旧名称→ 甲標的 甲
No.041 | ||||
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甲標的 甲型 | 特殊潜航艇 | |||
装備ステータス | ||||
火力 | 雷装 | +12 | ||
爆装 | 対空 | |||
対潜 | 索敵 | |||
命中 | 回避 | |||
射程 | ||||
装備可能艦種 | ||||
駆逐艦 | 軽巡洋艦 | 重巡洋艦 | 戦艦 | |
軽空母 | 正規空母 | 水上機母艦 | 航空戦艦 | |
備考 | ||||
開発可、改修可 搭載可能艦 装備時、開幕雷撃が可能 | ||||
改修更新 | ||||
甲標的 甲型 →*1 甲標的 丙型 | ||||
独自開発された「特殊潜航艇」です。 軽巡洋艦や甲標的母艦に改装した水上機母艦、そして潜水艦が搭載して運用します。 二発の魚雷を装備し、敵艦に肉薄して雷撃、艦隊決戦を補助する特殊兵器です。 |
ゲームにおいて
- これを装備すると、航空戦ののち砲撃戦に先駆けて開幕雷撃が可能となる。
- 砲撃戦後に通常の雷撃も行うので、昼戦での雷撃が計2回に増えることになる。
- 開幕で敵艦を沈黙させることも可能なので、実際の戦力向上は二倍どころではない。
- 砲撃戦後に通常の雷撃も行うので、昼戦での雷撃が計2回に増えることになる。
搭載可能な艦について
- 但し装備可能な艦は以下の艦種に限られる。
・水上機母艦 千歳(改・甲)、 千代田(改・甲)、 瑞穂(改)、神威改、日進(改・甲)、三隈改二特
・重雷装巡洋艦 北上改(改二)、大井改(改二)、木曾改二
・軽巡洋艦 球磨改二丁、由良改二、阿武隈改二、夕張改二特、矢矧改二乙
・航空巡洋艦 最上改二特
・潜水艦、潜水空母(Luigi Torelli改、UIT-25を除く)
- 秋津洲とCommandant Testeは水上機母艦ではあるが装備できない。また素の雷装0の神威改はこれを装備しても通常の雷撃はできない。
- Luigi Torelli改・UIT-25は潜水艦ではあるが装備できない。改造前と最終改造後は装備できる。
- 入手法としては、千歳/千代田をLv12まで育てて千歳甲・千代田甲に改造するのが一番手っ取り早い。
- ちなみに千歳/千代田は、更なる改造(Lv15)で「航(軽空母)」にしてしまうと装備できなくなる。
装備の運用について
- 中破・大破しても開幕雷撃は可能(砲撃戦後の雷撃は通常通り不可能)。
- ただし中破で威力が低下(0.8倍)する。大破では威力がゼロとなり当たってもカスダメとなる。無傷時のように戦艦を一撃で……みたいなことはできなくなる。
- 2つ装備していても開幕雷撃を2回行ったりはしない。
- 装備カード左上は魚雷マークとなっているが魚雷扱いされていないらしく、夜戦時のカットイン攻撃の条件に含まれない。
装備リストでも表示位置は魚雷からは離れており、機銃の後ろ。- 逆に言えば重雷装巡洋艦等で夜戦時に安定の連撃をすることも可能ということである(主主甲や主副甲や副副甲等)
- 魚雷カットインをしたい場合は甲標的以外の魚雷を別に2つ搭載すると良い。
- 雷装の上昇値が高い(61cm五連装(酸素)魚雷と同等)ため他の魚雷よりも優先して載せてしまいがちだが、夜戦を考慮する戦術の場合は普通の魚雷を積んだ方が良い場合もある。
もちろん、最低一つはこれを装備しないと開幕雷撃ができないので装備は熟慮しよう。 - 同様に、砲を装備せず甲標的を装備していても水上機母艦の夜戦は艦種依存の砲撃エフェクトになる。
- 廃棄任務でも魚雷を廃棄したとみなされない。
- 逆に言えば重雷装巡洋艦等で夜戦時に安定の連撃をすることも可能ということである(主主甲や主副甲や副副甲等)
- 水上機母艦や重雷装巡洋艦には必須と言っても良い。
- 一方、潜水艦や潜水空母はLv10になると自力で開幕雷撃が出来るようになるため、開幕雷撃の為に甲標的を装備し続ける必要は無くなる。
- 阿武隈改二・由良改二・夕張改二特・球磨改二丁・矢矧改二乙は甲標的を搭載可能な軽巡であり、水雷戦隊限定で雷巡や潜水艦を編成出来ない海域や連合艦隊の軽巡枠等で非常に役に立つ。
