94式高射装置

Cached: 2021-04-15 08:28:04 Last-modified: 2021-04-03 (土) 02:05:08
No.121
94式高射装置高射装置
装備ステータス
火力雷装
爆装対空+3
対潜索敵
命中回避+1
射程
装備可能艦種
駆逐艦軽巡洋艦重巡洋艦戦艦
軽空母正規空母水上機母艦航空戦艦
備考
開発不可、改修可
補強増設に装備可能
吹雪改二摩耶改二の初期装備
改修更新
91式高射装置94式高射装置(二番艦が秋月型、吹雪改二) → 10cm高角砲+高射装置
(二番艦が摩耶改二) → 12.7cm高角砲+高射装置
比較的新しい高角砲対空射撃用の高射装置です
本高射機は測距儀がパッケージされており、高角砲の有効な対空射撃をサポートします。
新造大型艦や、防空駆逐艦「秋月」型に搭載されました。

ゲームにおいて

  • 2014/11/14アップデートで実装。91式高射装置と同じく火器管制装置なので単体での強化値は低い。
    高射装置そのものの特性・検証は91式のページに集積されているのでそちらを参照。
    • シナジーやカットインとの関係等詳細な効果は現在検証中。91式に比べ、カットイン発動率(もしくは優先度)が若干上昇している模様。
    • 実装当初の入手方法は91式からの更新のみだったが、2015/1/9アップデートで吹雪改二が、2015/3/13アップデートで摩耶改二が実装され、現在はこの2艦の初期装備として入手可能。
      • 量産について、現状では「吹雪牧場」が最も早い。レベルが5高い分必要経験値は多いが、札対策などで複数持ちの恩恵が高めな「摩耶牧場」も選択肢。
    • 2020/3/27のアップデートで91式高射装置の開発が解禁され、相対的に入手難易度が低下した。
      • 多少の改修資材を対価とするか、改修資材の節約に牧場経営を続けるかは、提督の判断に委ねられる。
      • なお、91式から更新する場合、必要な改修資材は確実化なしで計18個、★+6★+7以降から確実化の場合計29個となる。


  • 改修に必要な二番艦は秋月照月初月涼月・吹雪改二・摩耶改二のいずれか。
    二番艦により★+6以降の改修で必要な装備と、★maxからの更新先も変わる。
    なお、二番艦により★maxからの更新先が分岐する初の装備である。
    • ★+6以降の改修と更新に必要な装備は、秋月型or吹雪改二なら10cm連装高角砲。摩耶改二なら12.7cm連装高角砲。それ以外の消費資材はすべて同じ。
      • 改修だけなら駆逐艦用主砲として優秀な10cm連装高角砲より、12.7cm連装高角砲を使った方がお得だろう。
    • 装備更新は秋月型or吹雪改二なら10cm高角砲+高射装置。摩耶改二なら12.7cm高角砲+高射装置になる。
      • いずれに更新した場合も、本装備より装備可能艦が減ることに注意。もっとも両方作れば大半の艦種には対応できる。
        ただし、12.7cm高角砲+高射装置は副砲なので、弾着観測射撃への影響に注意。
      • 2020年5月現在のところ12.7cm高角砲+高射装置へ更新するメリットはほぼない。
      • 10cm高角砲+高射装置は秋月型を直接入手できれば更新で入手する必要性は低くなる。下記の装備が互換になる点も留意。



  • この様に上位装備への改修元・消費装備として捉えられがちな装備だが実はこれ自身の改修で得られる補正が大きく多岐にわたると言う特徴がある。
    • 改修で増加する補正が火力、命中、加重対空、艦隊防空と多く補正の係数も高め(艦隊防空の係数などは対空電探よりも高い)で
      最大まで改修した場合の補正値は火力+3.1、命中+3.1、加重対空+18.3*1、艦隊防空+7.3、回避+1となり高性能電探と比べてもなかなかの数値である。補強増設枠に入れることが可能なので汎用性の高い強化装備として活躍できる。
      • ただしその性質上、高角砲系列と同時に装備した場合汎用対空カットインで最弱性能の固定撃墜2というカットインが発動してしまう。高射装置装備艦の他に秋月型か汎用対空カットイン艦がいる場合その艦のカットインを阻害してしまう可能性があるので使い所には気を付けたい。(秋月型か汎用以外の他艦の対空カットインが阻害されることはない)
        また電探と違い索敵能力やうずしお軽減効果も無い。
      • 使い道については91式高射装置を参照。あちらより最終的な効果はもちろん少し高いが、改修コスト、および本装備自体の消費用途を考えるとこのために改修するなら91式で十分。
  • 1番手前の妖精さんは秋月? ということは他の2人はまさか……!?

