八幡丸

No.322
	八幡丸(やわたまる)		特設航空母艦 軽空母
	艦船ステータス(初期値/最大値)
	耐久	36	火力	0 / 10
	装甲	14 / 32	雷装	0
	回避	24 / 38	対空	13 / 25
	搭載	23	対潜	0
	速力	低速	索敵	28 / 47
	射程	短	運	6 / 44
	最大消費量
	燃料	25	弾薬	25
	搭載	装備
	14	九七式艦攻
	9	未装備
	装備不可
	装備不可
改造チャート
八幡丸 → 雲鷹(Lv33) → 雲鷹改(Lv62+開発資材x32) → 雲鷹改二(Lv85+試製甲板カタパルト+改装設計図+開発資材x64)
図鑑説明
特設航空母艦、八幡丸よ。 優秀船舶建造助成施設によって建造された新田丸級、真ん中の次女。春日丸の姉です。 空母に改装、ほどなくして雲鷹の名を頂きました。 敵潜は本当に嫌いよ。空母が船団の中で同じ速度で運動するのも嫌い。ダメだからね！これだけは覚えておいて！

※初期値はLvや近代化改修の補正を除いた時の数値であり、改造直後の値とは異なります。
最大値はLv99の時の最大値を指します。

ゲームにおいて

• 2021/12/28実装。同日実装された単発任務『海上護衛！ヒ船団を護り抜け！』を達成することで入手可能。
  • 上記任務は同日実装の7-4『昭南本土航路』クリアで達成できるので、実質的には7-4の突破報酬といったところか。
    • 恒常任務で入手可能な艦娘はZ1(2014年3月14日実装)以来となる。
  • 初出はファミ通表紙での後ろ姿、同時に2021年後半の実装が予告された。
    
    
• 基本的な特性や装備品の装備可否は概ね春日丸に準ずるが、こちらはそれに加えて艦攻も装備可能(春日丸は装備不可)。
  • また雲鷹改まで改造すると上陸用舟艇が装備可能になる(対地攻撃時の仕様はGambier Bay Mk.IIと同じと思われる)。
  • 春日丸と違い、改二にしても回転翼機を装備できない。一切回転翼機を装備できない軽空母は本艦が初。
    
    
    各改造段階での装備可否一覧

    各改造段階での装備可否一覧

    装備分類	八幡丸	雲鷹	雲鷹改	雲鷹改二
    艦上攻撃機	◯	◯	◯	◯
    艦上偵察機	×	×	×	◯
    回転翼機	×	×	×	×
    対潜哨戒機	×	×	◯	◯
    大型電探	×	◯	◯	◯
    司令部施設	×	◯	◯	◯
    爆雷	×	×	◯	◯
    ソナー	×	×	◯	◯
    大型ソナー	×	×	×	◯
    水上艦要員	×	×	×	◯
    上陸用舟艇	×	×	◯	◯

    他の装備は、通常の軽空母と同等に装備可能*10。

アップデート履歴

• 2021年12月28日：任務報酬艦として実装

キャラクター設定について

• 基本的な艤装・服装は春日丸に準じる。黄色系の瞳にツリ目状な部分が特徴的。
• 後身姿は2021年春の時点で雑誌に掲載されていた。
• 艦隊編入時のセリフで春日丸を「妹」と扱っている。新田丸級貨客船としては八幡丸が2番船、春日丸が3番船であったことを踏まえている。
  • 春日丸の項でも有るとおり、「大鷹型航空母艦」としては春日丸＝大鷹が長姉となり、八幡丸＝雲鷹は2番艦で逆に妹となる。
  • 神鷹に関しては、「大鷹型航空母艦」としては(元)新田丸級の3人が姉、貨客船としてはシャルンホルスト＝神鷹が新田丸級3人の先輩(姉妹ではない)にあたる。
    • 上記のように少々複雑な姉妹関係になっている。
• 母港ボイスでは日本郵船公式の擬人化イラストについて言及している。(八幡丸は真ん中)
  • 艦これでの髪型はこのイラストがモチーフだろう。
• 放置ボイスでは彼女が史実で残した戦闘詳報を読んでいる。この戦闘詳報の教訓として海上護衛の心得が記されていた。

