塗装方法
塗装するための手段です。
筆塗りと、吹きつけ塗装があります。
『エアブラシ』
詳細
エアブラシという専用の機械を用いて塗装する方法です。この方法は最もムラなくきれいにできます。
ただし、機材が高額な他、周りに飛び散るので大きいシートを敷いたり、屋外で作業する必要があります。
導入時のコストは高額ですが、反面ランニングコストはとても安く、薄く塗料を吹くために、上手く吹けば筆塗りより塗料の消費量が抑えられます。
また缶スプレーと違い、低圧で細吹きも出来ますので、意外と入り組んだところにも塗料が乗ります。
缶スプレーを数十本買うならば、エアブラシも検討してみましょう。
(主に大都市ですが)模型製作スペースのレンタルをしている所もあり、そこでエアブラシを体験することが出来ます(基本有料)。
スタッフの方が使い方を教えてくれますので、一度試してみてから買うかどうかを判断しても良いでしょう。
『缶スプレー』
詳細
塗料入りの缶スプレーで吹き付けて塗装する方法です。
これもムラを少なくできるだけでなく、エアブラシに比べて初期導入コストを安く済ませることができます。
塗装のコツしては、まず缶スプレーを1分以上振って、塗料と溶剤ならびにガスをよく攪拌させます。
一度に全てを塗ろうとせず、全体を軽く噴射して塗料を薄く乗せて少し乾かしたあとに、本格的に噴霧することです。最初に軽く塗装することで、模型の表面に凹凸が出来て塗料が乗りやすくなるうえ、塗料垂れしにくくなります。
その後は、縦方向と横方向など、様々な角度にサッと吹きかけることで均一に塗料が乗ります。
最近、ガイアノーツから「イージーペインター」というスプレー器具が発売されました。
缶スプレーに無い色の瓶入り塗料もスプレーできるので、エアブラシを持ってない人は試してみるのも良いでしょう。
デメリット
広範囲に噴射するため、入り組んだ場所に色が乗りにくく、細かい部分を塗装しようと固執するあまりに厚塗りになりがちです。
広い面積は缶スプレーを使い、入り組んだ場所は筆塗りにするというのも手です。
また、長時間吹き続けると、缶とガスが冷却されてガス圧が下がります。
そうなるとガスだけが抜けて塗料の噴射量が減るうえ、塗料が垂れて手元が汚れたり、塊状になって飛び散りやすくなります。
冬場は缶そのものが冷えて噴射しにくくなるため、40℃程度のぬるま湯に浸けて缶を温める必要があります。
缶を温める際、絶対に60℃以上の熱湯に浸けないこと!ガス圧が高まり過ぎて缶が破裂する危険があります!
エアブラシは初期導入コストが高いものの、長年に渡って模型製作すると、結果的に缶スプレーの方がコスト高になります。
自宅や近所の事情でエアブラシを導入できないならともかく、艦船模型作りを長く続けるつもりなら、思い切ってエアブラシを導入するのもアリでしょう。
また、エアブラシと同様に塗料が細かく飛散するため、周囲の物を汚さないように対策が必要です。
そして、塗料を吸い込まないように防護マスクやゴーグルを装着するなどの注意が必要です。
室内で使う場合は塗装ブースを設置するか、それが無理なら室外で塗装しましょう。
『筆塗り』
詳細
筆塗りは最もポピュラーな方法です。
低出費で済み、換気をしっかりすれば屋内での作業も可能です。また、水性の物を用いれば、塗料が乾ききる前なら筆は水洗いで済ませられます。
ただし、ムラが出やすく、綺麗に塗装するのはなかなか大変です。
筆で薄く伸ばし、乾燥したら塗り重ねるのを2・3回繰り返すのが、綺麗に塗るコツです。
塗り重ねる時に前回塗りの筆方向に対して45~90度向きを変えると塗り斑を減らしやすいです。
なお塗料は(アクリルラッカー系は特に)原液のままだと塗りにくく塗りムラの原因にもなりやすいので、基本的に専用の溶剤で薄めてから塗るようにしましょう。
追記:
水溶きアクリル塗装という技法があり手軽にかつ低コストで塗装が出来るので、初心者のみならず住宅事情でラッカー系塗料が使えない方にもお勧めです。
簡潔に説明すると、タミヤアクリルを20%程度の水で薄めたものを薄く筆で塗り、ドライヤーで乾かしてから重ね塗りしていく技法となっています。塗膜が薄いため重ね塗りも容易です。
具体的な技法は、写真付きで紹介されているサイトがありますのでそちらを参考に。
戦車模型の塗装で紹介されているサイトが多いですが、艦船模型も同様の方法で塗装できますのでご安心を。