ただし雷撃火力・夜戦火力は雷巡ほどは高くないし、弾着観測射撃や夜偵による夜間触接とはトレードオフになる事に注意しよう。(矢矧改二乙は除く。由良改二は補強増設することで可能)- もっとも火力が軽巡内では阿武隈改二・夕張改二特が下から二番目、由良改二は下から三番目(2021/10/13現在)である。
- 素の雷装が軽巡2位の阿武隈改二は夜偵や弾着要員より雷撃要員のほうがいいかもしれない。
- 由良改二は雷装も低いが搭載可能な装備が多く、いろいろな組み合わせが可能なため役割に応じて装備を考えたい。
- 夕張改二特は水上機が装備不可なので阿武隈と同様雷撃要員としての運用がメインか。5スロ艦なので機銃・小型電探・大発・見張員なども持ち込みやすいが低速であることには注意。
- 球磨改二丁は火力雷装ともに低くはないが魚雷が装備できず夜戦連撃ではキャップに届かないため高装甲の相手には心許ない。
- 矢矧改二乙はステータスが全体的に高水準な上4スロ艦ゆえに様々な装備の組み合わせが可能であり、万能。
- 欠点を強いていうなら、運初期値が高くはないことと軽巡内では燃費が重いことくらいだろう。
- もっとも火力が軽巡内では阿武隈改二・夕張改二特が下から二番目、由良改二は下から三番目(2021/10/13現在)である。
- 最上改二特は甲標的・上陸用舟艇・内火艇を搭載可能な航巡。艦種は違えど矢矧をさらに強化したような高スペック艦であり運用方法も近い。
- ただし航巡なので対潜は不得意。
- 艦によっては残りのスロットに対潜装備を積んで先制対潜と開幕雷撃を両方行うこともできる。周回などで道中安定を求めるなら一考。
改修・更新について
- 2020年9月17日に甲標的 丙型へ更新可能になった。更新時には新型兵装資材を2個、戦闘詳報を1枚消費する。
- 雷撃火力は丙型の方が高いが、夜戦ダメージは本装備の★maxの方が優れていると考えられる(丙型での検証結果からの推測)。
- 現状丙型は改修できないため、図鑑埋め等の目的がない限りは本装備の★maxで止めておくのも手か。
- 雷撃火力は丙型の方が高いが、夜戦ダメージは本装備の★maxの方が優れていると考えられる(丙型での検証結果からの推測)。
その他
- 余談だが、甲標的による開幕雷撃が可能になったのは2013年夏イベント開始直後(8月1日)である。
- ハイパーズ実装は6/18と1ヵ月半以上も早かったが、当時は夜戦連撃における雷装値の重要性が判明しておらずカットインの条件も不明確であった為、打たれ弱さも相まって「雷撃戦までに中破しない事を祈るロマン艦種」という
ほぼ史実通りの評価が多かった模様。
- ハイパーズ実装は6/18と1ヵ月半以上も早かったが、当時は夜戦連撃における雷装値の重要性が判明しておらずカットインの条件も不明確であった為、打たれ弱さも相まって「雷撃戦までに中破しない事を祈るロマン艦種」という
- 第一期時代の名称は長らく「甲標的 甲」だった。装備欄や装備リストではフルネームではなく「甲標的」とのみ表示されていた。
2018年8月17日の第2期開幕に合わせ、「甲標的 甲型」に名称が変更され、装備欄でもフルネームで表示されるようになった。第一期時代の画像
小ネタ
- 「甲標的甲型」。
電池駆動の2人乗り小型潜水艇であり、魚雷を2発まで発射可能。- 他に「乙型」「丙型」もある。乙型は甲型に発電機を搭載した試作型であり、五隻のみ(うち四隻は甲型からの改造)が作られた。
そして乙型での試験結果を基に、発電機の搭載に見合う形で艇体に若干の変更を加えたのが丙型である。- これらに続いて、凌波性能、航行性能、機動力等の性能を高めるべく艇体を一から再設計された丁型もあるが、こちらは一般には「蛟龍(こうりゅう)」と呼ばれている。
- 潜水艇らしからぬ奇妙な名前だが、これはこの兵器の存在自体が極秘だったから。
名前だけみれば意味は「甲種の標的」であり、知らない人が見たら訓練用の的?などと錯覚しそうなネーミングになっている。- 試作段階では「対潜爆撃標的」と呼ばれていた。航空隊が「対潜爆撃訓練するから貸してくれ」と言ってきたときには、対応に困ったという。
- ちなみに、ドイツのV1は開発段階で「高射砲標的装置」と呼ばれていたとか。高標的?
