練習ページ/1015/sub_組み立てや塗装に必要な道具

Cached: 2025-07-21 08:24:51 Last-modified: 2025-07-20 (日) 13:31:14

組み立てや塗装に必要な道具

プラモを組み立てるには、相応の道具が必要です。
パーツを手でもぎ取ってはいけませんよ。
マストとか折れちゃいますので。

『接着剤』

詳細

詳細
昔のプラモデルには接着剤が入っている物もありましたが、今はすべて別売りです。
組み立てには主にプラモデル用接着剤を使用します。
タミヤセメントが代表的な物で、プラ同士を溶解し、強力に接着します。
とりあえず、通常タイプのタミヤセメント(白い蓋の物)があれば必要十分でしょう。
緑の蓋の物はさらさらとした流し込みタイプの接着剤で、どちらかと言えば上級者向けの製品ですが、適度に使用すれば綺麗な仕上がりが期待できます。
また、多くのウォーターラインモデルには金属のオモリが付属しており、これを接着するために瞬間接着剤も用意しておくと便利です。
仮止め後に位置修正が必要なもの(ボートや飛行甲板の支柱など)には、ゼリー状接着剤が便利です。

(Tips)
最近プラモデルにも増えてきた異素材。マスト部品のABS(強化プラスチック)が有名ですが、実はABSは通常のプラモデル用の接着剤では接着できません。
専用の「ABS接着剤」が必要になりますが、困ったのがプラとABSの接着の時。そんな時はGSIクレオスの「Mr.セメント」がおすすめ。
S、SP、SPBいずれの接着剤もプラもABSもまとめて接着できます。乾燥時間も早いので流し込み接着剤の使い方をマスターできれば強力な味方になるでしょう。

『ニッパー』

詳細

詳細
ランナー(枠)から、部品を切り出すのに使用します。
あまり安い物を使うと上手く切り離せなかったり、部品を壊してしまうことがあります。
全国で入手しやすく、使い勝手の良いタミヤの薄刃ニッパー (ゲートカット用)がオススメです。

『ピンセット』

詳細

詳細
細かな部品の多い艦船模型では必需品といえる重要な道具です。
先が細く、堅い板で作られ、しならない物が最適です(先端がしなると、掴んだ瞬間、部品が明後日の方向へ飛んでいき、その多くが帰ってきません)。
こちらも、タミヤの精密ピンセットをオススメします。
先端がストレートタイプとツル首タイプの物があります。
ストレートタイプの物は落とすと足に刺さりやすいので注意しましょう。
ツル首タイプは奥まった場所に届きやすく、どちらかというとツル首タイプの方が艦船模型向きです。

『カッターナイフ/デザインナイフ』

詳細

詳細
カッターナイフは、誰でも一回は使ったことがあると思います。
軍艦旗などの切り出しや、ゲートの処理などに使用します。
デザインナイフというのはペンシルタイプの柄に交換式の刃が付いた道具になります。
カッターナイフより細かい作業向きで、刃が固定されているため力がかけやすく、一本あると便利ですが、カッターナイフだけでもだいたいの作業は出来ます。
どこの製品でも品質的にはあまり差がありませんが、切れ味が悪くなったらマメに刃を折ったり交換したりして、常に新しく、切れ味の良い刃先で作業するようにしましょう。
切れ味の悪くなった刃は、ケガの元です。

なおデザインナイフの刃は非常に鋭く、軽く当たるだけでも皮膚など簡単に切れてしまいます。
切断部分との引っかかりが外れた勢いで指などに当たってしまうと容易に(最悪、骨に当たるほどの)深い傷になってしまいます。
新しい刃なら切り目が綺麗なので治りは速いですが、出血量が多くなりやすいので負傷時は迅速な止血をしましょう。
切りにくい部分や大まかな形の切断は出来る限りニッパーを使用し、使わないときは刃を外したりカバーを着けるなどし落ちやすい場所に置かない等、安全を第一に作業することをとくに心がけてください。

『ヤスリ』

詳細

詳細
ヤスリは、部品のゲート(枠と部品とをつなぐ湯口。不要部分)の処理などに使います。
いろいろ種類や形がありますが、艦船模型では主に精密ヤスリを使用します。
形は、平が一本あればとりあえず不足はしないと思います。

以下の紙ヤスリを細かく切り出して割り箸等に貼り付けた簡易なヤスリでも代用可能です。
目の細かさを自由に選択出来る紙ヤスリの方が、作業が捗るという事もあります。

『サンドペーパー』

詳細

詳細
サンドペーパー(紙ヤスリ)は紙状のヤスリで、部品の表面の細かい凹凸や、曲面の表面などを均すのに便利です。
プラモデル用には水を付けて使用する耐水ペーパーが、目詰まりが少なく使い勝手が良いです。
適度な大きさに切り出し、削れなくなったら新しい物を使います。
紙ヤスリには番手(番号)があり、数字が大きくなるほど目が細かくなります。
艦船模型では荒削りに400番~600番 仕上げに1000番~1500番程度の物を揃えておくと十分です。

