練習ページ/33

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タフィ3 S・B・ロバーツの戦闘

1944年10月25日(水曜日)
6:24
日の出 天候はスコール雲が散在し、視程は4~7マイルで変動、風は北北東 3~5ノット 海況は穏やかであった。
タフィ3はフォーメーション5(輪形陣)を形成。9時~11方向のセクターがサミュエル・B・ロバーツの担当であった。

6:30
旗艦ファンショー・ベイのスプレイグ少将より 艦隊内通信(ТBS)にて全艦へ通常直(コンディション3)の信号が発信される。

6:35
早朝、護衛空母セント・ローから発艦した対潜警戒中のTBM(CV65混成飛行隊)がタフィ3の北方40マイル付近の
艦隊と接触。 続いて複数方面からの接触報告、日本側の音声無線通信の受信が報告される。
司令官スプレイグ少将は、現時点では発見された艦隊を味方の第3艦隊と認識していた。
タフィー3の進路はほぼ真北の355°。 北方の艦隊は南下を続けており、両艦隊の接近は続く。

6:44
(日本側 第一戦隊の大和が左舷60° 距離37㌔の水平線上に複数艦艇のマストを視認。)

6:45
護衛空母ガンビア・ベイのレーダーが北方23マイルの大規模な水上目標群を捕捉。

6:50
駆逐艦デニスが左舷側水平線に対空砲火と思われる閃光を視認
駆逐艦ジョンストンより全艦へ敵艦隊接近の警報。 同艦は煙幕展張を開始。全艦戦闘配置。

6:51~6:57
タフィ3、フォーメーション5を維持し針路90゜(東)へ転針 
護衛空母各艦が艦載機の発艦を開始 
サミュエル・B・ロバーツの指揮所ではコープランド艦長が乗組員に対し、艦の最高速度を要請した。
タフィ3各艦も全速航進を開始。 
司令官スプレイグ少将よりタフィ2宛、非暗号化通話での救援要請。(タフィ2は南東約25マイルに展開中)  

6:58
(日本側 戦艦が主砲の発射を開始)
タフィ3のフォーメーション内に大口径砲弾の着弾、駆逐艦ジョンストン、サミュエル・B・ロバーツも着色された水柱に包まれた。
TBS: JUGGERNAUT(SAMUEL B ROBERTS) to Taffy3
 『WE HAVE SPLASHES FALLING ASTERN OF US. WE ARE UNDER FIRE BY ENEMY FLEET. FULL SPEED AHEAD.』
 (水柱に包まれてる、砲撃を受けている、前進全速せよ)

7:00~7:10
各護衛駆逐艦・駆逐艦が煙幕の展張を開始。
先行する日本側の重巡洋艦は10マイル付近まで接近。
タフィ3の護衛空母群は18.1、14、8インチの主砲射程内に捕捉され、深刻な状況となった。
護衛空母ホワイト・プレーン(CVE-66)は被弾により一時的に電力・操舵を喪失する。

7:10~7:16
タフィ3の護衛空母群は前方のスコールの中にへ突入。護衛空母も各艦で煙幕を展張。
残余の艦載機の発艦が継続された。
風下側から追撃する日本艦隊の射撃精度は急速に低下した。 
駆逐艦ジョンストンが北西から接近する重巡洋艦に対応する為、輪形陣を離脱。

(日本側 第7戦隊・第5戦隊、高速戦艦金剛が護衛空母群の北東へ回り込みつつあった。第二水雷戦隊・第十戦隊は西方から、
 大和・長門はほぼ北方から包囲追撃する形となっていた。)

7:16~7:27 (最初の魚雷攻撃)
司令官スプレイグ少将は3隻の駆逐艦、ジョンストン、ヘルマン、ホーエルに魚雷攻撃を要請。
駆逐艦ジョンストンとホエールは金剛、熊野に対し魚雷攻撃を実行。熊野に損傷を与えるが、日本側の砲撃で重大な損傷を受けた。
幸運にも再び強烈なスコールが通過し、両駆逐艦は南方へ退避。
護衛空母群は艦載機の発艦を完了し、南南西110°への転針を開始。

