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塗料について

プラモデルに塗装するための塗料です。
模型用には、国内外から多数の塗料が発売されています。
模型用は大きく分けてアクリルラッカー系、水性系、エナメル系の3種類に分類されます。
なお、模型用以外では絵画用の絵具なども使用できますが、ここでは触れません。

『アクリルラッカー塗料』

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プラモデル製作において最も一般的な塗料です。
他2種に比べて乾燥が早く、発色も(悪いのは著しく悪いが)良く、特殊色が多い点がメリット。
GSIクレオスの「Mr.カラー」や、ガイアノーツ「ガイアカラー」、艦船模型にはピットロードの艦船カラーシリーズもあります。また2017年にタミヤから「タミヤカラー ラッカー塗料」が発売されました。
エアブラシによる吹きつけ塗装が一般的ですが、リターダーを添付することで筆ムラを抑えることも可能なうえ、
タミヤ製を除くすべてのキットの説明書にはMr.カラーの塗料番号が記載されているので塗料選びも楽です。
ただしシンナー臭が酷く、筆洗いには専用の溶剤が必要です。
海外では有機溶剤類の規制が厳しいため、後述の塗料が主流なので指定色で塗りたい場合には重ね塗り等で注意が必要です。
スプレー塗料はほぼこの塗料です。
使用する場合は、必ず換気を行ってください。

『水性・アクリル塗料』

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タミヤのアクリル塗料、GSIクレオスの「水性ホビーカラー」海外メーカー製のファレホなどがこれにあたります。
シンナー臭が少なく、筆も水洗いが可能です。タミヤアクリル及び水性ホビーカラーは10~20%程度なら水で薄めることもできます。
(ただし、あくまで専用の溶剤で薄めるのが基本です。水で薄めすぎると、プラスチックに定着しません。)
乾燥時間がラッカーに比べて長めで、特に厚塗りをすると表面は乾いても内部が乾かないなど、エナメルより乾きにくい場合もあるので注意が必要です。
塗装時は薄く塗り、先に塗った場所が乾いてから塗り重ねることを心がけましょう。
また、「水性ホビーカラー」はタミヤ製品を除くすべてのキットに番号が記載されていますが、タミヤ製のキットはタミヤカラーの番号しか記載されていません。
なお、完全に乾燥すると耐水性になります。

『新水性カラー アクリジョン』

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GSIクレオスより2013年末に発売になったばかりの新しい水性塗料で、従来の水性カラーよりさらに安全性が改善されています。
上記の水性アクリルカラーとはかなり特性が変わっていますが、アクリルラッカー塗料に近い乾燥速度や塗膜強度など、今後主流の塗料となるかも知れません。
発売当初は基本色のみでしたが、2014年10月には日本海軍艦船色セット(艦底色・タン・軍艦色2)の発売も決定しています。※現在はすべて基本色になり、単品販売されています。

従来の水性カラーと互換性は全くないようですので、混色は不可能です。
また、塗料の希釈には専用の溶剤が必要になり、水では希釈は出来ないようです。(筆などの洗浄は可能)

従来のラッカー塗料の速乾性と水性アクリル塗料の少ない臭気・安全性をあわせ持つ期待の新塗料ですが、ラッカーともアクリルとも違う別物であると言う認識が肝要です。
溶剤での希釈率についてメーカーの方に聞いたところ

・エアブラシ: 塗料:溶剤は1:1程度を目安に
・筆塗り:   ビン生かちょい溶剤足しくらいでOK

とのことです。どちらもラッカーの感覚で薄め過ぎないよう注意!

『エナメル塗料』

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タミヤから発売されています。大きめの模型店などでは海外製品のハンブロールという物も発売されています。
伸びが良く、ムラも出にくく、特に金属色は筆塗りでも発色がとても良いです。
ただし完全乾燥までの時間が大変長く、表面が乾燥後も触っただけで指紋が付いたり変色する事があります(特に艶ありの色で顕著です)。
これは一般的な塗料と違い、塗料が空気と反応して硬化する性質からくる現象なので、特に厚塗りには注意しましょう。
艦船模型ではスクリューや機銃など、細かなところの塗装に適した塗料でしょう。
また、アクリル溶剤系塗料の下地を侵食しない事からスミ入れやウォッシングなどの陰影表現などにも用いられます。
筆洗いには専用の溶剤が必要です。
タミヤからはスミ入れ専用のエナメル塗料も発売されており、モールドに沿って流し込んでから不要な部分を専用の溶剤で拭き取ることで、アクリル塗料の下地を侵さずにスミ入れができます。
なおタミヤエナメルカラーとハンブロールカラーでは同じエナメル系塗料でも特製が大きく違い、特にタミヤエナメルカラーは日本の気候に合わせて成分が調整された物で、両者を混色して使用することは不可能です。
また、ハンブロールカラーの乾燥時間は特に長い物もある(1週間近く乾燥しないことも)ので、初心者は手を出さない方が無難でしょう。

