Glorious(正規空母)

Cached: 2025-12-17 19:41:14 Last-modified: 2025-12-17 (水) 19:14:30
No.617
Glorious_cv.pngGlorious(グローリアス)Glorious級 1番艦 正規空母
艦船ステータス(初期値/最大値)
耐久55火力0 / 23
装甲-- / 49雷装0
回避34 / 56対空28 / 70
搭載48対潜0
速力高速索敵37 / 65
射程6 / 39
最大消費量
燃料50弾薬45
搭載装備
12Sea Gladiator
12Swordfish
12Swordfish
12未装備
改造チャート
GloriousGlorious(正規空母)(Lv10) → Glorious改(正規空母)(Lv50)
*1 Glorious改(巡洋戦艦)(Lv65)
図鑑説明
Courageous級巡洋戦艦Gloriousです。敵巡洋艦を圧倒する軽巡洋戦艦として就役、海軍軍縮条約の戦艦枠制限により航空母艦へ改装されました。英海軍の初期主力空母として活躍、ノルウェー防衛戦に投入されたものの水上艦の砲撃で撃沈されました。赤城や加賀のように戦艦から空母に改装された私、覚えていてね。

※初期値はLvや近代化改修の補正を除いた時の数値であり、改造直後の値とは異なります。
最大値はLv99の時の最大値を指します。

CV:未発表、イラストレーター:未発表 (クリックするとセリフ一覧が開きます)

CV:未発表、イラストレーター:未発表*2

定型ボイス一覧

イベントセリフ改装段階備考追加


 


 




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入手/ログインCourageous級巡洋戦艦、Gloriousです。
少し海軍軍縮条約の様子が気になるけれど……貴方が私達のAdmiralなのですね。よろしくお願いいたしますね!
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母港*3編集
母港1詳細Admiral? 光栄です!編集
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母港2もともとのコンセプトが、敵の巡洋艦を駆逐するための艦ですから。魚雷兵装も、もちろんありますわ。速力も申し分ありません!編集
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母港3わたくしは、もともとは敵巡洋艦を駆逐する、巡洋艦駆逐艦。すなわち、Cruiser Destroyerという、新たなコンセプトで構想された、新型艦として設計されました。完成した姿は、いわば軽巡洋戦艦。姉とともにかなり便利な艦な気もいたしますが、海軍軍縮条約の戦艦枠制限により、空母に改装されることになります。仕方ないけれど、それも光栄なこと。編集
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ケッコンカッコカリ 編集
ケッコン後母港 編集
放置時×編集
編成出撃編集
編成Courageous級巡洋戦艦、HMS Glorious! 抜錨、出撃いたします。さあ、まいりましょう!編集
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出撃第1巡洋戦隊、HMS Glorious! 参ります!各艦、わたくしについてきてくださいまし。さあ、行きましょう。編集
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開戦・攻撃*4編集
戦闘1昼戦開始Enemy insight! これより、砲・雷撃戦を実施します。各艦、戦闘用意!編集
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戦闘2昼戦攻撃敵の懐に、肉薄いたします!編集
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戦闘3夜戦開始わたくし、夜戦を決意いたしました。臨むところです。お相手ください。いざ、まいりましょう!編集
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戦闘4夜戦攻撃Shoot! 次弾装填、お願いいたします。編集
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戦闘時ステータス*5編集
小破きゃあ!このっ!!編集
どういうつもり!?まったく!編集
中破/大破きゃあーー!!くっ、わたくし、やっぱり防御力が…。でも、沈みません!こんなものでは…!編集
轟沈 編集
戦闘終了*6編集
勝利MVPこの戦いの勝利の栄光…わたくしに…?Thank you very much indeed! Admiral、皆さん、感謝いたします!編集
旗艦大破どういうつもり!?まったく!編集
装備・改修*7編集
装備1改修/改造ありがたく、思います。編集
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装備2Thank you indeed. これで戦に向かえます。編集
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装備3改修/改造/開発/バケツ/遠征/発見よきこと。未来の栄光をあなたに。編集
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その他編集
帰投Operation has been completed! 艦隊、帰投しました。編集
補給Thank you very much indeed! 助かります。編集
入渠(小破以下)かすり傷ですわ。すぐに戦隊に復帰します。編集
入渠(中破以上)すみません…わたくし、少し打たれ弱くって…。申し訳ありません…。編集
建造完了新しい艦が誕生しましたわ。編集
戦績表示Information repot! お持ちしました。編集

各ボイス項目の詳しい説明はこちらをご覧ください


時報ボイス一覧

時刻セリフ改装段階備考追加


 


 