装備ボーナスについて

  • 特定艦に装備した時、パラメータが更に変化する装備ボーナスがある。
    • 他装備との組み合わせで相互シナジーボーナスも発生する。
    • 他装備とのボーナスを持つ場合、それもまた別に加算される。
    • 対象艦と各ボーナス値は下表の通り。艦種該当艦は艦娘名一覧(艦種別)で確認を。
      艦名記載は、その値が適用される一番下の改造段階が基準。
    装備1装備2対象艦加算値累積
    火力対空回避
    94式高射装置
    (基本値)
    --31-
    単体ボーナス↓
    94式高射装置-秋月型+4+2×
    相互シナジーボーナス↓
    94式高射装置対空電探*2秋月型+2+2×
    ※装備ボーナスのある他装備の一覧はこちら

小ネタ

  • 高射装置はすべての高射砲を連動させて照準を一気にまかなう対空射撃に関して非常に重要な装置である。この装置無くして対空砲の命中はまず望めなかった
  • 高射装置には測距儀がついていてこれを使って情報を集めて照準をする
    • 測距儀は、片方の鏡が45度で固定されていて、これは三角関数における90度の部分である。
    • そして反対側の鏡は動くようになっていてこれがタンジェントに当たり、測距儀自体の長さと動く鏡の角度から三角関数を使って目標までの距離を求める。
      そしてもう一度測距儀自体の仰角からサインを使って高さを求める。こうして敵の位置を把握し、射撃するのだ。
  • 絵では3人の妖精さんが持ち運んでいるが実物は大きい。全高はおよそ1665mm、左右には4.5m対空立体視式測距儀が突き出ている。
    大きな円筒形のカバーの内部中央にはターンテーブルが据えられ、その中央上部に高射機があり、周囲には7名分の座席が取り付けられ、操作器具と各種ハンドルがずらりと並んでいる装置で、ちょっとした物置小屋ぐらいの大きさはある。
  • 対空射撃はただばら撒けばいいものではなく、当てる為に計算しなければならないことが非常に多い。
    計算しなければならないのは敵機の距離・移動方向・速度・自分の弾速・弾速に影響する大気密度の計算・自分の移動速度・縦揺れ横揺れの高さ・角度差etc...といった具合である。
    • 高射機は航空機を観測し、上記のようなデータを割り出すものだった。絵では各種カバーが省略されているが、内部にはいろいろ装備されていた。
      • 特徴的な左右に突き出た4.5m測距儀は敵機との距離を測るものである。
      • 縦動揺眼鏡では水平線を観測し、艦の縦揺れを割り出す。
      • 横動遥眼鏡も水平線を観測し、横揺れを割り出した。
      • 俯仰眼鏡は計測する敵機の俯仰角を追尾、ハンドルで操作して高射機の角度を保持する。
      • 旋回眼鏡では敵機の左右方向への移動を追尾し、ハンドル操作により高射機を旋回させた。
      • もちろん一人じゃこんなものを全部計測できないので、一人ずつ操作手がついた。残りの二人は測距発信手と測距修正手である。
  • 九四式高射装置は操作が機械式であり、高射機と高射射撃盤が分離して配備された。高射機は艦橋へ配置され、高射射撃盤は艦内の発令所に配置された。基本的には九一式高射装置をベースに操作性の悪さと性能向上を目指して開発されたものなので共通点も多い。
    • この装置の能力としては、本装置と八九式高角砲の組み合わせで「射程8000m以下で撃墜1機辺り高射砲150発が必要」という数字が算出されている。その後は九八式10糎高角砲や九八式8糎高角砲に対応したのも開発された。
    • 得られた距離や角度のデータは、高射射撃盤と呼ばれるカム装置や歯車を精巧に組み合わせた機械式計算機によって処理された。
      • 具体的には、高角砲がどの方向へ何度旋回し、俯仰し、何秒に信管を合わせるべきかといった数値を算出したのである。さらに風力修正、自速修正、空気比重差、動揺修正なども数値に組み込んでなるべく正確に見越し位置を割り出したのであった。
