国後

No.318
	国後(くなしり)		占守型 2番艦 海防艦
	艦船ステータス(初期値/最大値)
	耐久	9	火力	4 / 19
	装甲	4 / 16	雷装	0
	回避	41 / 82	対空	6 / 22
	搭載	0	対潜	31 / 70
	速力	低速	索敵	4 / 14
	射程	短	運	35 / 78
	最大消費量
	燃料	10	弾薬	10
	装備
	12cm単装砲
	25mm連装機銃
	装備不可
	装備不可
改造チャート
国後 → 国後改(Lv40)
図鑑説明
占守型海防艦二番艦、国後よ。北方の護りは任せてよね。 え、地味だろって。何それ！あの出撃の前に単冠湾の哨戒とか、大事な役割も務めたんだから。 大湊を起点に、千島列島や宗谷海峡、津軽海峡など大切なところを守ったの。ねえ、聞いてる？ 最後は大切な大切なこと、頑張ったし。 ちょっと神風さんに迷惑かけちゃったけど、頑張ったよね、あたし！*1

※初期値はLvや近代化改修の補正を除いた時の数値であり、最大値はLv99の時の最大値を指します。

ゲームにおいて

• 2017年5月2日にイベント『出撃！北東方面 第五艦隊』で先行実装。同日実装された新艦種「海防艦」に属する艦娘。
  • 鎮守府秋刀魚祭2017期間中は、一部通常海域で邂逅可能。再入手の手段としてはこれが初となる。
  • 2019年には鎮守府「秋刀魚＆鰯」祭り　限定任務『【特別任務】今年は鰯が豊漁なのです！』選択報酬になった。
    • 日振、大東、占守、明石との選択だった。

• 海防艦の特徴については占守を参照。
• 台詞で話しかけているハチというのは妹である占守型海防艦三番艦、八丈のこと。2019年5月にようやく実装された。
• 運の初期値が35、改造後は45と高い。これは戦死傷者0、そしてキスカの奇跡に国後が大きく関わったことによるものであろう。
• LV13になれば四式ソナー2で先制対潜攻撃可能。