ホームセンターでA4サイズほどの大きな物が一枚十数円で入手出来るほか、模型店では複数枚の番手がセットになったタミヤのフィニッシングペーパーなどが売られています。

『ピンバイス/ドリル刃』

詳細

詳細
穴を開ける為の専用の道具です。
ピンバイスに各種径のドリル刃を挟み、任意の大きさの穴を開けます。
1/700では、0.2mmから1.0mmまで使用できる小型の精密ピンバイスを。
1/350ではさらに大きなドリル刃を使用できるピンバイスがあると便利です。
ドリル刃はバラ売りもありますが、各種サイズがセットになった物があり、バラ売りを買いそろえるよりお得です。
0.5mm~1.0mm程度まで、0.1mm単位で揃えておくと不足はないでしょう。これより大きな径が必要になれば、その都度買い足せば良いと思います。
あまり使用機会は無いと思いますが、0.4mm以下のものは非常に折れやすいので注意してください。

『筆』

詳細

詳細
筆塗り塗装に使用します。
艦船模型では平筆と面相筆があると便利です。
平筆は広い面積を塗るのに適します。穂先が5mm~10mm程度の幅の物が使いやすいと思います。
面相筆は細かな部分に使います。機銃や煙突の塗り分けに便利です。
穂先の太さが直径1mm程度で、穂先の整っている物を使いましょう。

それぞれ、タミヤなら平筆No.2 面相筆No.0 といったところでしょうか。
筆、特に面相筆は、安物は買わないようにしてください。安物は、塗ってる最中によく毛が抜け落ちます。

『塗料』

詳細

詳細
各種塗料の詳しい説明は該当項目を見ていただくとして、ここでは割愛します。
各社から様々な専用色も発売されて目移りしてしまいますが、基本的には、キットの説明にある塗り分け指示に従えば問題ありません。

初めての製作では、白・黒・軍艦色(工廠色)・リノリウム色・艦底色の5色があれば取りあえず問題ないでしょう。
白と黒は、ミリタリー系プラモではつや消しを選べばとりあえず問題ありません。
混色でも出番が多いですが、光沢色に混ぜる時は白黒もつや有りにしたほうが良いでしょう。
リノリウム部分の色ですが、クレオスのウッドブラウンはピカピカの光沢仕上げ、タミヤのリノリウム色はつや消し仕上げです。
お好みの方を選んでください。*1

大型艦の場合、更に艦上機や水偵、木甲板を塗る必要があるので、追加でもう少し色数が必要です。
艦載機は、零戦のプラモ等でお馴染みの暗緑色灰白色(海軍機下面色)で塗装します。
操縦席の風防はだったり空色だったり、見栄えの良さそうな色を好みで選んでください。
特にこだわる人は、主翼前縁に黄色の識別帯を塗り、空母搭載機なら各戦隊ごとの識別帯を付けちゃったりもしますが……無理してそこまでしなくても大丈夫です。
木甲板は上述のリノリウム同様、クレオスのライトブラウン(タン)が光沢色、タミヤの木甲板色がつや消しです。
どの艦にも付いている小型ボート類の床もこの色なので、駆逐艦等を作る際にも、カッターの内部をこれで塗り分けるとちょっと違って見えます。
ついでに空母の場合、着艦標識(艦尾の紅白部分)や飛行甲板上の白線の為に、明るい赤と白を一緒に用意した方が良いかもしれません。
大抵デカールが付いてますが、念のために……。

『塗料薄め液』

詳細

詳細
水性アクリル・親水性カラーアクリジョン・ラッカー系・エナメル系にはそれぞれ専用の溶剤(薄め液)があります。
塗料を薄めて調整する以外に、筆の汚れを落としたり、間違って塗った部分を落としたりと、何かと重宝します。
水性ホビーカラーは水でもOKと謳っていますが、やっぱり薄め液があると便利と感じることがあるので、
一本買っておくと良いかもしれません。
タミヤカラー(アクリル)も水で薄めることが可能で、実際に「水溶きアクリル」という手法で戦車模型などの塗装をされている方もいます。
道具類も完全に乾燥する前であれば水で洗えますが、乾燥後は専用の溶剤が必要になるので買っておきましょう。
アクリジョンは水性と謳っていますが、専用の薄め液がないと希釈できない(筆洗いは乾燥前なら可)ので、薄め液は必須です。