  • 九一式では高射機(照準部分)と高射射撃盤の連絡や砲側への計算結果の伝達には伝令兵を用いる必要があったのだが、九四式ではセルシンモーターの採用により伝令兵が不要になり、計測結果と計算結果が通信機を介して直接伝えれた。また、また、九四式では光学的計算装置が指揮装置に組み込まれたり、防震台の採用も行った。ちなみに九一式では別々の目標を追っていた反省から測距儀と照準望遠鏡とが確実に同一目標を測的することができるようにした。仰角機構には浮遊ジャイロを採用しており、垂直方向の安定性も向上した。高射機には自動追従機能もあったが、これはMk37 GSCSと違いレーダーではなく自動的に針と針を一致させるという単純なモノ。これによって高射機は九一式の11人から7人まで削減でき疲労軽減に役立ったとも。一応開発者曰く、自動化により高射機側の要員を削除することを考えていたそうだが、軍曰く万一の為に要員は残されたとのこと。後期型では量産向上の為に自動追従装置はオミットされた。高射機の旋回駆動には水圧(開発者は油圧と証言)駆動を用いており、操作員は座ったまま操作できるようにした。計算機には極座標系を用いており、上昇・下降をする目標に対しても捕捉が容易だった。当たり前だが対艦射撃もできる。
  • 肝心の精度はアメリカ海軍の調査*3を引用すると米軍の調査レポートによれば計算誤差12分、信管調定秒時誤差0.02秒*4と高い精度を発揮していると意外と高評価であった。また、計算機の機構的にはアメリカのMk1計算機に類似するという調査結果も載せられている。
  • しかしMk37GFCSなど他国の射撃装置と比較すると劣る部分があり、以下の欠点もあった。
    • 距離などのデータは測距儀で観測者が目で測るため、目分量の個人差、測距儀自体の精度などで誤差が出ることが多く、レーダーによる自動追尾、自動照準があったMk37と比べるとどうしても誤差が出た。
    • 機械式の歯車やカムには遊隙誤差*5が連合国の高射装置より大きく、どうしても命中率に悪影響を与えることもあった。
    • 計測するための追尾時間も平均で20秒必要なので、遠距離で飛ぶ敵機はともかく近距離を高速で飛ぶ機体に対しては振り切られるということもあったとか。
    • また、高射装置全般において非常に複雑なため習熟には時間が必要だった。そのため戦争後半の新兵が多い状況になると94式の自動追尾を使わないなどその性能を生かし切れないことが多かった。
    • とはいえ、これがあると無いとでは精度面で大きく違ったので、多くの艦種で搭載され少なくない敵機を撃墜し防空に貢献してるのも事実である。たとえば秋月型を擁する第61駆逐隊の戦闘詳報においてはマリアナ海戦時の戦闘詳報において分火の為に後部砲塔の高射装置の増設を求めている(秋月型の場合高射装置一基で全ての砲塔を指揮していたのも考慮する必要があるが) ただし急降下爆撃に対しては高射装置は対応していない。これは敵艦爆が急降下爆撃態勢に入る前に撃墜しようという当初の考えからくる。しかし、実戦を経て難しいことが分かり、急降下爆撃機に対しては複数の高角砲で照尺を2000mで固定し弾幕を浴びせるといった方法が各艦艇に取り入れられた。これは空母の高角砲でも同様で、飛龍によりミッドウェー海戦でも使用された。南太平洋海戦の翔鶴において編み出された高射装置が前述の通り追尾から計測まで時間が掛かるので高射装置による射撃は対空戦闘開始時の最初の一発で雷撃機は回避と機銃にまかせ、高角砲は急降下爆撃機に備えて担当する空域を予めきめてそれぞれそこに砲を向け、砲弾の信管も1秒か2秒に事前にセット、担当する空域に降下する機体が見えたら砲手の判断で発砲を行った。これを弾幕射法というがレイテ以降標準対空射法として採用され高射器射法より多用されたようにやはり、高射装置はあまり有効ではないと評価されたようである。 