小ネタ

• 艦名は、北海道にある「国後島」に由来する。
  • ただし、国後島は北方領土エリアのため、簡単に上陸することが出来ない。
• 占守型海防艦2番艦。なお戦時中は旧字表記だったため正しくは「國後」である。
• 日本鋼管鶴見造船所（現：ジャパンマリンユナイテッド鶴見工場）で建造された。このときは菊の御紋のついた「軍艦」であった。
  • 軍艦籍を離れ御紋章を取り外した後も、艦内規律の気風などがどことなく軍艦然としていたという。
• 戦前は単冠や津軽など日本北部での警備・哨戒が多かった。本格的な活動は1942年6月のアリューシャンからである。
  • 子日のタメ口事件（子日の項に詳細）はこのときの幌筵で起こっている。
• アリューシャンの戦いが終わって間もなく、艦艇類別等級表が改正され、海防艦は「軍艦」ではなくなった。その後しばらくは千島あたりで活動した。
• 1943年7月26日、特設給油艦日本丸の護衛としてキスカ撤退作戦に参加。
  • ところが濃霧のため、日本丸ともども主隊からはぐれてしまった。
    仕方がないので木曾が陸軍から借りていた高射砲をぶっ放した所、砲声を聞きつけて日本丸は合流できたものの、国後は依然迷子だった。
    そして阿武隈の命令により艦隊が変針した直後、濃霧の中から国後が突如ヌッと現れ、あっという間もなく阿武隈の左舷に突っ込んだ。
  • 続航する多摩と木曾は事故を見て慌てて舵を切り、島風や五月雨以下続航する駆逐艦たちも急転舵で難を逃れた。
    ところが、若葉、初霜、長波は単縦陣の最後尾付近におり、先頭の方で何が起きているか分からなかった。
  • ややあって、目の前の混乱が衝突事故であると気づいた若葉はとっさに急転舵、しかし後ろの初霜は舵が間に合わず、若葉の右舷へモロに突っ込んだ。
    さらに後ろの長波は間一髪避けきれたと思いきや、初霜の尻が衝突のはずみで大きく振れて*7ドシン。都合5隻が絡む多重衝突事故になってしまった。
    結局、若葉は損傷のため駆逐隊司令を島風に譲って退却を余儀無くされ、初霜も日本丸護衛に回され撤退に参加できなかった。
  • 戦闘行動中の五重衝突は日本海軍史上、唯一の事件であった。
  • 大変な大事故だが、事故直後の阿武隈の艦橋の雰囲気は明るかったという。おヒゲの司令官の人徳であろうか。
    「国後も困ったことをしてくれたが、これだけの事故がおこるほどだから、霧の具合は申し分ないということだ。結構なことではないか、なあ艦長！」
    「司令官、これで厄おとしが出来ましたな」なんて冗談が言い交されていたとか。
    また、阿武隈の士官室の黒板にはこんな狂歌が書きつけられていた。「ギンバイに舌つづみ打つ主計長　あッと驚く国後のバウ（艦首）」（阿武隈水雷長作）
    • ところが、である。
      これがキスカの奇跡を呼んだ。アメリカ海軍は暗号解読により、日本軍の増援部隊*8が、26日にやってくることを知っていた。
      だが国後が阿武隈に衝突した事故により、26日突入予定が29日に延期となった。
    • その26日19時、キスカ島の南西*9で待ち構えていた戦艦ミシシッピ以下のアメリカ艦隊のレーダーに反応が現れ、情報通り現れた増援艦隊に総攻撃を加えた。
    • この時の反応の正体が何かはアメリカも調査しなかったため不明である。この戦闘は幽霊艦隊との戦いと呼ばれる。
    • 「増援艦隊」を「撃破」したアメリカ艦隊は安心して29日4時より補給のためキスカ島を離れ、30日には戻ってきた。
      島の包囲は日本が予定を延期したその日だけ解かれ、日本艦隊は突入に成功したのであった。
  • この阿武隈との衝突事故は、映画「太平洋奇跡の作戦キスカ」にて、円谷英二監督による見事な特撮で再現されている。
• その後は第20駆逐隊と共にしばらく北方で活動。1945年4月からは第104戦隊の一員となり、再び本土周辺での活動が多くなった。
• 有名な艦長は第6代の太田耕少佐であろう。航海長、砲術長などは少しのミスでも木製の方位盤で殴られ、怒鳴られるなど、「厳しい艦長」として恐れられていた。
  同時期の僚艦八丈や能美（御蔵型）の艦長も恐ろしい艦長として知られており、3人揃って「北海の三奇人」とのあだ名を奉られていた。
  • ある時、後部の見張りから「イルカ数匹、左舷130度」との報告があった。*10
    太田艦長は振り向きもせずただちに「面舵一杯」を命じたが、案の定これが魚雷だったのである。
    発見が遅かったので回避しきれなかったものの、命中寸前に運良く左舷中央の至近距離ですべて早発し、国後は無傷であった。
    他人に厳しいばかりでなく、自身も厳しい戦闘訓練を積み重ね信念を練り上げているからこそ、瞬間的に迷わず判断を下せたのであった。
    なお、報告が不正確で遅きに失したことについて、艦橋の士官達はやっぱり全員殴られ怒鳴られたという。
• 終戦後は特別輸送艦となり復員輸送を行ったが、1946年6月、御前崎付近で座礁。漁船の灯火を御前崎灯台と見間違えたためだった。
  さらに、救援に駆けつけた神風も座礁。駆逐艦夏月による救援も功を奏さず、そろって放棄となった。終戦まで戦い抜いた武運めでたい2隻の思いがけない最期であった。
  ある元下士官は、傾いだまま動かなくなった2隻を眺めながら、ぽつりと呟いた。「神風も国後も、自決したんだよ」
  1947年7月、現地において解体完了。

• 戦後、「国後」の名は2回海上保安庁の巡視船に受け継がれた。1回目はくなしり型巡視船の第一番船PM－65「くなしり」として1969年に就役、1998年まで活動した。
  • そして現在、とから型巡視船第十七番船PM－37「くなしり」が2012年に就役、2017年5月末現在、海上保安庁第一管区根室海上保安部に所属している。ちなみに第一管区にはこの娘達も所属している。
    • 余談だが、第一管区の主な任務に北方漁場の警備がある。歴史は繰り返される・・・。

この艦娘についてのコメント