『重ね塗りについて』

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色を重ねて塗る際、下塗りと上塗りの種類の違いで重ね塗りが出来たり出来なかったりします。
下塗りを溶かさないものだと、すぐに拭き取れば修正も可能になり綺麗に塗り分けることもできるようになります。

塗料の相性表上塗り
ラッカー系アクリル系アクリジョンエナメル系
下塗りラッカー系
アクリル系××
アクリジョン
エナメル系×
下塗りを溶かさずに重ね塗りが出来る。修正も容易。
重ね塗り出来るが下塗りを少し溶かす可能性がある。修正は比較的容易。
同系統の溶剤の為下塗りを溶かすが、手早くやれば重ね塗り可能。修正は少々難。
×上塗りの方がより強力な溶剤のため重ね塗りが不可、もしくは難しい。修正は難。
×後述の理由により、塗り重ね不可。
  • 例えば、ラッカー下地にエナメルを塗っていけば、はみ出たとしても綺麗にふき取り修正することができます。
    逆に、エナメル下地にラッカーを上に塗ろうものなら、とても酷いことになるので注意しましょう。
  • アクリル塗料の上にアクリジョンを重ね塗りすると、収縮率の違いによりアクリジョンカラーがひび割れる可能性が高いそうです。

『各社塗料対比表』

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タミヤのキットにクレオスの塗料を塗る場合、またはタミヤ以外のキットにタミヤの塗料を使いたい場合等で、どの色を選べば良いのか少し分かりにくいと思いますので、簡単に対比表に纏めておきます。
ただし塗料の種類や会社で色味は多少変わりますので、最終的には各自で判断してください。

クレオスタミヤピットロード
Mr.カラー水性ホビーカラーアクリジョンアクリルカラーエナメルカラーラッカー塗料艦船カラー
外舷色
(横須賀)
C32
軍艦色(2)
H83
軍艦色(2)
N83
軍艦色(2)
XF53
ニュートラルグレー
XF53
ニュートラルグレー
LP-15
横須賀海軍工廠グレイ
外舷色
(呉)
SC01/C601
呉海軍工廠標準色
XF75
呉海軍工廠グレイ
KP-12
呉海軍工廠グレイ
PC9
日本海軍軍艦色(2)
外舷色
(佐世保)
SC02/C602
佐世保海軍工廠標準色
XF77
佐世保海軍工廠グレイ
LP-12
佐世保海軍工廠グレイ
PC8
日本海軍軍艦色(1)
外舷色
(舞鶴)
SC03/C603
舞鶴海軍工廠標準色
XF87
舞鶴海軍工廠グレイ
LP-14
舞鶴海軍工廠グレイ
外舷色
(外舷21号)
SC04/C604
外舷21号色
PC17A
外舷1号
外舷色
(外舷22号)
SC05/C605
外舷22号色
PC17B
外舷2号
木甲板色C44
タン
H27
ライトブラウン(タン)
N27
タン
XF78
木甲板色
XF57
バフ
LP-16
木甲板色
PC10
甲板色
リノリウムSC06/C606
リノリウム色
H37
ウッドブラウン
N37
ウッドブラウン
XF79
リノリウム甲板色
XF64
レッドブラウン
LP-17
リノリウム甲板色
PC21
リノリウム
艦底色C29
艦底色
H17
ココアブラウン(艦底色)
N17
艦底色
XF9
ハルレッド
XF9
ハルレッド
暗緑色C124
暗緑色(三菱系)
H59
濃緑色(暗緑色)
XF11
暗緑色
XF11
暗緑色
明灰白色C35
明灰白色(1)
H61
明灰白色(1)
N61
明灰白色(三菱系)
XF12
明灰白色
XF12
明灰白色
LP-32
明灰白色

(つや消し)
C33
つや消しブラック
H12
つや消しブラック
N12
つや消しブラック
XF1
フラットブラック
XF1
フラットブラック
LP-3
フラットブラック

(つや消し)
C62
つや消しホワイト
H11
つや消しホワイト
N11
つや消しホワイト
XF2
フラットホワイト
XF1
フラットホワイト
LP-4
フラットホワイト
ガンメタルC28
黒鉄色
H18
黒鉄色
N18
黒鉄色
X10
ガンメタル
X10
ガンメタル
シルバーC8
シルバー(銀)
H8
シルバー(銀)
N8
シルバー(銀)
X11
クロームシルバー
X11
クロームシルバー
LP-11
シルバー
ゴールドC9
ゴールド(金)
H9
ゴールド(金)
N9
ゴールド(金)
X12
ゴールドリーフ
X12
ゴールドリーフ

Mr.カラーのSC01~06はセット売り(Mr.カラー特色)の他にMr.カラー 艦船模型用カラー(C601~)として単品販売されています。

  • SC01,02,03:CS641 日本海軍工廠標準色カラーセット
  • SC04,05,06:CS642 日本海軍日本船舶迷彩色
  • SC01,02,03,06:CS541 艦隊これくしょん 旧 日本海軍工廠標準色セット