      レイテ沖海戦前後では弾幕射法というものも編み出され、これは高角砲は6000mまで高射器射法による集中砲火で弾幕を張り、敵艦爆が急降下態勢に入ってきた場合主砲、高角砲共に予め距離ごとに決めた照尺を使って信管秒時の調整を行い集中弾幕を浴びせる。これを弾幕射法を行う。至近距離の迎撃は多数の高角機銃が対処し、操艦は回避行動を務める。ここで気を付けたいのはあくまで弾幕射法=必ずしも砲側照準*6ではない点に注意。
      エンガノ岬海戦の戦闘では伊勢が弾幕射法を使用しており、戦闘詳報にて6000m~8000mの敵機に対しては高射器射法の使用が有効、6000m以内でも向首する目標であれば有効、状況次第では級梯照尺も有効(要するに階段状に散布。当然高射装置が必要な方法)と記載しており、弾幕射法時に高射装置の使用を明確に記している。また、以降も使用しており高射装置が不要となることはほぼ無かった。*7また、レイテ沖海戦後の坊ノ岬沖海戦では戦艦大和の五番高角砲員の証言の中で、『指揮所から指示が来ても対応できなくなり、そして指示自体が来なくなった。そうなると班長の命令で砲側照準を行い、とにかくやみくもに撃つしかなかった』とあり、あくまで砲側照準は最後の手段であり防空指揮所*8の指揮下で対空戦闘を行うことが基本であることが分かる。さらに乙型駆逐艦である秋月型では一度も砲側照準を行わず、弾幕密度を上げる為高射装置を使用して指揮所から統制射撃を行った。
      • 上記の砲側照準であるが、これもレイテ沖海戦でも各艦で使用されていた。砲側照準が使用されたのは少数機編成の敵編隊が多数にかつ多方位から接近してきた状況では砲側照準射撃を行うものとする。高射装置に限らず射撃盤は統制射撃での使用を前提としており、高射射撃盤は多方向の標的を捕捉、攻撃することに向いていなかった為、このような包囲攻撃を受けた場合は砲側照準により射撃した。
  • 同じような問題に当たった米国では電子技術の進歩によって計算の高速・高精度化を推し進めたり*9、砲弾自体の高性能化(VT信管)*10、対空戦闘システムの進化(戦闘指揮所(CIC)コンセプトの導入等)、マニュアルの整備などで補っていた。
    • 一方の日本では基礎工業力や技術力の格差、思想の違い等で対空戦闘の進歩では劣勢を強いられることとなった。
    • 勿論海軍自身もこの装置で満足しきったわけではなく、更なる改良を目指して後継の高射装置も開発していた(ただし制式採用には至っていない)し、その他試みは5500t型の防空艦化など多数あったのだが、劣勢を挽回するまでには至らなかった。
      • なお、ある日本海軍士官が戦闘後に対空射撃は撃ちまくって弾幕を貼るべきだと主張したが、日本海軍においては射撃は一発必中だ、馬鹿野郎と返されたように日本海軍においては弾幕で妨害するという思想はなかった。というのも日本海軍において弾幕による妨害ではなく敵機の撃墜が対空砲及び対空機銃の第一任務であり、機銃に関しては海軍のマニュアルにおいて『機銃戦ハ近距離ニ敵機ヲ捕捉撃墜シ以テ自艦ノ保全ヲ全ウスルト同時ニ敵機ヲ撃滅スルヲ以テ本旨トス』要するに生きて帰すなという指導がされているようにあくまで撃墜を重視していた。陸上戦闘ではあるものの、『対空射撃ノ参考』においては当たらない銃撃は却って敵の行動を大胆にしたという結果が記されている。前述の通り戦局の悪化により対空射撃戦法が代わり、弾幕射法が一般的な戦術になったのはレイテの頃である。日本海軍においては対空戦闘法はあくまで戦闘機が主力であり、敵編隊を射撃で乱し、そこを戦闘機が攻撃するというものであった。レイテ沖海戦の矢矧の戦闘詳報においても対空戦には限度があり、戦闘機による支援の必要性を説いていた。戦争初期~中盤までならともかく、後半になると戦闘機隊の支援を受けれない、又は航空管制の不備により戦闘機隊との艦船の連携がうまくいかないケースが多かった。
      • アメリカ海軍においては艦隊の最外周から戦闘機、対空砲、中口径対空機関砲、対空機銃でのゾーンディフェンスであり、最外周の戦闘機が主力、戦闘機のCAPを突破した敵機を対空砲を撃墜することを求められている。*11