- 他に「乙型」「丙型」もある。乙型は甲型に発電機を搭載した試作型であり、五隻のみ(うち四隻は甲型からの改造)が作られた。
- 甲型が搭載する魚雷は九七式魚雷で、いわゆる酸素魚雷である。ただし、水上艦用の61cmや潜水艦用の53cm魚雷よりもさらに控えめな直径45cmであり、当時の航空魚雷と同等のサイズだが炸薬量が多く、航空魚雷よりは高火力高性能である。
- 丙型以降では、魚雷艇用に開発された二式魚雷(通常魚雷)を搭載した。しかしその時期や換装を行った型式には諸説ある。
- 実際の運用としては、どこぞのステルスゲーの如く、敵港まで隠密で近づき港に対して魚雷をぶち込んだのが主なお仕事。
しかし、本来の想定は艦隊決戦の直前に敵艦隊進路上に多数展開させてリアル開幕雷撃である。- 元々のアイディアは「人間を乗せて確実に命中する魚雷を作ろう」であったが、戦前だったので当然NGが出て代わりに上記のようになった。
- このアイディア自体は第一次世界大戦でイタリアが人間魚雷*2を運用したことが知られており日本初というわけではない。
- 甲標的には以下のような欠点があったが、これらはいずれも艇体が小型であるが故に生じるものであった。
- 少々の波浪時にも艇体が安定せず水面から司令塔などが暴露される。
- 排水量(約45t)と比較して質量の大きな魚雷(約1t)を放出するため、発射するごとに本体のバランスが崩れてピッチングが生じる。このことは魚雷の命中率を低下させた。
- このような特性から艇体が安定するまで(数十秒)待ってから2射目を撃たねばならず、2門の魚雷を同時発射もしくは短時間のうちに連続発射することは事実上できなかった。
- 露頂観測は特眼鏡*3を通して行うが、これは潜水艦用の潜望鏡よりも短いため、水上の見通し距離は短くなった。その上、特眼鏡使用時は艦橋部が水上に露出しやすいなど、小型であるが故の苦労は絶えなかった。
- また別の特徴として、速度は出るが運動性能は悪かった*4。小回りが利かないため港への攻撃がそもそも不向きであった。旋回径は作戦に合わせて逐次改良されていったが、どの程度縮小したかはよく判っていない。
- このような性能のため、特に電池駆動のみの甲型は実戦での運用が難しく、作戦後に艇体を破棄して搭乗員のみを回収する手段が講じられた例(ガダルカナル戦など)もあった。
- 欠点だらけの兵器だが、同時期にドイツやイギリスが使用していた同じタイプの特殊潜航艇と比較すると速度は遥かに高性能*5で、水中速度は何と最高19ノットと他の大型潜水艦より高速だった。ただし、水中では全速で50分しか電池が保たず、実用的な最高速度はせいぜい10ノット程度だった。発電機を搭載した丙型以降では数日間の行動ができたという。しかし、ベースとなった甲型が基本的に長時間の作戦行動を想定していなかったため居住環境は劣悪であり、その稼働時間よりも搭乗員のほうが先に参ってしまうという話もあった。
- だが実際の港湾攻撃用としては、小回りがきかず港湾の入り口の狭い水道を通り抜けることが困難であった。
- 甲標的の高速性能は後に建造された第71号潜水艦(高速試験艦。竣工した1938年当時としては最速の水中速度21ktをマーク)で花開き、伊201型(潜高型:水中速度19kt)や波201型(潜高小型:同13kt)などの、水中高速潜水艦への布石となっている。なお甲標的甲型は試作段階で24ktを記録している。
- 真珠湾攻撃に参加したり、伊号潜水艦に乗ってマダガスカルくんだりまで出かけ英戦艦ラミリーズを大破させている。
- ちなみに、太平洋戦争における最初の軍神(九軍神)と日本人捕虜第一号が真珠湾攻撃に参加した甲標的の搭乗員だったのも有名な話である。
- 航空攻撃が開始される前、甲標的隊は既に作戦を開始していた。米艦との交戦を最初に行ったのは母艦航空隊ではなく、甲標的であった。なおこれが特別攻撃隊第一号である。
- 当初帝国海軍では、この特別攻撃に参加して未帰還となった甲標的搭乗員10名を「十勇士」として国内外に喧伝するつもりでいた。
しかし、米軍が1名を捕虜にしたことを世界に喧伝してしまったため、帝国海軍は対応に苦慮することに。
最終的に捕虜となった酒巻少尉のことを伏せて「九軍神」として公表することとなるが、この苦心の対応をしたのが、当時の海軍省人事局第1課長で後に伊勢艦長として大活躍する中瀬泝大佐であった。
- 出撃の途上で甲標的1隻が哨戒中の米駆逐艦ワード(DD-139)に撃沈されているのが、太平洋戦争初の日本軍の損失とされている。
