雷爆撃の暴風雨の中では完全な全回避とはいかず、あわやという場面もあった。しかし、冬月はあくまで幸運だった。
本土決戦に備えて~終戦
- その後、第41駆逐隊には妹である宵月(未実装)が加わり、同じく妹の花月(未実装)が旗艦をつとめる第31戦隊の指揮下となった。
さらにこの31戦隊に加え、夏月(未実装)、そして回天母艦となった北上や波風(峯風型・未実装)とともに、本土決戦に備え「海上邀撃部隊」を編成している。- だが、この邀撃部隊は奇襲や邀撃を主任務とするという名目はあったものの、もう何をしようにも燃料は枯渇しきっていた。
加えて艦齢の古い北上や波風は船体も機関も老朽衰耗著しく、回天母艦化改造で速力も大きく低下、軍艦というより軍艦改造特攻兵器の感があった。
また旗艦の花月をはじめ宵月、夏月といった妹たちは殆ど実戦経験もないうえ十分な訓練すらできておらず、練度はお世辞にも高いとは言えなかった。 - そのうちに前述の夏月も第41駆逐隊に編入され、同駆逐隊は門司港を拠点に関門海峡・対馬方面の哨戒にあたることとなった。
しかしこの頃になるとB-29のばら撒いた無数の機雷で海は完全に封鎖状態となり、行動らしい行動もできなかった。
ほとんど偽装網をかぶったまま係留されていたという。しかし、それでも来襲したB-29編隊への対空射撃を実施し、うち1機を確実に撃墜してもいる。- なおこの間、坊ノ岬で大破したままの涼月はついに修理不能との判断が下され、41駆から除隊し第四予備艦――実質的廃艦の扱いとなってしまっている。
- だが、この邀撃部隊は奇襲や邀撃を主任務とするという名目はあったものの、もう何をしようにも燃料は枯渇しきっていた。
- 昭和20年8月15日、冬月は終戦を門司港で迎えた。同日、初霜を失っていた第17駆逐隊も解隊され、雪風が第41駆逐隊に編入された。
坊ノ岬では殴り合いを演じかけた両雄が、最後の最後に同じ駆逐隊の僚艦となったのだった。
終戦後~現在
- だが終戦直後、矛を収めた冬月へ思わぬ事態が降り掛かった。
8月20日、呉へ移動しようと曳船に曳かれ出港した直後、機雷に触れてしまったのである。
冬月の船体は後部兵員室から後方を吹き飛ばされ、5名の死者と多数の負傷者を出した。
終戦を迎えてから戦死傷者を出してしまったことは、山名艦長の心に生涯消えない傷となって残った。 - 冬月はその後、涼月とともに福岡県若松港の防波堤という新任務に就くため、1948年4月から5月にかけて上部構造物が解体撤去された。
そして涼月や桃型駆逐艦柳とともに土砂や岩石の投入、コンクリートによる固定が行われ、永久の任務に服することとなった。- 涼月と柳が陸側へ艦尾を向けているのに対し、冬月は一番沖で沖側へ艦尾を向けている。*19
期せずして、冬月と涼月は艦首と艦首を突き合わせた、あたかも頭を寄せ合うかのような形で沈設されたのだった。 - 3隻とも戦後しばらくは駆逐艦の形を留め、観光や釣りの名所となっていたものの、歳月を経る中で金属泥棒による破壊や船体の腐食崩壊が進行。
ついに1961年、防波堤の崩壊を防ぐためコンクリートによる完全埋設が実施され、涼月と冬月はその姿を地面の下へと消した。 - 現在、旧式小型だったため沈設位置の浅かった柳の船体部分が顔を出しており、「軍艦防波堤」の名で親しまれている。提督の間では、ある提督がリアル涼月の上で涼月を手に入れようとして寒さでエライ目にあった地としても知られる。
冬月はその上に港湾施設や道路が造成され、アスファルトが厚く敷かれており、おそらくは今後もずっと顔を出すことはないだろう。 - 不沈艦の勇名を馳せた姉妹は、決して沈むことなき本当の不沈艦として、今もなお人々と国土を波浪から護り続けている。
- 1976年4月7日、軍艦防波堤のある若松港を見渡せる高塔山の中腹付近に冬月、涼月、柳の3艦合同の戦没者慰霊碑が建立された。
高齢化に伴い弔い上げとなる2016年まで、関係者による慰霊祭が執り行われていた。慰霊祭としての祭祀が終わった現在でも、慰霊碑へ供えられる香華は絶えない。
- 涼月と柳が陸側へ艦尾を向けているのに対し、冬月は一番沖で沖側へ艦尾を向けている。*19
- 竣工後、訓練部隊である第11水雷戦隊に所属して旗艦長良のもと訓練を行った。
- なお、彼女からは艦橋の大型化、建造日数短縮をはかるための船体細部簡略化など、大幅なマイナーチェンジが加えられている。
- その名を継ぐ艦として、第2代あきづき型護衛艦4番艦「ふゆづき」(DD-118)がある。
駆逐艦時代の読みは「ふゆつき」なので、名前に濁点が増えている。また、命名由来は「冬空に高く輝く、凛冽とした冬の夜を照らす月」(出典:海上自衛隊第3護衛隊群公式Webサイト)と冬月とは異なる。2012年8月22日進水、2014年3月13日就役。
姉の護衛艦すずつきとは竣工引き渡しが1日違い*20という、ほぼ双子の姉妹艦として生まれた。海自も粋なはからいをするものである。
現在、第3護衛隊群に所属し、舞鶴が母港である。- 上記の小ネタの通り、かつての駆逐艦冬月は舞鶴海軍工廠生まれであった。
護衛艦ふゆづきが新造艦として舞鶴に配備された際、艦長の北御門裕2佐は
「70年ぶりに冬月が舞鶴に戻ってきた。名前に恥じないよう任務に励む」と、その名を受け継ぐ決意を述べている。
なお、冬月が実装されたことでゲーム内で3護隊及び3護群の再現が可能になった(1群には「いずも」、2群には「おおなみ」、4群には「きりさめ」と未実装及び初代がいるためにこの芸当は不可能)。
- 上記の小ネタの通り、かつての駆逐艦冬月は舞鶴海軍工廠生まれであった。
- また、1983年公開の劇場版アニメ映画「宇宙戦艦ヤマト 完結編」にも「宇宙駆逐艦 冬月」が登場している。
同作は随所に戦艦大和の沖縄特攻を思わせる演出がなされているが、冬月もヤマトとともに出撃したり、ヤマトから乗組員を収容したりと活躍している。
ちなみに、「宇宙駆逐艦 冬月」のハルナンバーは「333」。同じ日本海軍の艦艇をモチーフにした作品に対する艦これスタッフのリスペクトを感じられる。
余談だがこの冬月のデザインを担当したのは出渕裕、後の『宇宙戦艦ヤマト2199』の監督である。
お尻艦尾が激突した(或いは冬月のお尻が涼月の顔面に激突した)のを目撃していたのは、冬月が泣いちゃうので小ネタに書くのを躊躇っていたりする。 -- 2023-10-06 (金) 16:04:28