アメリカ側のハリネズミ対策

アメリカ側のハリネズミ対策

  • アメリカ海軍も末期になるとこのハリネズミのように対空兵器を搭載した軍艦に対応するため、爆撃や雷撃を繰り出す前に対空砲や対空機銃を無力化することを考えた。機銃掃射は事情が許す限り行われ、首尾線方向に行われた。これは日本に限らず大型艦艇などおける弱点でもあり防御の死角であった。駆逐艦や軽巡など艦首から艦尾まで中心線に沿って機銃を配備する艦はともかく、大型艦艇は爆撃に警戒して舷側に並べるため、対空機銃はこの方向には撃てなかった・撃てたとしても対応できる機銃は限定された。機銃掃射は対艦攻撃において一般的であり、例えば日本海軍でも艦艇上部を攻撃する艦上爆撃機は固定機銃が付いていた。しかし機銃掃射では効果が薄く、接近する危険性から3.5インチFFAR*12、5インチFFAR*13、ティニーティム*14と呼ばれる対艦ロケットやASM-N-2 BATという初歩的な対艦誘導爆弾を開発・投入した。
    • 3.5インチFFARは初速が358m/sと速くて命中率が良かった半面、元々対潜用なので弾頭が小さく水上艦艇に対しては威力が低かった。その欠点を改善するために5インチFFARやティニーティムを開発したのだが、これらは威力が高かった半面、初速がそれぞれ216m/s、245m/sと初速が遅かった。5インチはこれら初速の遅さは海軍でも問題視され、高初速のHVARが開発された。ティニーティムで炸薬が500ポンド爆弾並と威力が高かった。しかし、対空兵器の射程外から撃てるよう要求があったが、最大射程では3.5インチFFARや5インチFFARとあまり変わらない1500mだった。配備は沖縄の戦いの最中と遅く、日本海軍の水上艦はほとんど活動していなかったので軍艦に向けて撃った記録は無い。
      これらロケットは対水上艦艇においてイマイチ活躍の場が無かったが、対空砲座への対抗手段としてはそこそこのモノで、貫通力自体も対艦用途としてはまずまずだった。那智、及び大淀での戦闘詳報にはロケット弾による攻撃により25mm装甲部が貫通したとある。また、それでも雷撃や急降下爆撃、機銃掃射と比べれば遠距離から攻撃できたし、機銃掃射と比較すれば効果的に制圧効果が高くて当たれば大きなダメージを与えれた。日本側の対策は主に機銃掃射による死傷者が多かった為、対空機銃座付近に防弾板や衣嚢で防御物を作り、機銃弾や爆弾片から身を守った。
      これらロケットの命中率の低さに関してはロケットの常の弾幕でカバーする。3インチを始めとした対艦ロケットは1943年~1944年あたりから使用を開始した。実際にこれらロケットを受けた歴戦の乗組員達は、米軍がロケットを実戦投入した末期ではかつてのようにアメリカ機は積極的に接近してこなくなったと証言している。しかし米側からすれば結果としてやはり命中率の悪さや威力の低さもあり顕著に活躍したのは地上攻撃や輸送船団攻撃くらいであった。機銃掃射や急降下爆撃や雷撃と比較すれば比較的遠距離から発射できたのでその意義は大きかった。 一応日本でもロケット弾である三式一番二八号爆弾が芙蓉部隊や九〇一空で対艦攻撃に用いられていたが、戦果は不明。
    • 初の誘導弾であるASM-N-2 BATは欠点が多く、使用用途非常に狭かった上に、さらに投入された時期が沖縄戦後と遅かった。このころになると日本海軍艦艇もほとんど活動していなかったが、BATを搭載したPB4Yが朝鮮海峡で海防艦粟国の艦首に命中させて大破に追い込んだのが唯一の戦果であった。欠点が多く活躍の場が無かったが、初めて実用的な対艦ミサイルを開発した技術的な意義は大きかった。
  • 攻撃阻止を念頭に置くことが対空射撃なので、世界的に見ても艦艇における対空戦闘は対空射撃をしつつ回避機動を取るのが一般的だし、それが有効だった。ただ回避運動のため旋回中は艦が傾斜し、砲が旋回できず傾斜が15度を超えると機銃も旋回できないため回避機動中は対空射撃が困難になる。日本においては海軍1とうたわれた操艦の名手森下艦長の大和は対空砲火をしつつ回避に重点を置き、一方砲術の権威であった猪口艦長の武蔵は回避を最小限にし、対空砲火による防御をはかった。結果としては大和は生還し、武蔵はシブヤン海に沈んだ。(最も、武蔵自身も雷撃の被弾により浸水と注水により回避機動が難しかった面もあるが。)
  • また詳しくは伊勢、日向の小ネタ参照してほしいが両艦の艦長は松田千秋少将(四航戦司令官)作成「爆撃回避法」を有効に活用した結果レイテより生還した。
    • 特に艦船において回避機動ができない停泊中に狙われると危険だった。タラント空襲、真珠湾攻撃、トラック島空襲、呉空襲がそれにあたる。やはり回避が大事である。では対空射撃が不要かと言えばそうではない。有効は対空射撃があってこそ初めて回避機動が有効になるのである。
  • 気になる生産台数は終戦まで80基。精密機構のため製造の手間がかかる上に非常に高価なため当時の日本では量産することができなかった。*15
    • 代わりにたくさん作ったのが4式高射装置。だがこれは機銃制御用の95式高射射撃装置を改良したもので性能は雲泥の差があったが量産が効いた。というか本来は25mm機銃と12cm対空ロケット用のモノでそれらを使うには十分だった。しかし94式の数が足りなかったので急遽高角砲も対応できるよう改修したが、高角砲用とするには如何せん力不足だった。松型駆逐艦や信濃がこれを搭載した。九五式との違いは旋回が手動になったこと。この他に海軍電気技術史に出てくる実在したか不明の5式高射装置や、米海軍の調査報告書にのみ登場する三式艦上用高射装置(調査報告書曰く未完成だったとか、レーダー射撃可能だと書かれている)があるが、裏付けがまったく取れていない。
  • で、例によってこの手のミドルウェア的装備の常で陸軍の方が開発に熱心だった。
    陸軍の高射装置は基本的に固定された砲台の為のモノであり、海軍のそれと直接比較するのはナンセンスな面もあるのだが……