なおこの駆逐艦ワードはその後高速輸送艦に改造され、奇しくも真珠湾攻撃から3年後(つまり甲標的撃沈から3年後)の1944年12月7日に特攻機の直撃で轟沈している。
- 真珠湾で回収された甲標的はアメリカ人から「東條の葉巻」と呼ばれ、修復された後にアメリカ各地を練り歩いた。
- なお近年の写真解析や損傷データの研究などから、真珠湾攻撃の際、出撃した5隻の内1隻はどうやら雷撃に成功したらしい、との説が有力になりつつある。*6。
- 甲標的甲型の動力は蓄電池のみであるが、開発段階においてはA案(蓄電池のみ)、B案(ディーゼルエンジンのみ)、C案(ディーゼルエンジン+蓄電池)の3案があった。それが、発電機の調達が頓挫したことや、予算的な都合から最も安価なA案(蓄電池)に決定された経緯がある。これについては以下のような逸話がある。
- 真珠湾攻撃の後、新聞で九軍神のことを知った開発者の岸本少将は艦政本部を訪問し、真珠湾を奇襲した甲標的は上記3案のどれを使ったか尋ねたところ、A案(充電池のみ)との答えが返ってきた。岸本少将は、甲標的を港湾襲撃に用いるのならば、なぜ最も高い航行能力を期待できるC案で建造しないのかと、関係者を問い質したという。
- 史実においては、大井・北上が甲標的を運用した実績はない。
千代田は甲標的の輸送と整備補給は勿論のこと、訓練時の移動基地等としても使われていた。
他に甲標的の運用設備を持つ水上艦としては、水上機母艦「日進」がある。- 北上は後にアレの母艦となったので、アレ代わりにゲームでは搭載可能になったのかもしれないが、史実の大井・北上は高速輸送艦改装の際に魚雷発射管を半分近く減らされている。
- 重雷装艦の特徴である「遠距離隠密魚雷戦」を再現するための苦肉の策とも思われるが、架空戦記状態であることは否めない。
- 甲標的は全長も幅もアレの約2倍はあり、実際に搭載することを考えると両舷に渡された軌条周りの幅が不足するため、そのまま搭載するのは難しいと考えられる。
- 余談ではあるが、艦尾に投下軌条を有する一等輸送艦も甲標的を2基搭載することができた。その特性を活かして比島、沖縄、奄美大島への甲標的輸送に貢献した。
- 阿武隈改二が運用できるのはif改装によって同様の投下軌条を得ているためだろう。
- キスカ島と甲標的の関連性でいえば、甲標的初の基地部隊(特務隊)が設置されていた点が挙げられる。
同隊は昭和17年7月に同島に進出、基地の設営と艇の訓練を開始した。保有戦力である6隻の甲標的甲型は、海岸に隣接した格納庫もしくは付近に設けた浮標に繋留された。格納庫からは海中に向け敷設されたレール(滑台)が伸びており、整備の際には甲標的を架台に乗せてレールの上を往来する仕組みとなっていた。同隊の活動は、激化する敵の空襲や、強風・波浪によりレール上に堆積する砂の除去作業に阻まれて難航し、また会敵機会もほとんどないまま撤退を迎えた。撤退に際しては残存する艇の爆破処分が行われた。 - この際に処分された甲標的の画像 を見ると、イラストに描かれているような8の字状の艇首ガードと、リング状のスクリューガードを装備していなかったことが分かる。これらの装備は甲標的の作戦内容などに応じて着脱が選択された*7。同じ甲型でも、この画像のようにどちらも装備していないのが甲標的本来の姿である。
- なお、ファインモールド社から発売されている【甲標的 甲型<真珠湾攻撃時> 1/72】では、イラストの元になった甲標的と、キスカに配備された甲標的などを作り分けることが可能となっている。それぞれの塗装・組立例が示されており、その微妙な違いが良く分かるようになっている。
- キスカ島と甲標的の関連性でいえば、甲標的初の基地部隊(特務隊)が設置されていた点が挙げられる。
- その後もゲーム内ではさまざまな巡洋艦に搭載可能となっているが基本的に甲標的、回天の運用実績はないためif改装である。
- 北上は後にアレの母艦となったので、アレ代わりにゲームでは搭載可能になったのかもしれないが、史実の大井・北上は高速輸送艦改装の際に魚雷発射管を半分近く減らされている。
- 防衛省防衛研究所の発行している戦史研究年報第8号(2005年3月刊行) に、甲標的に関する論文がある。
開発経緯から運用までの概説としてよくまとまっているので、興味がある提督は一読してみると良いだろう。
具体的には電探全複合の10/70/250/250、観測機&噴進砲複合の10/70/70/20、タービン複合の100/70/100/10あたりが需要ありそうなとこか。 -- 2022-04-02 (土) 09:31:14