小ネタ

• 八幡丸は日本郵船の新田丸級貨客船の2番船として昭和14年10月31日に進水、昭和15年7月31日に竣工。建造は三菱重工長崎造船所。
  新田丸級は春日丸の項にあるとおり、昭和15年開催予定であった東京オリンピックを見込んだ豪華貨客船として生まれた。
  • 新田丸級は日本郵船の公式イニシャルNYKから名付けられており、本船は2文字目のYにあたる。
    折しもこの頃は日本郵船が所有客船七十幾隻、総保有船舶世界一の百万トンを誇った絶頂期。
    そのなかにあって特に社名のイニシャルを冠した命名がなされたあたり、同社の本級にかける意気込みがわかるだろう。
    • 船の規模としては「太平洋の女王」として知られる同社既有の浅間丸級と同格であるものの、
      本級のほうが10年新しいだけに、船体・設備・航海機器など全てにおいて格段の近代化、そして純国産化がなされている。
      さらには、浅間丸級が伝統的な純欧風の船内デザインだったのに対し、新田丸級は欧風偏重を脱却、大胆に日本風モダニズムを取り入れてもいる。
      名実ともに社名を掲げるにふさわしい最新鋭豪華貨客船、それが新田丸級であった。
  • ちなみに「八幡丸」は日本郵船所属船の船名としては2代目。
    先代は明治31年英国グラスゴーで建造された3,818総トンの貨客船で、豪州航路や上海航路で活躍した。
    日露戦争では海軍へ応召し砲を取り付けて仮装巡洋艦として参戦、第一次世界大戦でも海軍唯一の病院船として応召している。
    特に第一次大戦の際は南洋方面まで出動、日本が初めて経験する遠洋かつ南方での様々な苦労を通し、医療や艤装について数々の貴重なデータを報告している。
    2代続けて海軍と縁の深い船名であるといえよう。
    • なお、春日丸級貨客船の3番船であることからわかるように、先代の春日丸の妹でもあった。その最後も姉と同じで、1934年に第1次船舶改善助成施設を適用して建造されるN型貨物船の「鳴門丸」の見合い解体船に指定されて解体された。
  • なお「やはたまる」ではなく「やわたまる」と読む。
• 新田丸級建造にあたっては国庫の優秀船建造助成を受け、徴用と航空母艦化改装が設計段階で盛り込まれていたのは御存知の通り。
  • また、国家の顔である豪華貨客船としての威容に欠くところはなかったものの、すでに物資統制のはじまっていた時期の建造であり、
    船内の各部品はよくよく見ると鉄→アルマイト、真鍮→ベークライトといった具合に代用資材が多用されていたという。
• 完成前に徴用され一度も商船として日の目を見なかった春日丸と異なり、新田丸（未実装）と八幡丸は本来の貨客船としてデビューを飾っている。
  もっとも本来想定していた横浜ロンドン線は第二次大戦の勃発で危険な航路と化しており、最新鋭船の本級を投入するにはあまりにリスクが高くなっていた。
  そのため、欧州航路は引き続き旧式船が担当し、本船はシアトル航路と桑港(サンフランシスコ)航路へと就航することとなっている。*11
  しかしそれでも、竣工後およそ1年間という短い間ながら、船客を乗せての優雅な旅をおこなうことができたのだった。
  なお、シアトル航路及び桑港航路については平安丸の項を参照。
  • 完成後、長崎港から初めての航海に出発する際には、八幡丸の建造艤装に携わった職員や監督官、職工、女工に至るまで全員が小蒸気船に乗り込み、
    乗りきれない者は伝馬船を漕いで長崎港外まで八幡丸を追いかけ、彼女の晴れの旅立ちを祝い、別れを惜しんだという。
  • 新造の八幡丸は門司から横浜まで14日間の披露航海を行っているが、この際に実はひと悶着起きている。
    船長と瀬戸内海を案内するはずの水先案内人とが喧嘩し、水先案内人が船を降りてしまったのである。
    狭いうえに島が多くおまけに海上交通量も多い瀬戸内海は水先案内人がいなければ通ることができず、大きく四国を迂回するしかない。
    普通の船であれば日程変更を余儀なくされるところだが、八幡丸は違った。
    荒れる太平洋を物ともせず、フルスピードで四国沖を突っ切り室戸岬をまわって、日程通りに何食わぬ顔で神戸へ到着してみせたのである。
    航空母艦としては鈍足ではあるが、それは経済性をあまり考えなくてよい軍艦としての話。客船としての快速さについては折り紙付きなのである。