    陸軍の高射装置

    陸軍の高射装置

    • 海軍がロクに改修もできないのを尻目に昭和17年にはレーダー測距による二式高射算定具を制式化している。もっとも信頼性や精度に問題があったのか、末期に再び光学式に戻そうとしているが……
      また牽引対空砲でも使う関係上海軍のように常に訓練されたプロフェッショナルが同乗しているという前提は取れないため、扱いやすさも重視されたようである。
    • 大量の陸用高射装置が必要となった海軍は陸軍が審査中の高射装置を協定に基づき採用、九五式陸用高射装置として制式化する。
      しかしコレ、アメリカのスペリー社とイギリスのヴィッカース社の機構を組み合わせたもので、生産性劣悪の上に故障頻発と期待を裏切らない結果になり、一応陸軍でも九七式高射算定具として制式化はされたものの……

      「フライス盤で部品を製造できる! 九〇式より高精度で生産性も向上だ」
      →「え、フライス盤の歯車じゃ精度が確保できない? 結局手作業で仕上げるしかないって?」
      →「国産のステッピングモーター故障しすぎワロタ……ワロタ……」
      →「この非常時にやってられるかぁぁぁぁ!! 九〇式に戻るぞ!!」

    • ってなことで陸軍は100台ほど作ったところで目が覚めた。
    • 九〇式とは九〇式高射算定具のことで、日本高射砲史の開祖にあたる11年式七糎野戦高射砲とともに開発された11年式高射照準具、この改良型八八式高射照準具を経て、
      大隊でシステマティックに運用することを考え、電気統制射撃板の運用を前提に開発された。海軍何やってんの?
      この九〇式は採用当初こそ電気回路に不適当な機構があり故障が頻発したが、九七式がどうもダメっぽいということで改修されて再生産されることになった。
      11年式以来の陸軍の高射装置は陸軍の多田駿大尉*16が考案した日本独自の物だった。
      以降、レーダー連動の二式、B-29を脅し続けた四式と陸軍の高射装置は11年式の発展型に終始する。
      基本設計が11年式以来のものなのでよく「日本軍の高射砲は第一次世界大戦レベル」という評価につながっているが、九〇式の精度そのものは充分だったし、何より大量生産できた