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00××編集
01××編集
02××編集
03××編集
04××編集
05××編集
06××編集
07××編集
08××編集
09××編集
10××編集
11××編集
12××編集
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14××編集
15××編集
16××編集
17××編集
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19××編集
20××編集
21××編集
22××編集
23××編集


季節ボイス一覧


イベントセリフ改装段階備考追加


 


 




追加
桃の節句編集
春の訪れ編集
ホワイトデー編集
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春本番編集
梅雨編集
初夏編集
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盛夏編集
夏祭り編集
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秋刀魚編集
晩秋編集
ハロウィン編集
秋のワイン編集
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師走編集
クリスマス編集
年末編集
新年編集
節分編集
バレンタイン編集

周年記念編集


ゲームにおいて

  • Lv10で改造可能。艦種が「正規空母」になる。

アップデート履歴

キャラクター設定について

小ネタ

  • 大型軽巡洋艦(軽巡洋戦艦?)として建造されたグローリアスが航空母艦に改装された姿(軽巡洋戦艦時代についてはこちらを参照)

航空母艦として再生

  • 第一次世界大戦が終わるも欧米列強の主要国であるイギリス、アメリカ、そしてアジアの強国となった日本の3か国は建艦競走を過熱させ、それによる負担は各国無視できない情勢となっていた。そこでアメリカ合衆国大統領ウォレン・ハーディングの提案で戦勝5か国による軍縮を行う事になり、1921年11月から翌年2月にかけてアメリカ、ワシントンDCにて行われた。
    • この会議の事についての詳細は省くが、イギリス海軍は主力の戦艦、巡洋戦艦を計50万トンまで保有可能となり、アイアンデューク級4隻*8、Q.E級*95隻*10、R級*115隻*12、の戦艦14隻に、レナウン級2隻*13及びフッド、タイガーの巡洋戦艦4隻、陸奥保有問題を端に新規建造が認められた後のネルソン級2隻*14を保有する事になり、それ以外の多くの戦艦、巡洋戦艦は廃棄されることになった。グローリアスらカレイジャス級も廃棄の候補に挙がったが、最終的に航空母艦に改装する事になり、1924年から改装に着手する。
      • グローリアスらが航空母艦として延命できたのは、実は準姉妹であるフューリアスが大きく影響している。英海軍としてはワシントン条約で得た航空母艦の枠を、米日に倣い建造途上の主力艦を改装する*15事で航空母艦を建造するという選択肢もあった。実際アドミラル級巡洋戦艦として1920年5月に竣工したフッドの2番艦以降が発注済みの状態であり、それを航空母艦化するという事も可能であったのだが、ここでフューリアスの存在が問題となった。
        実はフューリアスはワシントン海軍軍縮条約の前から航空母艦化のための改装をしており、航空機の運用も開始していた
        ※但しこの時点では全通飛行甲板は搭載せず、船体中央に艦橋や煙突などがある、今から見ると奇怪な構造の空母であったが…→当時の艦橋周辺を写した航空写真