それ以外のラッカー・エナメルは薄め液が必須です。

ちなみに、水性塗料にラッカー用薄め液を混ぜると乾きが早く、しかも塗膜が頑丈になると紹介されることがありますが……
ラッカー塗料並に匂いが強烈になります。それが我慢できるなら最初からラッカー系を使えば良いだけなので、
お勧めはしません。

『マスキングテープ』

詳細

詳細
塗装で塗り分ける部分がある場合に使用します。塗装には必要不可欠です。
艦船模型では、主に木甲板やリノリウム張り甲板と軍艦色の塗り分けに、また船体と艦底色の塗り分けと、使用範囲は広いです。
また、粘着力が弱い事から仮組みにも使えます。
塗料の付いて欲しくない範囲をマスキングテープで覆って使いますが、テープを貼った面が浮き上がらないように貼るのがコツです。
隙間が空くと、そこから塗料が侵入してしまい、塗り分け線が乱れる原因になります。

船体など、曲面や凹凸の多い面に貼る場合は、まず1mm幅くらいでテープを細長く切り出し、きっちりと密着させた後に幅の広いテープで残りの部分を覆うと綺麗に貼れます。
甲板など複雑に入り組んだ部分は、1mm×1mm程度の小片を沢山切り出し、パッチワークの要領で貼っていきます。

マスキングテープも色々発売されていますが、タミヤ製かホームセンター等で売っているスリーエムジャパン(旧・住友スリーエム)製243J Plus(タミヤ製とほぼ同品質なのに1巻辺り100円以下)などをオススメします。
端に糊がはみ出ている事もありますので、太めの物を購入して必要な幅に切り出して使いましょう。全てがそうとは言いませんが、一手間掛けてあげるとより綺麗に仕上がります。

また、マスキングゾルという液状のマスキング材がありますが、どちらかというと特性を理解している上級者向きの素材になります。

『調色スティック』

詳細

詳細
塗装時にあると便利です。
ビン入り塗料は顔料が分離しているので、これでよくかき混ぜて使用します。
筆でかき混ぜると穂先が傷んでしまい、綺麗な塗装面を得ることが難しくなりますので避けましょう。
他に割り箸や爪楊枝などで代用できますが、やはり専用の物は使い勝手が良いです。
お金をかけないのならキットのランナー(パーツ以外の枠)の真っ直ぐな部分を切り取って使う手もあります。

百円均一ショップにて発売されているミルクホイッパー(コーヒーなどのミルクを泡立てる物)のスプリング部分を外してやるとほとんどのメーカーの瓶の口に入る大きさになります。
特殊色である系統の色を混ぜる際には非常に便利ですのでオススメします。

他に攪拌用メタルボールと云ったものもあり、塗料瓶に入れて軽く振ることで攪拌が可能です。

『パテ』

詳細

詳細
キットをストレートで組めるようになったら、次はパテも使ってみましょう。
パテはパーツのヒケ(成型時に出来るくぼみ)や、パーツの隙間を埋めるのに使用します。
爪楊枝などで少量ずつ塗り込み、乾燥後にサンドペーパーなどで余分な部分を削ります。
様々な素材のパテがありますが、まずはベーシックなラッカーパテが良いでしょう。
入手性の良さと使い勝手で、タミヤパテをオススメします。

また、余り大きなくぼみには向かないのですが、溶きパテ(瓶入りサフェイサー)という物もあり、
これを筆で塗ることで、より小さな隙間を確実に埋めることも可能です。
(ただし、筆洗いにアクリルラッカー薄め液が必要になります。)

『マークソフター/マークセッター』

詳細

詳細
キットによっては、デカールと呼ばれる薄いシールが付属していることがあります。
切りだしたあと水に浮かべて糊を溶かし、指定場所に貼る物で、薄く柔軟性のあるフィルムである程度の凹凸にも馴染むという特徴があります。
反面普通のシールよりは若干扱いづらく、凹凸があるのに浮いてしまった、だとか、作業している間に糊がほとんど無くなって定着しない、という事もあり得ます。

そこであると便利なのがクレオスのMr.マークソフターとMr.マークセッターです。

マークソフターは凹凸に馴染まない場合にデカールを軟化させて密着させる物。
マークセッターはデカールを軟化させると共に、糊の成分を補強する物です。
ただし、マークソフターを塗るとデカールが軟化されると同時に破れやすくなるので、取扱いには注意してください。

他にも各社から似たような物が発売されていますが、デカールを痛める可能性もあるので使いすぎには注意しましょう。


*1 使い込まれてザラついたつや消しになったリノリウム甲板も、手入れが行き届いて上部構造が若干映り込むほどピカピカのリノリウム甲板も、両方とも写真が存在します。