この装備についてのコメント

最新の15件を表示しています。 コメントページを参照

  • これの回収Maxって穴に積めるのってすごくよくない? -- su37j? 2020-03-27 (金) 23:22:40
    • 見張りが日本駆逐・軽巡全般に火力+1雷装+2(しかも改修不要)って考えると対空能力活かせないと微妙ってとこかな。どの道素材になるこいつじゃなくて下位の方でいい。 -- 2020-03-27 (金) 23:24:36
    • ずっと持ってた改修MAXの高射装置の出番だ。増設穴に対空用の副砲積めない、積みたくない場合に対空底上げができるぞ。アトランタに持たせたいけど、こんな古いのいらないって言われそう -- 2020-03-28 (土) 00:34:11
    • これ改修での火力上昇って夜戦にも反映されるんだっけ?それなら見張り員に補正ない海外艦の増設装備の候補にはなりそうだけど -- 2020-03-28 (土) 00:40:52
      • そう。探照灯や大発もだけど、なぜか改修すると小口径主砲と同じ係数で上がっていくみたいだから、存外侮れない性能になる -- 2020-03-28 (土) 00:43:43
    • 機銃じゃ改修しても艦隊防空はあがらないから、これからは対空するなら艦隊防空あがる改修高射装置がスタンダードになるね。甲とかも増設高射装置がスタートラインや前提になりそう。何個も改修した高射装置ないと足らなそう。でも94だと色々重いから91改修した方がいいかも。量産改修頑張ろうね -- 2020-03-28 (土) 00:44:16
      • それはない(断言)秋月型の対空CIの邪魔になるし、そのために秋月砲抜いたら本末転倒。全員に増設する前提なら普通に加重対空値を機銃で積めばいいだけの話。何より機銃増設の時点からして似たような事煽られてたけど現実は全くそんなことになってない。 -- 2020-03-28 (土) 00:49:03
      • どうかなぁ…今だとこれが邪魔しないフレッチャー級やアトランタもいるし、純粋に秋月型自体の出番も減少傾向にあるしなぁ…でもこいつじゃPT対策はできないから機銃・見張員との住み分けはありそう。 -- 2020-03-28 (土) 12:00:41
      • つまり秋月型しか持ってない提督は甲クリアできないって事っすね。…だから非現実的な暴論だと突っ込んでいるわけだが…(高射装置が使えないと言ってるんじゃなくて、これが甲クリアの前提とかいう枝の暴論に突っ込んでいるので履き違えないように)。ちなみに高射装置全積みと機銃全積みを比較すると前者は固定撃墜、後者は割合撃墜で上回るので一概に前者優位とも言えない。正直コスパだけで言えば有用性がダンチなロケラン改二やその他無改修で+10できる機銃でいいと思う。 -- 2020-03-28 (土) 13:32:34
      • そもそも甲クリアは増設自体が前提ですらないしね。秋月型自体は正直最近要らない子と化し始めてる傾向にある感はあるけど… -- 2020-03-28 (土) 13:39:31
      • 別に要らない子にはなってないと思うが。アトランタは軽巡枠を潰すのと貴重過ぎて切りにくいのはネックだし、フレッチャー級はやはり切りにくいのと秋月型と同じ感覚で使うと存外CIが発動しない点、中射程が意外と足引っ張るから秋月型と同じ感覚では使えない。要するに最終海域以外では普通に使う。 -- 2020-03-28 (土) 13:44:59
      • 1年ぶり復帰でアトランタもフレッチャーも居ないうちは細々とやっていきますわ。。。 -- 2020-03-31 (火) 15:09:22
    • 改修で火力・命中も砲みたく上がるって書いてあったし、艦隊防空もそこそこ上がるし割といい選択肢だね -- 2020-03-28 (土) 11:57:11
      • 簡単に計算してみたが、集中機銃マックスと高射マックスで、6隻増設につむなら機銃のほうが強かったが、連合みたいに12隻に積むと固定撃墜数が逆転した。割合撃墜にはあまり関わってこないので素の対空数値が低いキャラには機銃積んだほうがいいが、高いキャラには高射積んで全体の補完をしたほうがよさそうだ。火力も上がるし。集中機銃よりもコスパも良い。 -- 2020-05-06 (水) 07:23:20
  • 何故か3個MAX改修したまま持て余してたけどこれでようやく日の目を見るかな -- 2020-03-28 (土) 20:23:32
  • 更新に必要な改修資材の量を明記してみた。 -- 2020-04-04 (土) 10:38:24
  • 備考欄に 補強増設に装備可能 を記載しました -- 2020-04-04 (土) 19:00:09
  • アメリカ艦用の高射装置カテゴリの装備として、レーダーを載せてないタイプのGFCS Mk.37とか実装されないかな? -- 2020-05-10 (日) 14:53:18
  • 吹雪改二・摩耶改二1隻ずつ居る状態で単発「駆逐艦主砲兵装の戦時改修」(A型改二)やろうと思ったら94式が1つしかなかったぞ…?今更これをやっている改修弱者なので秋月砲や摩耶様砲にしてるはずもなく…期間限定任務とかで廃棄したりしたっけ…? -- 2020-06-09 (火) 04:36:22
  • これ穴に詰められるようになってたのか。いつ作ったのか分からんがこれの☆MAXが1個あったからアトランタの穴にぶち込んだわ -- 2020-06-22 (月) 01:50:09
    • 増設に入れられるようになって巡洋艦の攻撃補強に使えたりと、倉庫の肥やしから日の目を見られるように。 -- 2020-07-04 (土) 17:34:29
  • こいつのMAX作ったけど目に見える形で火力+3とは表示されないのね -- 2020-07-21 (火) 22:20:01
  • 最近あちこちで機銃の代わりに増設穴に入れてあるのを見てどんなもんかと思ったら・・・なかなか手が回らんなここまで -- 2020-07-24 (金) 13:00:57
    • 対空1の差なら、こっちの☆MAXでもいいかも -- 2020-09-19 (土) 09:54:27
      • 94の欠点は入手性の割に餌需要が多すぎて迂闊に改修できないってところだけだからね。総合性能を取るなら94、揃えやすさを取るなら91。 -- 2020-09-19 (土) 10:01:52