      • フューリアスは航空母艦として保有を認められており、飛行甲板上に構造物を持たないフラットな空母への改装も検討されていた。だがこのままだとフューリアスは同型艦のないままでの竣工となってしまう恐れがあった。この時点で英海軍が保有している航空母艦はどれも同型艦のいない艦ばかりであり、性能的にも運用的にも雑多な状態であった。同性能の艦を複数隻保有するのがベターである以上、またここで別艦から航空母艦を生み出すよりも、フューリアスの準同型であるカレイジャスとグローリアスを空母に改装する方が後々便利なのではないか?と判断され、一転して航空母艦へ改装する事となったのである。
  • こうして航空母艦として生まれ変わることになったグローリアスは、1922年から始まったフューリアスの本格的な航空母艦への改装に次いで1924年から航空母艦化への改装に着手する。内容的にはフューリアスに準じる改装だったのだが、その内容は突拍子もないものだった。
    フューリアスは確かにその奇怪な艦容から広々とした飛行甲板を備える航空母艦になったのだが、その飛行甲板が2段式なっていたのである。
    • どういう意図で多段式の飛行甲板にしたのかについては同じ時期に同様の構造で改装された赤城加賀の項で触れられているが、彼女らがこの構造を採用したのも、フューリアスのこの改装を参考にしたものである。グローリアスらも同様に2段式の構造を採用、艦橋構造物があること以外はフューリアスに極めて類似した艦容となって1930年に再竣役した。
      航空母艦への改装後のグローリアス
      写真を見たらわかるが、着艦用の上段の飛行甲板は中央部で緩い傾斜をもたせている。これは着艦時に飛行甲板が上り坂になっている事で艦載機を減速させる意図があっての構造である。なお三段飛行甲板時代の赤城や加賀も同じ意図から最上飛行甲板は艦尾方向へ緩い傾斜を持たせている*16
      • なお、航空母艦化に伴い降ろされた4基の主砲等は保存され、1941年10月に起工されたイギリス最後の戦艦「ヴァンガード」の主砲塔として再利用される事になる。だが完成したのは1946年4月で戦争に間に合わなかった。
  • 航空母艦として生まれ変わったグローリアスだが、2段式飛行甲板という今では見られない特種な構造以外は、実は後年の航空母艦と染色ない構造となっている。艦橋は煙突と一体化した大型のものを右舷中央付近に配し、砲火器も当時は「水上艦艇との戦闘」も考慮して対艦用の火砲を搭載する航空母艦が殆どだった中できっぱりと対艦火器を諦めて対空火器のみに統一、着艦装備も縦索式から現代と同じ横索式のものを姉共々搭載し、艦載機数も36機と当時の英空母としては破格の機数*17であり、グローリアス姉妹は英海軍空母部隊の主力に位置付けられたのである。
    • その後航空機の進化により多段式では最上段以外の飛行甲板での航空機運用は至難となっていくと、同じ多段式だった赤城や加賀は大改装をして全通式の飛行甲板を備える形に改めたが、英海軍の場合はそこまでの大改装はせず、1934年に始まったグローリアスへの第二次改装では下段の飛行甲板は艦載機の運用はきっぱり諦め、その跡地にはQF 2ポンド8連装ポンポン砲を3基搭載して対空火器の増強、航空機の運用は上段の飛行甲板のみで行う事にした。その上段の飛行甲板も艦尾方向に15mほど追加*18したうえに世界に先駆けて実用化していた「艦上機用カタパルト」を2基配備した事で、全長176.5mの飛行甲板*19でも新型機の運用が可能としている。搭載機も格納庫を全て搭載スペースに割くことが出来るようになったことで48機に増加しした。
      第二次改装後のグローリアス
      此方は1936年ごろのグローリアスを上空から撮影したものだが、艦尾飛行甲板が延長され、元下段飛行甲板に銃座等が増設されているのが分かる。
      • こうして2段式の構造を残したままながら有力な航空母艦として生まれ変わったグローリアスは、第二次世界大戦開戦時にはアーク・ロイヤルに次ぐ有力な航空母艦として、カレイジャスと共に運用されていた。だが、軽巡洋戦艦時代からの「脆弱な防御様式」は建造時のままに近く*20、防御性能に不安が残る艦でもあった*21