  • 当時日本郵船に嘱託社員として在籍していた作家・内田百閒は八幡丸の披露航海に乗船しているが、門司港で初めて目にしたく八幡丸の印象を
    「……一寸様子を見てみようと思って窓掛けを上げたら、まともにきらきら光る海波が流れて、その上に船体の上部を純白に塗った大きな船が浮かんでいた。
    満船飾の小旗が一枚一枚美しい朝日を浴びてひらひらしている。今頃着いた様子ではなく、もうずっと以前からそうしてそこにいたらしく澄まし返っている」
    「いつの間にか夜になって、暗い海の向うに八幡丸の船体が大きい白い夢のかたまりのように光り出した。
    美しい燈影が流れて行く海峡の浪に乗って、どこまでも長く筋を引いた。中に這入って行って寝るのが惜しいような気がし出した」（「門司の八幡丸」）
    と回想している。
    また、姉の新田丸との印象の違いとして
    「どちらも新造のその粋な姿が目の底に残っている。新田丸は絢爛、八幡丸は瀟洒と云った趣で、八幡丸の図書室の壁に懸かっていた菅公の詩の聯の銀字を思い出す」
    とも。姉妹船とはいえ船内デザインは一隻ごとに新設計されるものであり、デザインコンセプト自体も船それぞれに異なる。
    八幡丸の垢抜けた瀟洒な印象は、艦娘としてのキャラにも反映されているようだ。
    • ちなみに披露航海では百閒のほか、神戸から作家の林芙美子が乗り込み取材と洋上対談を行っている。
      また途中で婦人雑誌の記者たちも6人乗り込み、最新式の厨房や洗濯設備、食堂などを取材している。
    • なお百閒は「門司の八幡丸」をはじめ、八幡丸や新田丸の披露公開ほか、乗船した様々な船についての随筆を『船の夢』という一冊にまとめている。
      そして新田丸と八幡丸はよほど印象深かったらしく、彼女たちが海底へと沈んだ戦後もたびたび随筆でその思い出を綴り、短かったその生涯を惜しんでいる。
• そんな彼女も日米関係の悪化により、昭和16年7月17日にシアトル航路が、翌日の18日に桑港航路がそれぞれ休航となったため民間航路から離れ、11月22日についに海軍徴傭の命がくだった。
  日米開戦の時期にあたり改造は呉工廠において突貫工事で行われ、翌昭和17年5月31日には早くも航空母艦化改造が完了し、特設航空母艦となった。
  未だ新造船のペンキの匂いすら残す真新しい船体をバーナーで切り裂き、
  どこも傷一つない豪奢優美な調度をバールとハンマーで解体撤去してゆくのは、さすがの技師やベテラン工員たちも心が痛んだという。
  • 艦これに実装された特設艦船の艦娘としては飛鷹・隼鷹・春日丸に続く4人目である。
• 空母改造成った彼女の最初の任務は第7駆逐隊潮と漣に守られつつのラバウルへの航空機輸送であった。
  彼女が運んだ零戦と九九艦爆各16機は到着するや否やさっそくガダルカナル戦に投入されている。
  • なおこのとき、八幡丸は彼女自身も知らない「戦果」をあげている。
    ラバウル停泊中の彼女を高高度偵察のB-17が撮影しており、米本土の情報部は「輸送用の改装空母だろう」と判断したものの、
    当時上陸部隊支援中の正規空母サラトガ、エンタープライズ、ワスプを擁する米第61任務部隊はこの正体不明の航空母艦を大変警戒した。
    なんせまだ米空母部隊の態勢が十分整っていない時期であり、虎の子の正規空母を守るためかなり神経過敏になっていたらしい。
    同任務部隊は攻撃準備に上空警戒にと労力を割き神経をすり減らしまくった挙げ句、燃料不足に陥り上陸部隊支援を打ち切って撤退していった。
  • そして、支援が打ち切られた8月8日まさにその当夜、エアカバーを失った米上陸部隊へ鳥海率いる三川艦隊が突入、散々に蹂躙されることになる。
    後にいう「第一次ソロモン海戦」である。期せずして八幡丸は米機動部隊の引き剥がしに貢献していたのだった。
  • もっとも、三川艦隊も米軍機を警戒するあまり本来の目標の輸送船団を殲滅せず引き上げているので、敵機へ神経を尖らせているのは日米お互いさまでもあった。
    ともかくも、第一次ソロモン海戦の大戦果の影には、三川艦隊も八幡丸本人も知らない「戦果」がはたらいていたのだった。
• ラバウル輸送任務後内地へと帰った八幡丸は同年8月31日、正式に航空母艦「雲鷹」と命名される。

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