7:30~   
後着した駆逐艦ヘルマンが魚雷攻撃の態勢に入る。
サミュエル・B・ロバーツは護衛隊指揮官との短い協議の後、ヘルマンに続航。他の護衛駆逐艦もこれに続いた。
JUGGERNAUT(SAMUEL B ROBERTS) to DE DENNIS CDR Thomas
「The Little Wolves will join up for secondattack....」
(小さな狼達(護衛駆逐艦)は第二波の攻撃に参加する)
LCDR Copeland(Commander of SAMUEL B ROBERTS)to cheef engineer
『We stated on the torpedoattack. .....becouse there's all hell being...so don't worry about it.』
(我々は魚雷攻撃を開始する、発射したら全速を指示するが、ギアやボイラーは心配するな。なにせ此処が地獄なんだから。
 幸い、まだ損傷はしていない。)
LCDR Copeland(Commander of SAMUEL B ROBERTS)
『My GoD, how are we going to work this?』
(なんてこった、(雷撃戦なんて)どうやったらいいんだ)

  • 護衛駆逐艦は戦隊としての魚雷攻撃を想定しておらず、訓練も行っていなかった。

7:50~8:47  (第2の魚雷攻撃)
駆逐艦ヘルマンと護衛駆逐艦サミュエル・B・ロバーツ、デニス、レイモンドは損傷した駆逐艦ホーエルと合流。
羽黒、鳥海、利根そして榛名に向け各艦合計24本の魚雷を距離10000ヤード前後で発射する。
彼女らは、東からの重巡4隻 北からの戦艦4隻の有効射程内にあり、西方からは水雷戦隊が急速に接近していた。
日本艦艇の主砲の多くは遁走する護衛空母群に向けられていたが、大和の15センチ副砲や重巡の8インチ砲弾が護衛駆逐艦の
頭上を飛び交った。
サミュエル・B・ロバーツは鳥海の砲撃で破壊されたマストが落下し、唯一の魚雷発射管が機能しなくなったが、復旧に成功。
彼女の3つの魚雷を鳥海に向けて発射し、反転離脱に成功する。
推進限界を無視して運転された機関の蒸気圧は設計最大値の440ポンドを超えた670ポンドまで上昇。
軸回転数は同420を超えて477まで上昇した。 速度は28.5ノットを記録したという。

彼女の2基の5インチ砲塔もまた最高速度で発砲を続けていた。
主として筑摩に向けて発射された砲弾には通常弾の他、VT弾頭弾 星弾まで含まれていた。
発砲を停止するまでの35分間で合計608発が発射された。(大半はMK18またはMK32信管の対空弾頭と推定される)
   -後部砲塔では戦闘中のある時点から揚弾薬装置が機能を喪失。手動での装填作業を実施していたとされている。
   手動での装薬装填は一部の安全機構のバイパスを要する危険な作業であり、本戦闘中にも粉体装薬の早期爆発事故
   を惹起している。 この爆発事故で砲塔の要員すべてが負傷、または死亡した。
   負傷者の1名 ポール・ヘンリー・カー兵曹は艦を放棄する命令が出た後も艦上で戦闘を継続した1名であり、装填
   作業中に死亡したと思われる姿で発見された。(退艦命令前に死亡していた可能性も有)

8:47?
サミュエル・B・ロバーツは重巡からの無数の反撃を受けながらも、依然として護衛空母群と日本艦隊の間で煙幕を展張して
いた。 突如、艦後方に14インチ砲弾の水柱が林立する。コープランド艦長は「機関後進全速」を命令。急減速した艦の前
方に次の14インチ砲弾が着弾。(金剛からの斉射と推定) 

8:51
続いて「機関前進全速」のベルが鳴り、彼女が十分な速度を得る前に、重巡からの8インチ徹甲弾3発が艦体を直撃。
その中の1発は1番缶室の主蒸気ラインを破裂させる。 最大速度は17ノットに低下。

9:00
サミュエル・B・ロバーツに被弾が続く
1番機関室が被弾し機能を停止。
8インチまたは14インチ砲弾により、40mm連装砲が管制装置ごと跡形もなく吹き飛ばされる。
14インチ砲弾(金剛)により水線近くに10メートル近い裂け目が発生。
燃料タンクが破損し、火災が発生。機関停止によりすべての電力を喪失。

彼女へ接近する魚雷の航跡が視認されたが、今や身動きができない。
しかし、魚雷は彼女のキールの下を無害に通過した。

9:10
コープランド艦長は両方の5インチ砲の動作不能・通信機能の喪失・機関全壊を確認
サミュエル・B・ロバーツの乗員に退艦命令。

9:20
サミュエル・B・ロバーツの発砲が停止(機関砲?)

9:30
最後の乗員が退艦する

10:07
沈没