    • ぶっちゃけ補強増設に入れてるのは改修補正目当てだから91式でも十分で94式である必要は全く無いぞ -- 2020-09-19 (土) 10:21:46
    • 改修補正のかかる艦隊防空が主目的だから、防空艦用の数以上に揃える必要はないかと、個別防空ならボフォ、艦隊決戦なら見張員、生存性ならバルジで、空母や水母は噴進砲改二って認識 -- 2020-10-07 (水) 05:53:20
  • コスパの差で91のが良いとは言われたけど。最終的に高射装置載せるのって墳進砲、見張り、副砲が載らない、載せない艦及び場合に限定されて数があまり要求されないから、数より質でこっちでもいい気がしてきたわ。 -- 2020-11-21 (土) 22:06:54
    • そりゃコスト気にしないなら1でも対空高い方がいいのは間違いないが、その1の差がゲーム上どのような差になっているかは確認して納得はしておいた方がいいと思う -- 2020-11-21 (土) 22:16:43
    • 加重対空値4、艦隊防空ボーナス0.35の違いをどう見るかって話だけど、この程度だと小数点以下切り捨てで撃墜数変わらない場合が殆どだから逆にほとんどの艦の増設に載せて数を揃えたりしない限り大して意味がない程度の違いだと思うよ。 -- 2021-01-24 (日) 22:08:22
      • ちょっと誤解を招きそうだったので追記。仮に通常艦隊6隻全艦の増設に高射装置を積んだ場合、91と94の差は加重対空値4、艦隊防空値約3.23(単縦陣の場合)。固定撃墜は加重対空と艦隊防空の和を10で割った数(端数切捨て)だから他の装備によっては1機増える程度。割合撃墜は加重対空値/400%撃墜するから相手のスロット数が100以上なら繰り上げが発生する。一応秋月型とかの対空CIで変動ボーナス載せれば確定で固定撃墜+1くらいはできるけど逆に言えばその程度の違いしか生まれないので数を揃えても大して意味はない。 -- ? 2021-01-24 (日) 22:29:17
    • コスパより、むしろコイツをA型改三やB型改四の作成(それとB型改四の改修餌)に使うのが一番のネックかと。牧場抜きじゃ吹雪と摩耶持参の2つくらいしか大抵持ってないだろうし。 -- 2021-01-24 (日) 23:00:08
    • これの目的からして素のステータスではなく改修効果目的で使うからその素のステータス分がどうしてもほしい、もくしはネジ10個+10cm砲4つと釣り合うかだな まぁ釣り合わないと思う -- 2021-01-24 (日) 23:13:26
  • 91式と間違えて解体しちまったよちくしょう -- 2021-01-24 (日) 21:33:34
    • ワシもじゃ。月曜日は危険なのじゃ -- 2021-03-22 (月) 08:04:18
  • いつの間にかこれ補強増設に積めたのね。驚いた -- 2021-03-22 (月) 07:05:55
  • 秋月型対空+4回避+2とのことですが、初月改での装備ボーナスが対空+6回避+4になっているようです。念のためご報告いたします(報告場所をよくわかっていないのでこちらに失礼します)。 -- 2021-03-31 (水) 01:33:26
    • たぶんそれ対空電探の相互シナジーボーナスとの合計 -- 2021-03-31 (水) 17:45:54
  • 秋月型に装備ボーナス付いたのは解るんだけど運営伝聞での書き方を見ると21号電探とかの場合は「戦力」が増強されるってなってるのに94式高射装置の場合は「防空能力」が向上(対空電探との併用で更に向上)って書かれてるからこれ装備ボーナスの事じゃ無くてワンチャン「秋月砲+対空電探+94式高射装置」で新種別の専用CIとか無いですかね……? -- 2021-04-01 (木) 21:58:25
  • これ秋月型の増設に乗せたとして専用カットイン潰した上に見た目だけのボーナスっていうオチにならない? -- 2021-04-03 (土) 00:55:06
    • ボーナスパラメーターの意義はわからないけど高射装置はカットインには関係ないので秋月型への増設には艦隊防空を上げるという点では有用。(個艦防空を上げても影響が薄い) -- 2021-04-03 (土) 01:01:42
      • でも制空権シミュレーターを叩くと、大抵の場合は秋月型やアトランタであろうとも増設は高射装置より機銃を積んだ方が良い結果になる…と思う -- 2021-04-03 (土) 02:05:05
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*1 加重対空値は一つ下の偶数にする処理が入るため、小数点が意味を持つのは他と合計して+2.0以上になる場合
*2 素対空値+2以上の電探
*3 U.S.Naval Technical Mission To Japan/Japanese Antiaircraft Fire Control
*4 砲弾の信管誤差が+ー0.1秒のため実戦においての意味はなかったりする
*5 歯車などには「遊び」=機械を動かすための隙間があるので、その遊びの分目盛が動いて誤差が発生する
*6 要するに砲ごとに独立して照準・射撃を行う
*7 例外は矢矧。レイテ沖海戦の戦訓において九四式高射装置を撤去し、高角砲側に本来機銃用のLPR式照準器(※高射装置の一種)を設置したことが記されている。
*8 文字通り対空戦闘を行う為の指揮所。ここに設置された高射装置から算出されたデータを砲側に送り、指示を出す。
*9 結実は戦後だが、ベル研究所の電気式アナログ高射装置Mk.8等の成果を反映したMk.IAに射撃盤が更新されている。
*10 従来の砲弾信管が設定時間(=想定接敵位置)で爆発する時限式だったのに対し、VT信管は自らが電波を発振し目標から反射してきた微弱な電波を検知して爆発する近接信管である。敵機の概ね15m以内を通るだけで爆発するため、従来型信管に対し7倍もの命中率を出したともいわれる。
*11 例としてはエリコン20mm機銃のマニュアルは敵機を撃墜せよ、投弾後の敵機も生かして返すなとかかれており妨害すればヨシとはしていない
*12 射程1370m
*13 射程1600m
*14 最大射程は1500m
*15 月産5セット
*16 開発時。最終階級は大将。