第二次世界大戦~ノルウェー撤退戦

  • 開戦時は地中海艦隊に所属していたグローリアスは、アドミラル・グラーフ・シュペー捜索に従事したのち、1940年4月にノルウェーの要所ナルヴィクとトロンハイムを占領する作戦に従事する事になる。
    フューリアス、アークロイヤルと共に出撃したグローリアスはノルウェーのドイツ軍基地を攻撃、同時にイギリス空軍基地への航空機輸送任務にも従事していた。
    • だが戦局はドイツ軍の優位に進み、6月になるとノルウェーの国土の大半はドイツ軍の支配下になり、ノルウェー政府と軍の残余、そして英仏の遠征軍はわずかに北部の港湾都市ナルヴィクとその周辺を確保するのみとなっていた。一方で主要戦線であるフランス方面も英仏連合軍の劣勢であり、これ以上ノルウェーに大規模遠征軍*22を派遣するのは困難であると判断された。そこで第12代コーク侯爵であるウィリアム・ボイル海軍大将を指揮官とする船団を派遣し遠征軍の撤退を行う事になる。そしてグローリアスもこれに参加する事になる。
  • 船団は兵員を輸送する14隻の輸送船とそれを護衛する軽巡2隻*23、駆逐艦10隻、工作艦1隻*24、そして間接掩護として展開する空母2隻*25、戦艦1隻*26、駆逐艦5隻からなり二手に分かれて進軍、これとは別に重巡洋艦デヴォンジャーもノルウェー王室及び政府首脳の救助に赴いた。
    • この撤退戦でのイギリス側の一番の懸念はドイツ海軍の動向が全く掴めていなかった事であった。当時はドイツの誇るエニグマ暗号は全く解読されておらず、航空偵察の不調や誤報などによりボイル大将の手元にはドイツ海軍の活動の兆候を把握できる情報は全くなかった。それでも船団は第1陣*27が無事にナルヴィク北方のハールスタ港に到着、遠征軍を収容して7日には出港、戦艦ヴァリアントが護衛に加わり9日には無事に英本土に帰港した。次いで第2陣*28も8日には遠征軍の収容を終えて出港、英本土に向かったのだが…そこにはなぜかグローリアスと駆逐艦2隻*29の姿はなかった。
      • 実はこの3隻、遠征軍収容途上の7日深夜に、船団から離れて英本土への帰国の途についていたのである。何故3隻だけ急に先行して帰路についたのかは後述するが、これが3隻の運命を決してしまった。彼女らはヴィルヘルム・マルシャル大将の率いる戦艦グナイゼナウ、シャルンホルスト、重巡洋艦アドミラル・ヒッパー、及び駆逐艦4隻の艦隊に捕捉されてしまったからである。

独艦隊との遭遇戦~グローリアス沈没

  • 実はこの時点ではドイツ側もノルウェー方面は上手く進んでおらず、追い詰められているとすら思っていた。そのためまさか英国側が先に撤退するとは思ってもおらず、マルシャル大将率いる独艦隊はナルヴィク方面で苦戦するエドゥアルト・ディートル中将率いるドイツ山岳兵部隊を救援するために、ハールスタ港を攻撃して連合軍船団と付近の水上艦隊を撃破し、制海権を奪回しようとしていたのである。
    • 8日、連合軍の全面撤退をにおわせる偵察報告を受けたマルシャルは、独断で港への突入を中止し周辺船団への攻撃を決断した*30。6時以降艦隊はノルウェー船籍のタンカー「オイル・パイオニア」と護衛の武装トロール漁船を発見してこれを沈め、8時頃には兵員輸送船(但しカラ船だった)も撃沈する戦果を挙げた。ここで燃料問題からアドミラル・ヒッパ―と駆逐艦4隻を後退させたマルシャルは、戦艦2隻を率いて船団本隊を求めて北上したところ、15時46分、見張りが右舷前方にかすかな煙を認め報告、確認すべくそこに向かったところグローリアスらと出くわしたのであった。
  • この時グローリアスは完全に油断しきっていた。ドイツ空軍機の行動範囲内にもかかわらず平時と同じ第4種警戒態勢で航行しており、搭載機による周辺のパトロールどころかマスト上に見張り員すら配置していなかった。機関も燃料節約のためボイラー18基のうち6基を完全に停止させており、緊急時の全力航行は出来ない状況だった。これまでの2か月間の作戦行動でこの海域を平穏に通過出来ていたことが、これらの油断に影響していたと言われている。
    このためグローリアス側がドイツ側を視認したのはドイツ側から遅れる事30分近く経過した16時15分、更にそれを敵だと確認したのは16時20分となってしまった。
    • 艦長のガイ・ドイリー=ヒューズ大佐は慌てて増速を命じ救援要請の電文を打たせるがボイラー6基が完全に止まっている状況ではすぐの増速などできなかった。
  • 16時32分、距離を26キロまで縮めたところでシャルンホルストが初弾を発砲、38分にはグローリアスは最初の被弾を被る。この時グローリアスにはノルウェーに展開していた空軍機の18機やソードフィッシュを搭載しており、反撃のための出撃準備を行っていたが、グナイゼナウやシャルンホルストの主砲弾が次々と命中し、出撃準備のため魚雷搭載作業等をしていたソードフィッシュ2機が吹き飛ばされ、格納庫も航空燃料が引火して大火災が発生、16時58分には艦橋が被弾して艦長以下要員が戦死する。
    • 護衛の駆逐艦2隻はどうにか情況を打破しようと奮戦、アーデントは果敢にも突入して雷撃を行うが躱されてしまい17時25分頃に沈没、アカスタはグローリアスの周囲に煙幕を展開して独艦隊の砲撃に対してかなり有効な妨害を行う*31が、グローリアス自体が機関に被弾した事で停止し漂流しだしたことで煙幕も一時的にしか効果しなかった。それでもアカスタは煙幕をあちこちに展開してはその合間から独艦隊を攻撃、17時34分には雷撃を行いシャルンホルストに一発を命中させ48名が戦死、速度が20ノットまで低下する損害を与えている。
      • グローリアスを無力化したと判断したマルシャルはこの「勇敢な駆逐艦」に攻撃を集中するように指示、2隻の戦艦からの全力射撃を受けたアカスタは18時20分に沈没、グローリアスも19時頃に沈没した。3隻の沈没時、海上にはおよそ900名ほどの生存者がいたが独艦隊は救助せずに立ち去り*32、救援部隊も待てど暮らせど来なかった*33ため、当日の天候は北海の中では比較的穏やかであったにもかかわらず生存者の多くが力尽き、3日後の11日に現地を通りかかったノルウェーの貨物船や漁船に救助された42名、独海軍のHe115水上偵察機に助けられた1名、合計43名のみが生還した。
  • 開戦時、英海軍が保有していた航空母艦は7隻*34だが、姉妹艦カレイジャスは開戦直後の9月17日にUボート「U29」の雷撃で撃沈され、グローリアスは2隻目の沈没となった。2隻の沈没はイギリス海軍首脳部に衝撃を与え*35、イラストリアス級航空母艦が竣工しだすまでイギリス海軍は厳しい空母運用をしていくことになる。
沈没の原因についての余話
  • 戦後当然であるがグローリアス沈没の経緯についてイギリス国内は紛糾した。敵の攻撃に対してきわめて脆弱な空母を、敵水上艦が活動しているかもしれない危険な海域で、わずか駆逐艦2隻の護衛のもとに航行させていて喪失させたことは大問題なのだが、当初英海軍は原因解明に消極的で責任追及をしようとしなかった。だが同僚の多くを失った艦隊航空隊(FAA)や乗員遺族から批判が起こり、下院議員のリチャード・ストークス*36が議会に取り上げることで問題が表面化した。
    • 議会では「なぜグローリアスは貧弱な護衛の下で単独で先行する事になったのか?」が争点となった。これに対して英海軍は「戦時中であり、このような軍機に属する事を公開できない」と突っぱねていたが、戦争も終わった1946年5月、ストークスによる長年の質問に対し当時の海軍政務次官はようやく一つの回答をした。だがその回答は「グローリアスは旧式艦であり航続距離が短く6月8日時点での年力が十分ではなかったのでまっすぐ英本土に帰還できるようヒューズ艦長が意見具申し、司令官はこれを許可した」というものであり、更に問題を大きくするものであった。
      • というのもグローリアスは5月31日に燃料を満載してスカパフローを出撃してノルウェーに向かっており、4月と5月の作戦行動では丸2週間無補給で活動しているが燃料が不足した事はなかった。31日以来、最後以外は常に行動を共にしていたアークロイヤルの燃料消費記録から見てもグローリアスが「燃料不足」に陥ったとは考えづらく、海軍のこの発表には当時の首相であるウィストン・チャーチルですら、自身の回想録で「この説明には納得できない」「グローリアスには船団と同行できるだけの燃料は十分あったはずだ」と述べている。
        だが海軍側は公式回答を変える事はなく、1952年及び1954年に刊行された公判戦史では「燃料不足」という説明がなされ、それが正史となっていた。
  • その状況を変えたのは1963年7月であった。公判戦史の作成にも関わったスティーヴン・ウェントワース・ロスキル中佐の元にグローリアス沈没時に戦死した空母航空団所属のポール・スレッサー少佐の未亡人からの手紙が届き、そこにはグローリアス沈没のくだりには誤りがあり、私はその証拠の文書を持っていると書いてあった。
    ロスキルとスレッサーは空母イーグルで共に勤務したことがある顔なじみであったので、彼は夫人と面会しその文書を見せてもらったところ驚愕の事実が判明した。
    • 実はグローリアスの当時の艦長ガイ・ドイリー=ヒューズ大佐と、グローリアスに所属する艦隊航空隊の将校たちとの関係は最悪で、ヒューズは着任直後から航空隊将校に敵意をもって接していた。元々潜水艦乗りであった彼は航空機の知識もなく*37スレッサーらの進言も聞く耳をもっていなかった。
      開戦後もグローリアスをまるで戦艦であるかのように運用し、アドミラル・グラーフ・シュペー捜索の際もわずか1隻の駆逐艦だけを護衛にして走り回り、遭遇戦に陥った際の危険を全く考えていない運用法には乗員からも不安の声が上がるほどだったという。
    • 1940年1月、新たにジョン・ベンジャミン・ヒース中佐が航空団司令として着任したが、経験豊富な航空士官であるヒースとヒューズ艦長は早速対立し、5月26日にその対立は一気に爆発した。
      夜半にナルヴィクの遠征軍司令部から「もし可能であるなら」と断りがついている独軍飛行場への攻撃要請を日ごろから航空団の作戦行動に「消極的だ」と批判していたヒューズ艦長は飛びつき出撃を命じた。だがグローリアスにはノルウェーの陸軍機を収容する必要があったため手持ちの艦載機は少なくソードフィッシュが5機しかなかった。また航続距離的にも行動範囲ギリギリだし、そもそもこの飛行場の位置すら正確には把握していなかった*38
    • 自殺行為でしかないと判断したヒースらは威力偵察程度で済ませる無難な攻撃計画に修正したのだが、これに対してヒューズ艦長が激高する。そしてしまいにはこれは航空団将校のサボタージュだと決めつけ、ヒースを解任し「敵前における怯懦」の罪で軍法会議に告発すると宣言したのである。
      ヒースは自室に軟禁され30日早朝にスカパフローに到着した際に艦を降ろされ正式な告発を待つこととなった。そしてグローリアスは補給を済ませて翌31日に出港し、そのまま帰ってくることはなかった。
      • その後ヒース中佐は告発者が死亡した事やヒューズ大佐から提出された予備的な告発状があまりにも悪口雑言に満ちていていたこともあり、1週間後には釈放された。その後西アフリカや東南アジアを転々としてオーストラリアのメルボルンで過ごしていた彼はスレッサー夫人と偶然再会し、告発を受けた際にまとめた自身やスレッサー少佐の書類を渡した。これがロスキルの元に届いたのであった。
  • 1973年、機密扱いを解除されたグローリアス沈没関連のファイルからグローリアスが先行する直前に発した発光信号の記録からグローリアスが「まもなく開催される軍法会議の準備のため、艦隊を離れて先にスカパフローに向かう」事の許可を求めていた事が判明する*39。また2003年には6月6日付の本国艦隊司令長官から本国宛の電報に、「グローリアスは事前の予定を変更し軍法会議開催のためスカパフローへ向かう」という一文がある事が新たに分かり、軍法会議については海軍上層部も把握していた事が判明する。
    • これにより、ヒューズ艦長が軍法会議を急ぐためにグローリアスを作戦から外して先行して帰還するよう進言した事、それを海軍上層部は許可していたことは周知の事実となった。だがロスキルらのこういった主張に対し、英海軍は公式見解を変える事はなく、それは今も続いている。

この艦娘についてのコメント

  • スロット配分も体型くらいメリハリが欲しいな -- 2025-10-31 (金) 18:20:06
    • 何気ない一言が阿賀野を傷付けた -- 2025-10-31 (金) 19:53:14
      • 阿賀野ねぇぐらいむっちりしてる方が健康的なのでセーフ -- 2025-11-02 (日) 01:18:25
    • 何だ、この見事なずん胴配置は? -- 2025-11-01 (土) 00:48:58
      • 俗にいう汚い種族値配分である -- 2025-11-01 (土) 01:29:02
  • Lv10って早いな ちとちよが軽空母になるより早いのか -- 2025-10-31 (金) 20:40:20
    • ちとちよは実は水上機母艦時代にガダルカナル戦に参加していたり、空母改装に着手される前は意外と水母としての実績もあるからなあ。 -- 2025-10-31 (金) 20:57:50
    • 改というより本当にちとちよ的な立ち位置だからこんなに改造早いのな -- 2025-10-31 (金) 23:01:49
  • 何ですかこの素晴らしい性能は。2-4バケツ周回にぴったりじゃないか! -- 2025-10-31 (金) 23:49:45
  • LV50で改への改造可能になりました。搭載数は18.18.12.12へ微増 -- 2025-11-01 (土) 04:39:11
    • え、Aquila未満って事ですかね、それって -- 2025-11-01 (土) 07:01:29
      • 改装に設計図や詳報何かを要求されなかったので更なる改装がありそうな気配は感じますね -- 2025-11-01 (土) 07:57:26
      • 初期の二段甲板空母(2段目は使ってない)だししゃーない -- 2025-11-01 (土) 09:04:19
  • 2-2赤疲労レベリングにちょうどいい搭載量だね。これならボーキ消費0で回せる。難点は他の消費が初期正規空母並みなところだね。 -- 2025-11-01 (土) 07:28:48
  • とても良いスロット配分。未改装ヴィクトリアスといい空母グローリアスといい改装初期の英空母は良いね -- 2025-11-01 (土) 09:46:21
    • わかる めちゃくちゃ好きなスロット配分だわ -- 2025-11-01 (土) 10:00:34
    • 英国艦は皆ステと消費が釣り合っててコスパ良なんだよね(大食漢Sheffieldから目を逸らしながら) -- 2025-11-01 (土) 17:21:38
  • 可憐だ…(たれ目気味なのすき -- 2025-11-01 (土) 13:46:33
    • (どっちのことだ…?) -- 2025-11-02 (日) 22:06:07
  • 戦闘開始時の艦載機飛ばしつつ水上艦にも指示出してる台詞かっこいい -- 2025-11-01 (土) 16:17:46
  • なんだその餅みてえな装甲は!いますぐ会いに行くからちょっと待ってろ! -- 2025-11-01 (土) 21:18:51
  • 増設電探が乗ると思い込んでてLV30になって増設開けてみたけど乗らなかった。もう一段階改造したら乗るようになるのかな。燃費考えてしばらくはこっちの方を使いたかったんだがなぁ -- 2025-11-01 (土) 22:46:14
    • どうやら改にも乗らないみたいだなあ…残念 -- 2025-11-01 (土) 23:09:48
      • 正空が必要な2-4バケツ以外だと、改はほぼ飛鷹型の下位性能だから、増設電探は重要なファクターなんだがな。本当に残念だ -- 2025-11-03 (月) 15:43:55
  • 水母から軽空母にクラスチェンジする艦がいるからこういうのもわかるが、変わりすぎやw -- 2025-11-02 (日) 05:52:33
  • どの形態で運用するか悩む子やな。とりあえずはこれで育成しとくかぁ -- 2025-11-02 (日) 14:28:46
  • そういえば唯一の多段空母での実装なのに特にグラフィックに反映されてないの残念やな不便そうにしてて欲しかった -- 2025-11-03 (月) 11:02:54
  • これは将来的に信濃が実装されたら「装甲空母」⇔「改大和型超弩級戦艦」へのコンバートが可能になるのかな? -- 2025-11-06 (木) 15:48:54
  • まだ先の話だけど戦艦と空母をコンバートで行き来するのは現実的じゃないよね。 両方使いたいなら2隻目の入手を待つしかないかな。 -- 2025-11-06 (木) 17:39:12
    • 鋼材や弾薬を4桁もっていかれるのは覚悟したほうがいいね -- 2025-11-07 (金) 16:18:50
  • それにしても史実がひでえ…… -- 2025-11-13 (木) 20:25:59
  • 火力26→23でした -- 2025-11-17 (月) 15:47:22
  • 史実の接敵してしまった要因と現代にいたるまで非公式化している英海軍がクソやなぁ。。。 -- 2025-11-17 (月) 22:15:18
    • チャーチル(因みにWW1の時は海軍大臣を務めてるほどの政治家でもある)すら「違うやろ」って突っ込んでるのに認めない大英帝国海軍(;'∀') -- 2025-11-19 (水) 11:20:26
  • あまり好きなスロ配置ではないが可愛いし声がいい。シェフィのような籾籾したくなる装甲も -- 2025-11-23 (日) 17:00:52
  • 育成する時この段階は飛ばしちゃったほうが良いかもなあ。戦艦のまま50まで上げて一気に改にする 燃費安くても周回に使いたい性能でもない -- 2025-11-25 (火) 06:52:58
    • 育成の仕方にもよるかな。演習メインならこれのまま制空役に入れとけば良いし、ウィークリーついでならこの形態でも3-3や4-4はいける。戦果稼ぎに3-4とかには向いてない。 -- 2025-11-25 (火) 07:39:25
  • 慢心で沈んだのか -- 2025-12-03 (水) 19:48:26
    • 自コメだけど慢心じゃないのか。 沈没の原因についての余話を見ると…なんか日本でもこんなことあったような -- 2025-12-03 (水) 19:52:06
      • どこの国でも末端の言う事など切り捨てられるってことだ。 -- 2025-12-06 (土) 14:02:57
  • 中破するとすごい目で見てくるよね…(ビクンビクン) -- 2025-12-05 (金) 21:04:58
  • なんとなく少年マンガのキャラっぽい。タレ目かわいい。艦これで他にタレ目キャラっていたっけ?朝日? -- 2025-12-06 (土) 23:26:20
  • >実は後年の航空母艦と染色ない構造となっている 染色しちゃダメー!遜色ね -- 2025-12-17 (水) 19:14:30

提案意見掲示板からのお知らせ

  • ドロップ祈願や海域攻略祈願のために、wiki内神社というページが設置されました!ぜひご利用ください。

  • 建造成果の報告は建造レシピ内にあるコメント欄に、
    ドロップ報告に関しては出撃ドロップ内にあるコメント欄にて行なっていただけると幸いです。

*1 資材の消費だけで、艦種をいつでも変更可能
*2 CVやイラストレーター加筆時は、必ずCV・イラストレーター/テーブル/出典_艦娘に出典を記載して下さい
*3 母港ボイスは各艦娘につき3つ割り当てられています。「詳細」ボイスは編成画面の「詳細」ボタンをクリックすることで聞くことが出来るボイスです。母港画面でも聞くことが出来ます。「母港3」ボイスは「母港画面でのクリック」もしくは「母港画面への遷移」でのみ聞くことが出来る、いわゆる「提督お触りボイス」です。編成画面での「詳細」ボタンでは聞くことが出来ません
*4 4つの基本ボイス(昼戦開始・昼戦攻撃・夜戦開始・夜戦攻撃)がありますが、各ボイスはその他の色々な場面でも使われます。各ボイスをどのフェーズ(航空戦/開幕雷撃/先制対潜/昼戦攻撃/各種CI...など)に割り当てるかは艦娘によって異なり、例えば開戦ボイスを攻撃でも使ったり、夜戦攻撃ボイスを昼戦でも使ったりします)
*5 「小破」ボイスの2つ目と戦闘撤退時の「旗艦大破」ボイスは共用化されています
*6 「小破」ボイスの2つ目と戦闘撤退時の「旗艦大破」ボイスは共用化されています
*7 装備ボイスは3ボイスありますが、改修/改造ボイスと共用化されています。また、ボイス3は「改修/改造」「開発」「バケツによる即時修復」「遠征出撃」「アイテム発見」ボイスと共用化されています
*8 アイアン・デューク、ベンボウ、エンペラーオブインディア、マールバラ
*9 クイーン・エリザベス級
*10 クイーン・エリザベス、ウォースパイト、バーラム、ヴァリアント、マレーヤ
*11 リヴェンジ級
*12 リヴェンジ、レゾリューション、ラミリーズ、ロイヤル・サブリン、ロイヤル・オーク
*13 レナウン、レパルス
*14 ネルソン級の追加のため保有が認められていたオライオン級戦艦サンダラー及びキング・ジョージ5世級(第二次世界大戦で活躍したキング・ジョージ5世級の前級にあたる艦)のキング・ジョージ5世、センチュリオン、エイジャックスの4隻がネルソン級完成と引き換えに廃棄する事になる
*15 アメリカは巡洋戦艦として建造していたレキシントンサラトガ、日本の赤城、天城(関東大震災で損傷したため改装は加賀に変更)
*16 加賀は全通飛行甲板化に伴いこの傾斜は修正されたが、赤城に関しては艦橋付近をてっぺんに艦首尾方向へ緩い傾斜をもたせている。また艦尾の傾斜に関しては三段空母時代より緩くする措置をとっているが、予算の都合で甲板を張り替えるのではなく「傾斜している従来の飛行甲板の上に新たな飛行甲板を張り付けて傾斜を修正」という措置がとられている
*17 この時点で竣工しているアーガスで14-15機、準姉妹艦のフューリアスで27機、またグローリアス改装中に竣役したハーミースは19機程、イーグルで20機前後である
*18 そのため艦尾にあった水上機用の出入り口を封鎖して艦尾甲板をかさ上げし、そこに支柱を設けて飛行甲板を延長している
*19 新造時の瑞鳳で飛行甲板の長さは180mなので、グローリアス級航空母艦の飛行甲板は日本の小型空母のそれと同程度の長さしかない
*20 航空母艦への改装時には舷側装甲は修正されず、バルジを追加した際にその内側に38mm装甲が追加されたのみ、甲板防御は38mmから52mm装甲へとやや強化されたににとどまった。
*21 因みに同じ英海軍のアーク・ロイヤルで舷側装甲は114㎜(水線部)、アメリカのヨークタウン級で64㎜~102㎜
*22 この時点でおよそ25,000人の兵士がノルウェーに展開していた
*23 防空巡洋艦コヴェントリー、軽巡洋艦サウサンプトン
*24 元巡洋艦ヴィンディクティブ
*25 グローリアス、アークロイヤル
*26 ヴァリアント
*27 輸送船6隻と間接掩護部隊の駆逐艦5隻
*28 輸送船8隻とボイル大将指揮の巡洋艦2隻、駆逐艦10隻
*29 アーデント、アカスタ
*30 元々マルシャルは敵情不明な中で港湾に突入する事に疑念と不満をもっていたという
*31 実際16時58分から17時20分ごろまで独艦隊は砲撃を中止している
*32 これはシャルンホルストが中破していた事と、グローリアスが救援要請をしていたことを無線傍受で把握しており、おっつけ敵の救援部隊が来るだろうから、損傷している仲間と共に海域に居残るのは危険と判断したという理由もある
*33 実は計3度打電された救援要請は英部隊のどれもが傍受していなかった
*34 アークロイヤル、フューリアス、カレイジャス、グローリアス、ハーミーズ、イーグル、アーガス
*35 というのも、残りの空母のうちハーミーズとアーガスは空母として運用するには性能的に限界が来ており、実質的には前線で運用できる空母はアークロイヤル、フューリアス、イーグルの3隻のみとなってしまったからである
*36 自身の選挙区に技師者が多く出ており、その遺族からの陳情を受けていた
*37 訓練で目標から200ヤードの地点まで接近せず魚雷を投下した搭乗員に「臆病だ」と罵倒したが、そもそも200ヤードまで接近すると安全装置が解除される前に命中する危険があり、常識的にはそこまで接近することなどないのだが、ヒューズは理解しようとすらしなかった
*38 モーシェーンの町の付近としか把握していなかった
*39 当時護衛についていた駆逐艦ダイアナの艦長がグローリアスから出された発光信号を目撃し、信号員に読み取らせてその内容を記録していた